インフィニート!!

桜木雨

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八話目!

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取り敢えず寝るところは整えようと言う話になり、現在僕は自室にいるわけだが、この部屋広くない?!

遡ること数分。
「海斗ー。僕の荷物ってどこにあるの?」
そう聞くと、海斗はスマホから顔を上げて答える。
「え、そこにあるけど?」
「どこ?」
「そこ。積まれてるじゃん」
「え?あのダンボール全部僕の?僕あんなに荷物送ってなかったはずなんだけど」
「あぁ。グッズとか、社長が送ってきた私服っぽい衣装とかも入ってるからね」
「まじ?」
「まじ」
「こんな大荷物どこにしまうの?」
「え、俺たちの部屋しかなくない?」
「入らなくない?」
「入ると思うけど?」
なんか、会話が噛み合ってない気がする。
それを思ったのは僕だけじゃなかったようで、海斗がこっちきて、と言う。
言われるがままについていくと、リビングを出て階段を登り、廊下を進んでいく。
そこには、海斗の部屋(仮)と書かれた札がかけられている部屋があった。
「ジャジャーン!!ここが俺たちの部屋だよ!」
ガチャと、ドアを開いた海斗が言う。
え、ここ本当に二人部屋?てか、広くね?!
「もう海斗の私物入れてるんだ。ここ元々海斗の部屋だったの?」
「今は俺の部屋ってことになってるけど、リーダーと二人の部屋だよ?リーダーと、月、千景はこの学校初めてでしょ?ここ訳わかんないルールとか多いからさ、取り敢えずは少なくとも一年はここにいたやつと一緒にしようってなって、あのあみだくじそういう仕様になってたはずだけど?もしかしてリーダー聞いてなかった?」
はい。聞いてませんでした。ごめんなさい。
「それって、聞いてませんでした。って顔だよね?俺、ちょっとずつリーダーのことわかってきたかも!」
うーん…なんかメンバー達に僕の感情筒抜けなの、リーダーとしてどうなんだろ?

その頃、慶&月の部屋では。
「月って私物も可愛いもの多いのかと思ってた。ほら、ぬいぐるみとか?」
「あ、ぬいぐるみは、好きなのは好きなんですけど、アレルギー酷くて…その分、ガラス細工いっぱいありますよ?」
「アレルギーってハウスダストとか?」
慶としては、確かに綺麗といえば綺麗なのだがお世辞にも可愛いとはいえないそのガラス細工について聞きたい気持ちもあったが、今は言ってはいけない気がして言わなかった。
「は、はい…慶さんは、可愛い物たくさん持ってるんですね…」
「あぁ、これ?先輩がくれたんだよね。アイドルとして流行りのものは知っておけとか言って。男の人なんだけどね。可愛いものばっかり、こんなにいらないって言ったんだけど…月も見たことぐらいはあるんじゃ無いかな?KANAさん」
「あ、知ってます。慶さんの前のグループのセンターの方ですよね」
「うん。そうだよ」
あれ?と慶が時計を見て言う。
「やばい。長話してたら、時間ない」
「あー!大変だっ!やばい!」

その頃、桜介&千景の部屋では。
「千景、スマホいじってないで部屋片付けろ」
「嫌だね。桜介と決めた境界線越えてないだろ」
「越えてないけど…崩れたらどうすんだよ」
「崩れても、そっち側に侵入しねえじゃん」
「そうなんだけど…危険じゃん」
「何が?」
「…た、倒れてきたらお前のベット直撃だぞ?!下手したら死ぬぞ?!」
顔を赤くして言う桜介。
ふっと千景が笑うと、
「はぁぁぁ?!酷くない?!人が心配してるのに!てか俺なんでもうこんな恥ずいこと言ってんの?!最っっ悪!」
「まぁまぁ、そう怒るとせっかくのかっこいい顔が台無しだよ?」
「お前、ほんとに年下か?!ちょっとは敬えよ!」


今日も、インフィニート寮は平和だ。
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