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第2章 パラレリアクロス
2-3 父の知り合いは情報屋
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父の妹であるガブリエルの了承を得てジェニファーとキッドはスペースシャトルに搭乗してサイド7【グリーンアイランド】へと足を向けた。
【黒猫の妖精】キッドを通して父から得た情報に父の知り合いのエースパイロットが、戦後サイド7へと移住したらしい。
スペースシャトルに初めて乗るキッドの声は素直な驚きと感動に満ち溢れていた。本当にキッドは【黒猫の妖精】で地球という世界に住んでいたんだという感慨をジェニファーは感じた。
「スゲえ! 本当に宇宙だ! マジで驚いたぜ! 本当に真っ暗な世界なんだな!」
「スペースシャトルに乗ったのも初めてだよね。キッドは」
「ああ! ジェニファーの世界は本当に科学が発展しているんだな」
ジェニファーはそこでこの地球が何故、宇宙にまて人間が住み始めたのかを父親の受け売りで話した。
父親がまだ独身で母親とも知り合って間もない頃にはまだサイド3カルベローナは共和国といわれていた。しかし、カルベローナ共和国の政権はけして一枚岩とは言えず血で血を洗う競争が行われていた。
そして戦争が始まる10年前の事。
当時のカリスマ的な政治家が暗殺され、代わりに台頭してきたのがジュノワール家と呼ばれる一家で強引な政治家一族として知れ渡っていた。
ジュノワール家は瞬く間にカルベローナ共和国を支配し、公国制へ王政を変える。そこから軍事国家カルベローナ公国の歴史が始まる。
カルベローナ公国は宇宙に進出した人類こそが次世代を担う旗印となる「時代の寵児」としてカルベローナ公国の人間達を選民思想により煽動して、宇宙に出てなおも資源や人材を搾取する地球連邦政府に対して宣戦の布告をする。
それが父の参加していた人類最悪の戦争だった。
宇宙にまで人類が進出した本当の理由は余りにも多くなり過ぎた人類をそのまま地球に住まわせていれば資源が食い潰され共食いとなってしまう。
だから地球連邦政府が宇宙へと移民させて、生まれたのがスペースノイドと言われる人類だという。
「でもね。ついこの間まで続いた戦争で人類の総人口の半数が死亡してしまったと聞くの。あの戦争は本当に悲惨で酷い戦争だなって私も思う」
「今から会いに行く人物は、その戦争にエースパイロットとして活躍していたって言う人だな。サイド7に移住したんだと」
「お父さんの知り合いだよね。どんな人なんだろう?」
「オレは楽しみだぜ」
「キッドって何か口の利き方男の子みたい。その辺にいる若い男の人と変わらないよね、口調」
「オレはしおらしくするのが苦手なんだよ。別にこのままでも良いじゃないか」
すると艦内放送で突然、緊急ニュースが流れてきた。
『緊急ニュースをお送り致します! 謎の隕石がニューヤーク近郊に落ちた模様です! 現在、地球連邦軍がニューヤーク近郊にて人命救助作業をしておりますが、確認されただけでも死者は5万人を超えて、今現在もニューヤークはパニック状態に陥っている模様です』
「ニューヤークに隕石が落ちただと!?」
「大丈夫かよ……地球連邦政府は」
「何なの!? あの隕石は!?」
騒ぎが大きくなるシャトルの船内でジェニファーとキッドは二人して話す。
「あの隕石も地球に起きた異変に関係あるのかな?」
「たぶんとな。まずは、レムのおじさんの知り合いに会いに行こうぜ。行動するのはそれからさ」
「うん」
シャトルはサイド7【グリーンアイランド】にたどり着く。このコロニーはまだ建設中のコロニーである。
晴れて戦争が終結してこのコロニーの建設も再開された。
このコロニーにはレムの知り合いの元エースパイロットがいるという。
それは間もなく訪れた。
コロニー建設現場にいる警備員の男性が工事をする男性達に細かな指示を出して重機を慎重に動かしている。
頭にはヘルメットを被り、大きな声で指示を出している。
「オーライ、オーライ! ストップ! その辺まで行けば大丈夫だろう」
「ハザードさん。昼飯の時間にしましょう!」
「了解だ」
近くの座れる壁に腰をおろすハザードがサンドイッチを広げて食べようとした時に彼に声をかけてくる人物達がいた。
「こんにちは! ハザードさん!」
「おっ。誰かと思ったらジェニファーちゃんじゃないか! 久しぶりだねー。元気にしてたかい?」
「オレの事は無視かよ」
「……誰? この子は一体?」
「実はお父さんの事で話したい事があるんです」
「訳ありって言うことね。わかった、ちょっと現場の主任に理由を話して仕事を早く上がらせて貰う事にするよ」
間もなく主任の許可を得たハザードは、そのままレストランにて、彼女らと会話を始める。
