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嘘だと言って欲しい
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「本当、やんっ、やめて」
もう聞きたくないって逃げればいいのに、今動いたら後ろの木陰にいる二人に気づかれるんじゃないかって変な遠慮があった。別に見られて困るのはあっちなのにこんな気弱な所が自分の嫌な部分だ。
「リルっ…」
え?
今なんて言ったの?
自分の婚約者の名前を言った?
「あぁっ、リルっ」
やっぱり…。今、この後ろで情事をしているのはリルなのだと事実が突き付けられた。冷や汗が脂汗に変わり、全身が気持ちが悪い。今ここで吐けと言われたらすぐに吐ける自信がある。風に乗って漂ってくるフローラルな香水に思わず口を覆った。吐き気と同時に込み上げたのは、悲しさや悲壮感ではなく、怒りだった。
どうして私がこんな目に?
どうして浮気現場を目撃しないといけないの?
どうしてこの男は私以外とこんなことをするの?
頭に血が上り、何か武器はないかと探す。バックの中にはたいしたものは入っていなくて、バックを急いで探ったから土の上に中身がすべてぶちまけられた。
馬鹿みたい…。学園で情事するような最低男。
なんで好きだったの?
「もう疲れた…」
ゆらりと立ち上がり、その声の元へ向かった。
「きゃっ!」
「え?」
そこで見たものはもっと衝撃的で、自分の精神を崩壊させるには十分だった。
「バーバラ…?」
「シェ、シェイリー…」
なんで、自分の友人が?と頭が真っ白になってしまった。しかし、今の状態はリルの上にバーバラが乗っかっていて、挿入している状態だ。明らかに自分の婚約者と友人が交わっている。
「うっ…」
見た瞬間、胃液が込みあがり、戻してしまった。気持ちが悪い。口の中が酸っぱくて、勝手に涙が零れ落ちる。
「あ。萎えた…ちっ、ちょっと退いて」
何故か不機嫌な婚約者は、唖然としているバーバラを退かして身なりを整え始めた。自分の婚約者が吐いてようと関係ないと言った態度に殺意を覚える。
「…シェリー?僕の婚約者だもんね」
いつも使われてきたこの言葉。伸びてきたリルの腕を振り払う。
「婚約破棄しましょう」
「え…?」
振り払われると思わなかったの?そんなわけないでしょ。目を見開く婚約者に天使の面影はない。天真爛漫な好青年?これが?
「シェイリー冗談よね?だって、リルの事すごく好きだったじゃない?ね?」
急に焦ったように自分を宥めるバーバラをもう友人だとは思えなかった。あんなに信用していたのに今は醜い他人にしか見えない。
「気持ち悪い、喋らないで」
「シェイリー…」
「良かったじゃない?一時の遊びなのかどうか知らないけど、破棄されれば遊び放題よ」
「な、馬鹿なこと言わないでくれ、シェリー。婚約破棄なんて冗談だよね?」
「これが冗談に聞こえるなら相当なお気楽様ね」
「ど、どうしてシェイリー!」
「どうして?それ貴方が言うの?」
「ひっ…」
今にも射殺しそうな自分の視線にバーバラが悲鳴を上げて口を押えた。
「いつから裏切っていたのよ。ずっと友人だと思っていたのに。こんな事して、裏で私を笑っていたの?」
「ち、違うわ!浮気の事を問い詰めに言った後に呼び出されて…その…」
「脅されたの?」
「はぁ!?僕がそんなことするわけないだろ!この女から寄って来たんだ!」
だんっと大きな音を立てて、ペンを木にぶっ刺した。ナイフでもあれば、この男の喉を掻っ捌いてやったのに。自分のあまりの気迫に二人が押し黙る。
「もういい。理由なんて知っても何も変わらない」
「シェリー!まってくれ!シェリー!」
「子爵家から正式に婚約破棄の手続きの書類を送るわ。父が戦争を起こさないことを祈るのね」
「な……」
二人はその後も言い合いをしていたけど、もう疲れた自分はさっさと帰ってきた。疑問もたくさんある、けれど、それを聞いて何になる?気持ちは変わらないのに。
もう聞きたくないって逃げればいいのに、今動いたら後ろの木陰にいる二人に気づかれるんじゃないかって変な遠慮があった。別に見られて困るのはあっちなのにこんな気弱な所が自分の嫌な部分だ。
「リルっ…」
え?
