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懐かしい星
地球を離れて40年。
我々は宇宙船に乗り、様々な星を巡った。
巨大な昆虫の支配する惑星。
牛人間が治める惑星。
爬虫類の王国。
素晴らしく、刺激的な毎日。
「ワクワクする。
次はどんな星が待っているのだろうな。」
「船長。私はもうそろそろ疲れてきました。
地球を離れて40年。
流石に久しぶりに帰りたい。」
「うむ。分からなくはない。
地球は遥か遠くだ。
戻るのには当然だが40年かかる。
しかし、私達は戻らないのを覚悟の上で、
冒険に出かけたはずだ。
おかげで様々な星に出会えた。
元気を出そう。」
部下を必死に励ます。
ホームシックは非常に危険だ。
ともすれば、精神崩壊をおかしかねない。
次の惑星が近づいてきた。
我々は着陸体制に入る。
「あれ。船長。これって…」
「うむ。どういう事だ。」
地面に近づくにつれ、
その惑星の不思議さに気付いた。
まるで地球のような光景。
木や石で建てられた家々。
これまでのどの星でもそのような物はなかった。
見たことのない金属の家や、
ジェル状の液体に囲まれて眠る星もあった。
地球を出てただの一度も、
少なくとも、ぱっとそれを見て、
家とわかるような、見覚えと呼べる物を
感じたことなどないのである。
「どういうことでしょう。
この感情は。
懐かしさというべき物でしょうか。
地球を出てこの方、
こんな感情になった事はない。」
「落ち着きなさい。ただの偶然か、
もしくは幻覚を
見せられているのかも知れない。
我々を油断させておいて、
捕食するつもりなのかも知れないぞ。
気を確かに持て。」
部下を必死に励まし、何とか着陸した。
我々は武器を携え、警戒はしつつ、
この星を見てまわる事にした。
実際に降りて、見て回ると、
更に不思議な事に気づいた。
家々のサイズが
我々の知る物と大体同じなのだ。
と言う事は、住んでいる者達は、
我々と同じくらいのサイズという事になる。
「船長。これを見て下さい。」
「ああ、これはどういう事だ。」
各家の庭先では、
採れた魚のような物を、
天日干しして、干し魚を作っていた。
不思議な物だ。
この宇宙に似たような風習があるとは。
そして、木々の生い茂る周りの風景もあいまって、
この石や木でできた家々の集落には
懐かしさを感じるのだ。
まるで地球の原風景。
それも、文明の発達した現在となっては、
かなり田舎の方に行かないと、もう見られない
我々の心の中にあるような、懐かしさを感じる…
「船長。家から住人が出てきましたよ。」
「うむ。少し話をしてみよう。」
我々はコミュニケーションを試みた。
これまで訪れたどの星でも
そんな事はなかったのだが、
不思議な事に似たような言葉が幾つもあり、
全部とは行かないまでも、会話が通じたのだ。
そして、更に不思議な事に、
彼等の見た目は、地球人そのもの。
「船長。これは一体…」
「うむ。我々は知らないうちに、
過去か未来の地球へ戻ってきたのかも知れない。
そんなSF映画が、昔存在していた。
もしくは、幻想を見せられているのかも。
何だろうな。この不思議な懐かしさの正体は。」
そう。懐かしいのだ。
地球のようでいて、ここは違う星であるし、
現在の地球ともまた異なっている。
しかし、彼等を見て感じる物は、
何だかこう、懐かしい感情。
まるで、
我々のDNAに深く刻み込まれているような…
しばらく私達は、彼等の家の世話になった。
朝から釣りに出かけ、
昼は畑の手入れをし、
夜になれば焚き火を囲み宴を開く。
そして彼等は、我々と同じ見た目をしており、
共通の言語を多数持っている…
不思議な気持ちだった。
やはり、どこか懐かしさを感じる…
私達は重篤なホームシックに陥り、
2人して恐ろしい幻覚を見ているのか…
真相が分かったのは、
数日が経った夜の宴のことだった。
家の主人が、星を指差し、語り始めたのだ。
「カゾク。 イッパイ、ウチュウ。
アチコチイル。
ワレワレ。ミンナ。ヒロガッテイッタ。
ココカラ ヨンジュウネン
ハナレタトコロニ ワタシタチ
フルサト アル。」
(まぁ、もちろんこんな風には
喋っていなかったが、
聞き取った雰囲気はこうであった。)
我々は目を見合わせた。
「船長。ここから40年先に故郷がある。
という事はまさか…」
「うむ。彼等もまた、大昔に地球を飛び立った
者達ということだ。
それこそ懐かしさの正体…
しかも、似たような人達は
他の惑星にも大勢いるらしいな。
宇宙は狭いという事だ。
ハッハッハッハ。」
「いや、宇宙が狭いで片付く話ですかね。
歴史にもそんな事は記されていない。
こんな事…」
「人類には少なくとも
10万年の歴史があるのだぞ。
そんな事があっても不思議ではない。
考えてもみろ。今でもそうだ。
大航海時代ばかり有名だが、
それより3000年も昔に
シルクロードで世界は1つになっていたし、
アメリカ大陸発見より先に辿り着いた先住民も
いたのだ。
彼等の存在を当時の人が見たら、
今のような感情になるのではないかな。」
「うーん。しかし、こんな事が…」
「まぁ。だからと言って、我々も
こんな遠くまで来て、
わざわざ故郷に帰って報告はしないだろ。
遥か遠くの土地で出会って、
お互いに分かれば、嬉しいくらいのものだ。
我々も40年かけて
もう地球へ戻る事はない訳だし…
心の中に大事に持っておけば
良いのではないかな。故郷という物は。」