地球全土が今、信じられない事態になって大混乱の真っ只中にある事、異世界からやってくる人間の敵たち、そして突如として甦る死人達。
その異変はハザードも身に覚えがある。
「実はその異変について俺も身に覚えがある。この工事現場の警備員をしていた時だよ。いきなり妙な羽虫のような化け物に襲われたぜ。そいつらの何がヤバいって拳銃の弾丸が役に立たない事なんだよな」
「やっぱりこっちにも被害が出ていたのか」
「サイド3とも連絡を取っているが、ほとほと困り果てているのが現状だな。一体、何者なんだ? 奴らは?」
「たぶん【アルトカークス】の魔物達だよ」
「アルトカークス? 聞いた事も無い地名だな」
「更に驚く事があるぜ。レム・レンブラントは生きているんだ」
「本当か!?」
「ああ。今はこの地球と繋がるパラレルワールドにいるんだ」
「何か信じられないな」
ハザード・レスターはそこで疑い深く言葉を選んだ。レム大佐はあの最後の防衛作戦の時に乗機の撃墜を確認されて、戦死という扱いになったのだ。
その防衛作戦には彼も参加していた。ハザード・レスターも右腕骨折と左足骨折の重傷を負ってその防衛作戦を終結させたのであった。
信じられないというハザードの言葉を汲む為にジェニファーは父が娘の自分に宛てて書いた手紙を彼に見せた。
ハザードは会釈をしてその手紙を読ませて貰う。確かにレム大佐の筆跡だった。しかもこの厄介な事態の事を説明している。戦争中にはそんな事は一切起きていないから戦後に書いた事がわかる。つまり彼は生きているんだな。
「確かにコレはレム大佐の字だね。そうか、撃墜されたのは間違いないが自分自身にもわからないんだ。きっと」
「そこでハザードさんにお願いがあるんです。地球で起きている異変を一緒に解決してくれませんか!?」
「うーん……。その事についてはちょっと考えさせてくれないかな? 俺も各サイドの情報屋をしている身でね」
そこに血相を変えた若い男性が慌ててレストランに駆け込んだ。彼はハザードを捜して、その顔を見つけると駆け寄り助けを求めた。
「ハザードさん! またあの羽虫が工事現場に湧いてきました! 今、主任が避難させていますが、このままでは居住区画にまであいつらが来てしまいます!」
「まるでこっちの隙を探っていたようなタイミングだな。皆は急いで避難を! 出来るなら工事現場と居住区画を隔てるシャッターも閉めろ!」
「はい!」
「悪いが、あの羽虫共を追い払う仕事が出来た! 後で話そうな」
彼は駆け足でまた工事現場へと戻っていく。
ジェニファーとキッドはその『羽虫』の正体を暴く為に彼の後を追っていった。
【黒猫の妖精】キッドを通して父から得た情報に父の知り合いのエースパイロットが、戦後サイド7へと移住したらしい。
スペースシャトルに初めて乗るキッドの声は素直な驚きと感動に満ち溢れていた。本当にキッドは【黒猫の妖精】で地球という世界に住んでいたんだという感慨をジェニファーは感じた。
「スゲえ! 本当に宇宙だ! マジで驚いたぜ! 本当に真っ暗な世界なんだな!」
「スペースシャトルに乗ったのも初めてだよね。キッドは」
「ああ! ジェニファーの世界は本当に科学が発展しているんだな」
ジェニファーはそこでこの地球が何故、宇宙にまて人間が住み始めたのかを父親の受け売りで話した。
父親がまだ独身で母親とも知り合って間もない頃にはまだサイド3カルベローナは共和国といわれていた。しかし、カルベローナ共和国の政権はけして一枚岩とは言えず血で血を洗う競争が行われていた。
そして戦争が始まる10年前の事。
当時のカリスマ的な政治家が暗殺され、代わりに台頭してきたのがジュノワール家と呼ばれる一家で強引な政治家一族として知れ渡っていた。
ジュノワール家は瞬く間にカルベローナ共和国を支配し、公国制へ王政を変える。そこから軍事国家カルベローナ公国の歴史が始まる。
カルベローナ公国は宇宙に進出した人類こそが次世代を担う旗印となる「時代の寵児」としてカルベローナ公国の人間達を選民思想により煽動して、宇宙に出てなおも資源や人材を搾取する地球連邦政府に対して宣戦の布告をする。
それが父の参加していた人類最悪の戦争だった。
宇宙にまで人類が進出した本当の理由は余りにも多くなり過ぎた人類をそのまま地球に住まわせていれば資源が食い潰され共食いとなってしまう。
だから地球連邦政府が宇宙へと移民させて、生まれたのがスペースノイドと言われる人類だという。
「でもね。ついこの間まで続いた戦争で人類の総人口の半数が死亡してしまったと聞くの。あの戦争は本当に悲惨で酷い戦争だなって私も思う」
「今から会いに行く人物は、その戦争にエースパイロットとして活躍していたって言う人だな。サイド7に移住したんだと」
「お父さんの知り合いだよね。どんな人なんだろう?」
