初恋は先生。

泉 芳子

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第1章

修学旅行②

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次の日の朝の目覚めは最高だった

寝る前に先生に会えて、それを思い出すだけでニヤけた

朝食までまだ時間があったので昨日美奈が撮ってくれた写真を見ていた


2人で仲良く話しながら歩く後ろ姿の写真


写真の中の私と先生は万遍の笑みで笑っていてカップルみたいにラブラブで幸せに見えた

私は美奈に感謝して「絶対家宝にするよ!」と言った

美奈は「大袈裟だな!」と笑った

朝食の時間になり、先生の隣に座った

先生は笑顔で「朝ご飯は沢山食べようね」
「いっぱい食べる人好きだから」と言ってくれた

恥ずかしくなったけど心配してくれていると思ったら嬉しかった


私と先生が話してるのを見るて必ず渡辺君が絡んで来る

「先生と宮本話しすぎ!近すぎ!端と端に座れよ!」と言ってきた

クラスのみんなは渡辺君をちゃかすように
「渡辺が先生に嫉妬してるぞ!」
「先生の方が数倍かっこいい!」
「宮本、渡辺の隣行ってやれよ!」など…

私は苦笑いをして先生に助けを求めた

先生も照れているのがちょっとだけ耳が赤かった

そんな先生を見て私もちょっと照れた

そこで美奈が「彩音には渡辺より先生の方があってるよー」と火に油を注いだ

渡辺君は椅子を持って私と先生の間に割り込んで座ってきた

「俺ここで朝ご飯食べるから!」 
「先生も宮本も異議ないな?」
と凄い剣幕で言ってきた

私と先生は渡辺君の気迫に勝てるはずもなく許可をせざる負えなかった


朝食も終わり2日目は自由行動

私は気分を切り替え先生とお揃いの物に何を買おうか考えた

ニヤニヤしながら考えてたら渡辺君に話しかけられた

「なぁ、今日自由行動の時に一緒に写真撮らないか?」
「宮本、スマホ持ってきてるだろ?」と言われた

私は絶対キレられると思っていたので拍子抜けた事で笑ってしまった

「なんだよ」と渡辺君も笑った

「私、絶対渡辺君に怒られると思ったから身構えてたんだ!
でも、写真撮ろって言われて一気に気が抜けたって言うかさ!意外だなと思ってさ
しかも、何でスマホ知ってるの?」とニコッとしながら言った

「いつも怒ってるわけじゃないぞ!
   スマホは宮本と先生の写真撮ってる美奈を見た
それで写真は撮ってくれるのか?」とちょっとすねながら言ってきた

私は写真くらいならと思って頷いた。


最初に行くのは私が行きたいと思っていた恋愛の神社だ

神社に着き、早速お賽銭箱にお金を入れてお祈りをした

二重にご縁があるように25円を入れた

これで先生との縁は切れない!バッチリだ!

お土産を見に行き

お揃いで持つと幸せになれるお守りを2つ買った

渡辺君は恋愛成就のお守りを買っていた

何か気まずい…

美奈は渡辺君がお守り買ったのを気づいて
「渡辺、恋愛成就するといいなー!」と笑いながらからかった

渡辺君も「余裕で成就させるから!」と美奈に張り合って言った

2人は仲が良いんだか悪いんだかいんだかわからない


自由行動の最後の場所でやっと先生に会えた

お土産を見ていた所を話しかけられた

先生から話かけてけれるなんて早速ご利益があるのかと感動した

「何ニヤニヤしてるの?いい事でもあったの?」と私の顔を覗きながら先生が言った

「はい!ご利益がもうあって好きな人に会えました!」と私は万遍の笑みで言った


先生はパッと私から離れ片手で顔をおおった

宮本さんの笑顔には弱いんだよな…僕は


今度は私は赤くなってる先生の顔を覗き込んだ

そこにすかさず渡辺君が来て言った

「近い!離れて!」


私は先生から離れた

先生は冷静になり、私に謝った

渡辺君はまだご立腹のようだ

「宮本!俺お揃いの物が欲しいから選びに行こうぜ!」と言われ腕を引っ張って連れて行かれてしまった


せっかくの先生との時間が…後で先生には謝らないと


そんな事お構い無しに渡辺君は私とのお揃いの物を選び始めた

私の好みを知っているのか可愛いのをドンピシャで選んできた

でも、逆にこんなに可愛い物を渡辺君が持つ事を考えたら笑えた

私は「こんなに可愛いクマさんのキーホルダーをお揃いでいいの?」と笑いながら言った

「いいよ!宮本の好きな物なら何でもいい!」と渡辺君は真剣な眼差しで言ってきた

「その代わりに学校のカバンに付けてくれないか?」と言われた

「なんで?」と私は聞いた

「俺も学校のカバンに付けるから!」と言った

「ホントにこれ渡辺君も付けるの?」つい聞いてしまった

「当たり前!先生とみんなに見せびらかしてやるからな!」と言ってきた

なるほど…そう言う事かと理解した


美奈にはめちゃくちゃ笑われたが、私は渡辺君が私に合わせてくれた事が少し嬉しかった

自由行動終わりまじかに渡辺君と私はお揃いのクマちゃんを持って写真を撮った

渡辺君はとっても喜んでくれているみたい

でも、私はなんだか切なかった

ホテルに帰り夕食の時間になった

相変わらず渡辺君は私と先生の間に座りご飯を食べた

その間先生とは話せなかった

お風呂も済ませ部屋に戻り先生との写真を見てニヤニヤしていた

今日はなんだかんだ疲れて私は直ぐに眠ってしまった


その夜、美奈は寝れず1人でホテルの中を探検した

昨日先生と話した所に先生が居た

「先生どうした?」と美奈は声をかけた

先生は「また部屋を抜け出してきたのか!あれ?宮本さんは?」びっくりしながら言った

美奈は「彩音の事気になるの先生?」と意地悪そうに言った

「いや、昨日一緒に居たから今日も居るかと思っただけだよ」焦りながらも先生は答えた

美奈は「残念だね、彩音今日はぐっすり寝てるよ!自由行動の時渡辺に連れ回されてたからね」笑いながら言った


先生は「渡辺君か、本当に宮本さんを好きなんだね」 しょんぼりしながら言った


美奈は「先生は彩音の事好きじゃないの?
でも、先生彩音と話してる時凄いニヤニヤしてるよ?彩音もだけどさ」意地悪そうに言った

「そ、そうなのか?知らなかった!
好きか嫌いか聞かれたら好きだよ、いい子だしさ」先生は焦りながらも笑顔で言った

美奈は「それは生徒として女として?
そこハッキリしてくれないと困るよ
私は彩音に幸せになってもらいたい
だから、先生であろうと渡辺であろうと彩音を幸せにしてくれるならどっちでもいい」とハッキリ言った

先生は「そっか、そうだよね
宮本さんの親友だもんね
僕は先生じゃなかったらって何度も考えた
だから、渡辺君が少し羨ましくて
それに負けたくないって言われた時、僕も負けたくないって少し思っちゃったんだよね」うつむきながら言った

美奈は「まぁ先生と生徒じゃバレたらただじゃ済まなそうだしね
正直、彩音は今ホントに先生の事好きだからもし告白されても本気で先生の気持ちを伝えて欲しい
それが彩音にとって辛い事になっても
嘘つかれる方が辛いと思うからさ」と真剣に言った


「分かった、ありがとね」
と言って先生は部屋に戻って行った。




朝になり帰る準備をした

あっという間だったけど楽しかったな

先生とお揃いの物も買えたし




来週からまた学校頑張ろう!



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