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帰還者たち
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巨大な宇宙船が、
長い旅を終え、地球へ着陸した。
遂に有人での
宇宙進出を可能とした人類。
操縦士、科学者、学者、
カメラマン、その他。
世界中から集められた 10数人の精鋭部隊。
スペシャルチームが組まれ、
40年に渡り、星々を探検していた。
そして遂に今日、地球へ帰還したのだ。
現地では、
親族はもちろん、政府機関、
報道陣等が見守る。
画面越しに、
全世界が、期待と興奮に包まれ、
40年前旅立った、夢の宇宙船に注目した。
一体どんな冒険話を語ってくれるのだろう。
どんな世界が広がっていたのか。
しかし。
世界を待っていたのは絶望だった。
確かに、宇宙船自体は、
紛れもなく40年前見送った物だったのだが…
ハッチから降りてきたのは、
明らかに地球人とは言い難い見た目の者達。
赤、黄色、緑、紫… 様々な色の肌。
角が生えている者や、
水かきの付いている者。
脚が6本生えている者、
目が3つの者…
そして彼等は地球の言葉を喋らず、
理解できなかった。
泣き崩れる親族達。
「宇宙船は宇宙人に乗っ取られたのか…」
「すると、調査チームは全滅…」
「私の待つあの人は、もう2度と帰って来ない…」
政府機関も困惑を示した。
「彼等の目的は一体何なのだ。
自らの宇宙船に乗らなかったのは、
我々を油断させ、侵略を進めるためか…」
「いや、だとしてもあまりに無防備すぎる。
彼等は武器のひとつも
持っていないじゃないか。」
無抵抗な相手を射殺するわけにもいかず、
かと言って、
危険な相手であることに間違いは無い。
宇宙船を乗っ取っているのだ。
しかし、何があったのか聞こうにも話が通じない。
結局のところ、宇宙から来た彼等を勾留し、
しばらく様子を見ることになった。
別段、害は無さそうだし、
そのうち我々の言葉を理解するかも知れない。
未知の技術を持っているかも知れないし、
チームの最期のメッセージを届けに来た
可能性もないとは言い切れない。
どうでもいい挨拶や、簡単な単語から
コミュニケーションが試みられた。
皆が驚いたのは2年後。
彼等は少しずつではあるが、
地球の言葉を喋り始めたのだ。
「オオイ、ミンナ、カンチガイヲシテイル。
オレタチダゾ。オレタチ。」
これは、どういう意味なのだろう。
テレビでも放送され、皆がしきりに議論した。
「やはり、我々を油断させておいてゆくゆく
地球を侵略するつもりなのだ。」
「調査チームを食べた時に、
記憶を引き継いだんだ。
宇宙人ならそんな能力があるかも知れない。」
「スパイをし、
本国に情報を送っているのかも知れないぞ。」
「こうしている間にも、
未知の病原体を広めているに違いない。」
すると、ようやく、真相に辿り着いた
1人の科学者がいた。
彼は笑いながらこう言った。
「何という事はない。
彼等は、宇宙人でも何でもない。
我々が送り出したスペシャルチームだ。
40年も星を離れれば、
言葉は忘れて当然。
そして、様々な放射線や宇宙線の
飛び交う宇宙空間に居続ければ、
見た目も変わるのは当然だ。
ほら、砂浜に行けば、
黒くなる人もいるように。
普通の紫外線ですら、
個人差こそあれ、
様々な変化をもたらすじゃないか。
大騒ぎするほどのことでもなかった。
ただの時差ボケと日焼けのような物だ。
宇宙版のね。」
長い旅を終え、地球へ着陸した。
遂に有人での
宇宙進出を可能とした人類。
操縦士、科学者、学者、
カメラマン、その他。
世界中から集められた 10数人の精鋭部隊。
スペシャルチームが組まれ、
40年に渡り、星々を探検していた。
そして遂に今日、地球へ帰還したのだ。
現地では、
親族はもちろん、政府機関、
報道陣等が見守る。
画面越しに、
全世界が、期待と興奮に包まれ、
40年前旅立った、夢の宇宙船に注目した。
一体どんな冒険話を語ってくれるのだろう。
どんな世界が広がっていたのか。
しかし。
世界を待っていたのは絶望だった。
確かに、宇宙船自体は、
紛れもなく40年前見送った物だったのだが…
ハッチから降りてきたのは、
明らかに地球人とは言い難い見た目の者達。
赤、黄色、緑、紫… 様々な色の肌。
角が生えている者や、
水かきの付いている者。
脚が6本生えている者、
目が3つの者…
そして彼等は地球の言葉を喋らず、
理解できなかった。
泣き崩れる親族達。
「宇宙船は宇宙人に乗っ取られたのか…」
「すると、調査チームは全滅…」
「私の待つあの人は、もう2度と帰って来ない…」
政府機関も困惑を示した。
「彼等の目的は一体何なのだ。
自らの宇宙船に乗らなかったのは、
我々を油断させ、侵略を進めるためか…」
「いや、だとしてもあまりに無防備すぎる。
彼等は武器のひとつも
持っていないじゃないか。」
無抵抗な相手を射殺するわけにもいかず、
かと言って、
危険な相手であることに間違いは無い。
宇宙船を乗っ取っているのだ。
しかし、何があったのか聞こうにも話が通じない。
結局のところ、宇宙から来た彼等を勾留し、
しばらく様子を見ることになった。
別段、害は無さそうだし、
そのうち我々の言葉を理解するかも知れない。
未知の技術を持っているかも知れないし、
チームの最期のメッセージを届けに来た
可能性もないとは言い切れない。
どうでもいい挨拶や、簡単な単語から
コミュニケーションが試みられた。
皆が驚いたのは2年後。
彼等は少しずつではあるが、
地球の言葉を喋り始めたのだ。
「オオイ、ミンナ、カンチガイヲシテイル。
オレタチダゾ。オレタチ。」
これは、どういう意味なのだろう。
テレビでも放送され、皆がしきりに議論した。
「やはり、我々を油断させておいてゆくゆく
地球を侵略するつもりなのだ。」
「調査チームを食べた時に、
記憶を引き継いだんだ。
宇宙人ならそんな能力があるかも知れない。」
「スパイをし、
本国に情報を送っているのかも知れないぞ。」
「こうしている間にも、
未知の病原体を広めているに違いない。」
すると、ようやく、真相に辿り着いた
1人の科学者がいた。
彼は笑いながらこう言った。
「何という事はない。
彼等は、宇宙人でも何でもない。
我々が送り出したスペシャルチームだ。
40年も星を離れれば、
言葉は忘れて当然。
そして、様々な放射線や宇宙線の
飛び交う宇宙空間に居続ければ、
見た目も変わるのは当然だ。
ほら、砂浜に行けば、
黒くなる人もいるように。
普通の紫外線ですら、
個人差こそあれ、
様々な変化をもたらすじゃないか。
大騒ぎするほどのことでもなかった。
ただの時差ボケと日焼けのような物だ。
宇宙版のね。」
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