我々は宇宙船に乗り、様々な星を巡った。
巨大な昆虫の支配する惑星。
牛人間が治める惑星。
爬虫類の王国。
素晴らしく、刺激的な毎日。
「ワクワクする。
次はどんな星が待っているのだろうな。」
「船長。私はもうそろそろ疲れてきました。
地球を離れて40年。
流石に久しぶりに帰りたい。」
「うむ。分からなくはない。
地球は遥か遠くだ。
戻るのには当然だが40年かかる。
しかし、私達は戻らないのを覚悟の上で、
冒険に出かけたはずだ。
おかげで様々な星に出会えた。
元気を出そう。」
部下を必死に励ます。
ホームシックは非常に危険だ。
ともすれば、精神崩壊をおかしかねない。
次の惑星が近づいてきた。
我々は着陸体制に入る。
「あれ。船長。これって…」
「うむ。どういう事だ。」
地面に近づくにつれ、
その惑星の不思議さに気付いた。
まるで地球のような光景。
木や石で建てられた家々。
これまでのどの星でもそのような物はなかった。
見たことのない金属の家や、
ジェル状の液体に囲まれて眠る星もあった。
地球を出てただの一度も、
少なくとも、ぱっとそれを見て、
家とわかるような、見覚えと呼べる物を
感じたことなどないのである。
「どういうことでしょう。
この感情は。
懐かしさというべき物でしょうか。
地球を出てこの方、
こんな感情になった事はない。」
「落ち着きなさい。ただの偶然か、
もしくは幻覚を
見せられているのかも知れない。
我々を油断させておいて、
捕食するつもりなのかも知れないぞ。
気を確かに持て。」
部下を必死に励まし、何とか着陸した。
我々は武器を携え、警戒はしつつ、
この星を見てまわる事にした。
実際に降りて、見て回ると、
更に不思議な事に気づいた。
家々のサイズが
我々の知る物と大体同じなのだ。
と言う事は、住んでいる者達は、
我々と同じくらいのサイズという事になる。
「船長。これを見て下さい。」
「ああ、これはどういう事だ。」
各家の庭先では、
採れた魚のような物を、
天日干しして、干し魚を作っていた。
不思議な物だ。
この宇宙に似たような風習があるとは。
そして、木々の生い茂る周りの風景もあいまって、
この石や木でできた家々の集落には
懐かしさを感じるのだ。
まるで地球の原風景。
それも、文明の発達した現在となっては、
かなり田舎の方に行かないと、もう見られない
我々の心の中にあるような、懐かしさを感じる…
「船長。家から住人が出てきましたよ。」
「うむ。少し話をしてみよう。」
我々はコミュニケーションを試みた。
これまで訪れたどの星でも
そんな事はなかったのだが、
不思議な事に似たような言葉が幾つもあり、
全部とは行かないまでも、会話が通じたのだ。
そして、更に不思議な事に、
彼等の見た目は、地球人そのもの。
「船長。これは一体…」
「うむ。我々は知らないうちに、
過去か未来の地球へ戻ってきたのかも知れない。
そんなSF映画が、昔存在していた。
もしくは、幻想を見せられているのかも。
何だろうな。この不思議な懐かしさの正体は。」
そう。懐かしいのだ。
地球のようでいて、ここは違う星であるし、
現在の地球ともまた異なっている。
しかし、彼等を見て感じる物は、
何だかこう、懐かしい感情。
まるで、
我々のDNAに深く刻み込まれているような…
しばらく私達は、彼等の家の世話になった。
朝から釣りに出かけ、
昼は畑の手入れをし、
夜になれば焚き火を囲み宴を開く。
そして彼等は、我々と同じ見た目をしており、
共通の言語を多数持っている…
不思議な気持ちだった。
やはり、どこか懐かしさを感じる…
私達は重篤なホームシックに陥り、
2人して恐ろしい幻覚を見ているのか…
真相が分かったのは、
数日が経った夜の宴のことだった。
家の主人が、星を指差し、語り始めたのだ。
「カゾク。 イッパイ、ウチュウ。
アチコチイル。
ワレワレ。ミンナ。ヒロガッテイッタ。
ココカラ ヨンジュウネン
ハナレタトコロニ ワタシタチ
フルサト アル。」
(まぁ、もちろんこんな風には
喋っていなかったが、
聞き取った雰囲気はこうであった。)
我々は目を見合わせた。
「船長。ここから40年先に故郷がある。
という事はまさか…」
「うむ。彼等もまた、大昔に地球を飛び立った
者達ということだ。
それこそ懐かしさの正体…
しかも、似たような人達は
他の惑星にも大勢いるらしいな。
宇宙は狭いという事だ。
ハッハッハッハ。」
「いや、宇宙が狭いで片付く話ですかね。
歴史にもそんな事は記されていない。
こんな事…」
「人類には少なくとも
10万年の歴史があるのだぞ。
そんな事があっても不思議ではない。
考えてもみろ。今でもそうだ。
大航海時代ばかり有名だが、
それより3000年も昔に
シルクロードで世界は1つになっていたし、
アメリカ大陸発見より先に辿り着いた先住民も
いたのだ。
彼等の存在を当時の人が見たら、
今のような感情になるのではないかな。」
「うーん。しかし、こんな事が…」
「まぁ。だからと言って、我々も
こんな遠くまで来て、
わざわざ故郷に帰って報告はしないだろ。
遥か遠くの土地で出会って、
お互いに分かれば、嬉しいくらいのものだ。
我々も40年かけて
もう地球へ戻る事はない訳だし…
心の中に大事に持っておけば
良いのではないかな。故郷という物は。」
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