「オレは楽しみだぜ」
「キッドって何か口の利き方男の子みたい。その辺にいる若い男の人と変わらないよね、口調」
「オレはしおらしくするのが苦手なんだよ。別にこのままでも良いじゃないか」
すると艦内放送で突然、緊急ニュースが流れてきた。
『緊急ニュースをお送り致します! 謎の隕石がニューヤーク近郊に落ちた模様です! 現在、地球連邦軍がニューヤーク近郊にて人命救助作業をしておりますが、確認されただけでも死者は5万人を超えて、今現在もニューヤークはパニック状態に陥っている模様です』
「ニューヤークに隕石が落ちただと!?」
「大丈夫かよ……地球連邦政府は」
「何なの!? あの隕石は!?」
騒ぎが大きくなるシャトルの船内でジェニファーとキッドは二人して話す。
「あの隕石も地球に起きた異変に関係あるのかな?」
「たぶんとな。まずは、レムのおじさんの知り合いに会いに行こうぜ。行動するのはそれからさ」
「うん」
シャトルはサイド7【グリーンアイランド】にたどり着く。このコロニーはまだ建設中のコロニーである。
晴れて戦争が終結してこのコロニーの建設も再開された。
このコロニーにはレムの知り合いの元エースパイロットがいるという。
それは間もなく訪れた。
コロニー建設現場にいる警備員の男性が工事をする男性達に細かな指示を出して重機を慎重に動かしている。
頭にはヘルメットを被り、大きな声で指示を出している。
「オーライ、オーライ! ストップ! その辺まで行けば大丈夫だろう」
「ハザードさん。昼飯の時間にしましょう!」
「了解だ」
近くの座れる壁に腰をおろすハザードがサンドイッチを広げて食べようとした時に彼に声をかけてくる人物達がいた。
「こんにちは! ハザードさん!」
「おっ。誰かと思ったらジェニファーちゃんじゃないか! 久しぶりだねー。元気にしてたかい?」
「オレの事は無視かよ」
「……誰? この子は一体?」
「実はお父さんの事で話したい事があるんです」
「訳ありって言うことね。わかった、ちょっと現場の主任に理由を話して仕事を早く上がらせて貰う事にするよ」
間もなく主任の許可を得たハザードは、そのままレストランにて、彼女らと会話を始める。
地球全土が今、信じられない事態になって大混乱の真っ只中にある事、異世界からやってくる人間の敵たち、そして突如として甦る死人達。
その異変はハザードも身に覚えがある。
「実はその異変について俺も身に覚えがある。この工事現場の警備員をしていた時だよ。いきなり妙な羽虫のような化け物に襲われたぜ。そいつらの何がヤバいって拳銃の弾丸が役に立たない事なんだよな」
「やっぱりこっちにも被害が出ていたのか」
「サイド3とも連絡を取っているが、ほとほと困り果てているのが現状だな。一体、何者なんだ? 奴らは?」
「たぶん【アルトカークス】の魔物達だよ」
「アルトカークス? 聞いた事も無い地名だな」
「更に驚く事があるぜ。レム・レンブラントは生きているんだ」
「本当か!?」
「ああ。今はこの地球と繋がるパラレルワールドにいるんだ」
「何か信じられないな」
ハザード・レスターはそこで疑い深く言葉を選んだ。レム大佐はあの最後の防衛作戦の時に乗機の撃墜を確認されて、戦死という扱いになったのだ。
その防衛作戦には彼も参加していた。ハザード・レスターも右腕骨折と左足骨折の重傷を負ってその防衛作戦を終結させたのであった。
信じられないというハザードの言葉を汲む為にジェニファーは父が娘の自分に宛てて書いた手紙を彼に見せた。
ハザードは会釈をしてその手紙を読ませて貰う。確かにレム大佐の筆跡だった。しかもこの厄介な事態の事を説明している。戦争中にはそんな事は一切起きていないから戦後に書いた事がわかる。つまり彼は生きているんだな。
「確かにコレはレム大佐の字だね。そうか、撃墜されたのは間違いないが自分自身にもわからないんだ。きっと」
「そこでハザードさんにお願いがあるんです。地球で起きている異変を一緒に解決してくれませんか!?」
「うーん……。その事についてはちょっと考えさせてくれないかな? 俺も各サイドの情報屋をしている身でね」
そこに血相を変えた若い男性が慌ててレストランに駆け込んだ。彼はハザードを捜して、その顔を見つけると駆け寄り助けを求めた。
「ハザードさん! またあの羽虫が工事現場に湧いてきました! 今、主任が避難させていますが、このままでは居住区画にまであいつらが来てしまいます!」
「まるでこっちの隙を探っていたようなタイミングだな。皆は急いで避難を! 出来るなら工事現場と居住区画を隔てるシャッターも閉めろ!」
「はい!」
「悪いが、あの羽虫共を追い払う仕事が出来た! 後で話そうな」
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