魔法力士(旧タイトル: ギルドに冒険者登録しに行ったら、なれる職業が魔法力士しかなかった)

和山忍

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第八十八話 別の方法って?

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「ヒロコ、私の目がおかしいのかな?扉らしきものがないんだけど」

「おかしくはないわ。ほんとにないんだわ。タケコ」

 二人は小声で話す。

「ねえ!さっきから二人だけでコソコソ何話してるのさ!あたしも入れてよ!」

「ごめんね。サチ」

 二人はサチを間に入れる。

「監視水晶がある。できるだけ小声で話してサチ」

 とタケシがサチに言う。

「うん。わかった」

 小声でサチが答える。

「多分隠し扉があるか、別の方法で出入りするんだわ」

「別の方法って?」

 サチがヒロキに小声で問う。

「そうね・・・・・・柵の間を通り抜けできるくらい身体を小さくする縮小魔法とか牢屋の中から外に転移させる転移魔法、あとは柵や壁を透り抜けさせる透過魔法かしら」

「なるほど。どれもあたしが使えないものばかり」

「どれも珍しいからね。しかたないわ」

「鍵開けならできるんだけど」

 二人が小声で話をしてる最中、タケシは牢屋をじっと見る。

「けどヒロコ?私の魔法もしくはサチの魔法──術なら柵なんて壊して、脱出できるんじゃないかしら?」

「そうね」

 二人が小声で話しながらじっと柵を見る。

「ねえ、さっきから思ってたんだけどなんで小声で話してるのにいつも通り話さないの?」

「何言ってるの!クエスト中なのよ。使い分けてたらいつボロがでるかわからないじゃない!ねえヒロコ?」

「そうねタケコ。私達は極秘クエスト中・・・・・・変化を解くかクエストが終わるまでは身も心も女であり続けなきゃならないわ。だから、小声だろうと話し方を変えるつもりはないわ」

「・・・・・・でもさっき落ちてる最中、変化前の話し方に戻ってたよね?」

「え!?そうだったかしら?ねえヒロコ?」

「どうだったかしら?おほほ」

「・・・・・・まあいいや。それで柵を壊すの?」

「そうね・・・・・・」

 とヒロキが考えてると、
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