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第二十八話 戒めと罪滅ぼし

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 次の日の午前──カンタロウの自宅

 テーブルにタケシとリルが座っていた。

「カンタロウさんとリルさんって親戚なの?」

「はい。カンタロウさんの奥さんがお父さんの妹で、私の叔母になります」

「へえーそうなんだ・・・・・・そういえば、床の方はいつ頃、直りそう?」 

「明日には直ると思います」 

「そっか、あの魔族に懸賞金がついてててよかったよ」

「はい」

「でも、カンタロウさんがあの場にいた皆に謝罪した上、俺を含めたお客全員分の飲食代を払ったのには驚いたよ。カンタロウさんが悪いってわけじゃないって皆も言ってくれたのに、それじゃあ気が済まないからって」

「そうですね」

 二人が話しているとカンタロウが話に入る。

「門番はどんな理由があろうと、勝手な侵入を許したらそれだけで信用を失っちまうからな」

 カンタロウがお茶を三人分テーブルに置き、椅子に座った。

「でも、相手は透明化ができて、その際に魔力の感知もできない奴だったんですよね?だったらしかなかったんじゃないですか?」

「しかし、理由はどうあれ、勝手な侵入を許してしまったが為に今回のようなことが起きてしまった。しかも、その前から侵入者の情報がありながら、俺ら騎士団はろくにいるかも調べなかった・・・・・・飲食代を払ったのは自分への戒めと罪滅ぼし・・・・・・自己満足だ。あと、騎士団では今、新たな侵入対策を考えてるところだ」

「なるほど・・・・・・」

「ちなみにタケシには元々、ご馳走するつもりだったから、気にするな」

「そうだったんですか?ありがとうございます」

 カンタロウはリルの方を見る。

「あれから、親父さんとリルちゃんはなんともないか?」

「はい。大丈夫です」

「それはよかった」

 タケシはお茶を少し飲み、カンタロウに話をかける。

「そういえば、ギルドで聞いたのですが、ナメヌルンって魔族盗賊団の一味だったとか」

「ああ、魔族盗賊団アングロラ団な」

 



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