どうも、魔王です

灰猫と雲

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勇者さん御来城

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だいたいね、4人が基本なんですよ、パーティって。
勇者と職業別に3人の計4人のパーティで来ることが多いかな?
まぁ戦士か武闘家、魔法使い、僧侶が無難でしょうね。
正直「あ~、またかぁ」って思うけど顔には出さないようにしてます。
つまらないんですよね、普通すぎて。
それが一番バランス取れてるとは思いますけど個性がなさすぎて…。
没個性の時代とはいえつまらなさすぎです。
まぁ勇者以外3人とも踊り子とか「バカにしてんのかな?」って思いますし、戦士3人も「ちょwww本気かよwww」って思いますけどね。
そういえば一度ニンジャっていう東洋の特殊な職業の方がいらしたことありました。
アレなんですかね?
ずっと武器投げてました。
最初手裏剣だったんですけど途中から普通に剣投げてましたよ?
一本だけでもそこそこ重いのに30本くらい投げてたかな?
30本もの剣を持ってダンジョン歩くその体力と腕力を違うところに使った方がいいと思うんです。
普通に剣で切りつけた方がダメージデカイと思います。
あと『変わり身の術』とかいう回避あるじゃないですか?
あれ丸太ですよ?
わざわざ1ターンかわすだけなのに丸太1本持ち歩いてるんですよ?
30本の剣に1本の丸太…ニンジャ要領悪すぎません?
そりゃ荷物もクソ多いわって思いましたね。
あと極たまにですが召喚魔法使えるサマナーの方もいらっしゃいますね。
珍しい職業だから大抵ドヤ顔でいらっしゃいます。
けどあの人達大事なこと忘れてるんですよ。
サマナーの召喚する召喚獣って、アレ基本私の部下達なんですよね。
勇ましくグワーッて召喚されて直後はオラついてたりするんですが、私の顔見た瞬間
「えぇぇぇぇぇ………マジでぇぇぇ………泣」
みたいに嫌そうな顔してますからね。
私テレパスで
「いいから、あなたも仕事だから遠慮なくやっていいから」
って言うんですけど、やっぱ私会社でいうところの社長ですからね、向こうも手加減するんですわ。
今で言う忖度ってやつです。
で、引っ込む時も「なんかすいません」みたいな申し訳なさそうにしてるのがホント忍びなかったですね。
忍びないといえばニンジャってアレどうして剣を逆手で持つんですかね?
斬りづらいじゃないですか。
で刀納める時は順手なんですよ?
意味わかんなくないですか?
本当ニンジャだけは解せないです。


と、おしゃべりはさておき今日はどんなパーティかなぁって楽しみにしてたんですよ。
そしたらね、門番Aさん連れてきたの、勇者1人だけなんです。
ボッチです。
最初の印象は
「あれ?性格悪いのかな?」
って思いましたよ。
だって普通私ラスボスなんですよ?
パーティ組んで来るの普通じゃないですか?
それを1人で来るなんて、そりゃもうパーティ組めないくらい性格に難ありとしか考えられないじゃないですか。
けどまぁ私も魔王としての仕事はキッチリこなさないと部下に示しがつきませんからね。
「よく来たな、勇者よ」
って言ったんです。そしたら
「あ、違う違う。今日まだ倒せない、ムリ笑」
って笑うんです。
おかしいでしょ!?
ここ、冒険の1番最後に来るところですよ?
倒せないならなんしに来たの?って思うじゃないですか?
よくみたら装備も木刀に私服、道具なんて薬草2個しかもってないじゃないですか。
はじまりの村から出る時の装備じゃないですか!
「ちょっとさ、聞きたいことがあって」
そこでさっき門番Aさんの言葉を思い出しましたよ。
「そういえば私に相談あるんでしたっけ?」
私、戦闘の構えを解いてそう尋ねたんです。
そしたら
「そうなの、ちょっとさぁ一緒に考えて欲しくて」
って勇者が言うんですよ。
この人何言ってるの?ってなりましたね。
私この考え方あまり好きじゃないですけど、いわば勇者って正義の側で、私は悪の側な訳です。
その対極にいる2人が一緒に考えるって状況なんなんでしょ?
けどね、ひとつ思いついたんですよ。
その対極に存在している私たちが一緒に考えられるとしたら、それはもう『共存』しかないじゃないですか?
私ちょっと反省しました。
見た目でこの勇者を判断して、大事なこと見落としてたんですね。
ヒトの中にもちゃんと私たちのこと考えてくれている勇者がいるなんて、私ちょっと泣きそうになりました。
「あのさぁ、ちょっと決められないことがあって」
とその勇者が困った顔するんです。
共存にはルールが必要です。
その中には優先エリアというのがあります。
ここのエリアはヒトの、こっちのエリアは私達のといった線引きが必要です。
すでにあるフィールドをいかに公平に二分するか、その話なんだなと思いました。
「私、魔王ですけどこんな私で良ければ相談に乗りますよ。何に困ってるのですか?」
サディちゃ~ん、早くこの方にお茶を差し上げて。
今日のこの話は少し長くなりそうです。
なにせモンスターと人との共存の話です。
1日で終わる話じゃないでしょう。
この方とは長い付き合いになりそうです。
ですが!
次の勇者から出た言葉に私びっくりしましたね。
未だかつてそんな勇者いませんでしたから。
「さしあたって名前かな?」
なまえ?
え?ナンチャラ平和条約とかそういうやつ?
意外と形から入るタイプですか?
「ギルドに登録する俺の名前なにが良いかなぁって。決められないんだよねぇ。一緒に考えてくれない?」




私250年ぶりの『魔王の息吹』を食らわせたい衝動抑えるのに必死でしたよ。
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