今なんて言ったの?
自分の婚約者の名前を言った?
「あぁっ、リルっ」
やっぱり…。今、この後ろで情事をしているのはリルなのだと事実が突き付けられた。冷や汗が脂汗に変わり、全身が気持ちが悪い。今ここで吐けと言われたらすぐに吐ける自信がある。風に乗って漂ってくるフローラルな香水に思わず口を覆った。吐き気と同時に込み上げたのは、悲しさや悲壮感ではなく、怒りだった。
どうして私がこんな目に?
どうして浮気現場を目撃しないといけないの?
どうしてこの男は私以外とこんなことをするの?
頭に血が上り、何か武器はないかと探す。バックの中にはたいしたものは入っていなくて、バックを急いで探ったから土の上に中身がすべてぶちまけられた。
馬鹿みたい…。学園で情事するような最低男。
なんで好きだったの?
「もう疲れた…」
ゆらりと立ち上がり、その声の元へ向かった。
「きゃっ!」
「え?」
そこで見たものはもっと衝撃的で、自分の精神を崩壊させるには十分だった。
「バーバラ…?」
「シェ、シェイリー…」
なんで、自分の友人が?と頭が真っ白になってしまった。しかし、今の状態はリルの上にバーバラが乗っかっていて、挿入している状態だ。明らかに自分の婚約者と友人が交わっている。
「うっ…」
見た瞬間、胃液が込みあがり、戻してしまった。気持ちが悪い。口の中が酸っぱくて、勝手に涙が零れ落ちる。
「あ。萎えた…ちっ、ちょっと退いて」
何故か不機嫌な婚約者は、唖然としているバーバラを退かして身なりを整え始めた。自分の婚約者が吐いてようと関係ないと言った態度に殺意を覚える。
「…シェリー?僕の婚約者だもんね」
いつも使われてきたこの言葉。伸びてきたリルの腕を振り払う。
「婚約破棄しましょう」
「え…?」
振り払われると思わなかったの?そんなわけないでしょ。目を見開く婚約者に天使の面影はない。天真爛漫な好青年?これが?
「シェイリー冗談よね?だって、リルの事すごく好きだったじゃない?ね?」
急に焦ったように自分を宥めるバーバラをもう友人だとは思えなかった。あんなに信用していたのに今は醜い他人にしか見えない。
「気持ち悪い、喋らないで」
「シェイリー…」
「良かったじゃない?一時の遊びなのかどうか知らないけど、破棄されれば遊び放題よ」
「な、馬鹿なこと言わないでくれ、シェリー。婚約破棄なんて冗談だよね?」
「これが冗談に聞こえるなら相当なお気楽様ね」
「ど、どうしてシェイリー!」
「どうして?それ貴方が言うの?」
「ひっ…」
今にも射殺しそうな自分の視線にバーバラが悲鳴を上げて口を押えた。
「いつから裏切っていたのよ。ずっと友人だと思っていたのに。こんな事して、裏で私を笑っていたの?」
「ち、違うわ!浮気の事を問い詰めに言った後に呼び出されて…その…」
「脅されたの?」
「はぁ!?僕がそんなことするわけないだろ!この女から寄って来たんだ!」
だんっと大きな音を立てて、ペンを木にぶっ刺した。ナイフでもあれば、この男の喉を掻っ捌いてやったのに。自分のあまりの気迫に二人が押し黙る。
「もういい。理由なんて知っても何も変わらない」
「シェリー!まってくれ!シェリー!」
「子爵家から正式に婚約破棄の手続きの書類を送るわ。父が戦争を起こさないことを祈るのね」
「な……」
二人はその後も言い合いをしていたけど、もう疲れた自分はさっさと帰ってきた。疑問もたくさんある、けれど、それを聞いて何になる?気持ちは変わらないのに。
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