【新作】1分で読める! SFショートショート

Grisly

文字の大きさ
11 / 85

霊能力者

俺は霊能力者。

これが問題なのだが、
霊能力者にも色々ある。

俺は、幽霊の声が聞こえるタイプなのだ。
これは確実。
こんな能力を持ってしまったばかりに、
依頼が絶えない。

しかし、大抵は期待に添えないので
基本的に断る事にしているのだが。




今日も依頼がやって来た。

「家に取り憑いた幽霊を
 説得して追い払って頂きたい。」

ああだめだ。
このような依頼は、受けられない。
霊媒師に頼んでくれ。

声が聞こえても俺ではダメなのだ。
散々理由を説明したが、
納得してもらえない。




仕方なく、現地に行き、霊と対話を試みる。

「お前は何故、この家に恨みを持っている。」

「昔仕えていた主人が、
 私を泥棒に仕立て上げた。

 そのおかげで、生活は立ち行かなくなり、
 職にもつけず、一家心中。
 その恨みなのだ。」



そのことを伝えると、
依頼主は押入れで見つけた
家系図を持ち出し、
誤解を解いてくれとせがむ。

仕方ない。給料をもらっている手前、
やる事はやらなければ。

「いいか。これを見ろ。
 ここの一族は、
 全くその主人とは血縁関係が無い。
 
 お前が恨みをぶつけている
 相手は筋違いだ。
 
 早く成仏しなさい。」


「うらめしや。」


「うらめしやじゃないだろ。
 筋違いなんだ。
 
 そこの家系はこの家では無いのだ。
 この家系図を見れば分かるだろう。
 
 もう遠くの昔に、
 S市に引っ越している。」


「うらめしや。」

ああだめだ。こうなってしまっては、
もう手の施しようが無い。

幽霊とはこのような物だ。
何に恨みを持っているのか。
これは明確に答えられる。

しかし、その他の事となると、
全く要領を得ず、
いかなる交渉も意味を成さないのだ。





 
考えてみれば当たり前だ。
「恨み」とはそもそもそう言う物である。
因果応報などと言うのは理想論に過ぎない。

仕返しが怖くない相手にぶつけて初めて
それは消化されるのだ。

もし鶏が毒を持っていたら、
誰も鶏肉を食べようとは思わない。

もし裁判の裁定と、刑の執行を
原告が全て行うのなら、
裁判なんてしようと思わないだろう。
そもそもそんな物、裁判とは呼ばないのだ。


どんな形であれ、
食う物食われる物。
そう言う事なのだ。

幽霊等、時間が経ち過ぎ、
呪う相手も死んでしまって、
もう何を恨んで良いのかも
あやふやな状態となれば特に…



感想 90

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。