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十七話目!
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※本日は慶視点となります。
僕は大学中走り回った。
KANAさんの学部は知っていても詳細は知らなかったから、スマホも持たずに出てきたことを後悔した。
でもそんな時、懐かしい彼の姿を見つけたんだ。
「KANAさん!!待って下さい!」
僕はKANAさんの元に駆け寄る。
「俺はもうKANAじゃない。ただの一般人だよ」
その言葉がKANAさんが本当に芸能界を去ってしまったんだという事実を突きつけてくる。
「じゃあ、要さんって呼びます。これでいいですよね?」
「いいよ。それにしても久しぶりだね。慶が俺のこと要って呼ぶの」
「そんなことどうでもいいんです。呼び方なんていくらでも変えてやる!だけど、だけど、なんでやめちゃったんですか?!その声なら、その技術なら、もっと上を目指せたのに!!ソロ活動だってできたかもしれないのに!!なんで!!…」
「慶」
ゆっくりと宥めるような要さんの優しい、低い声がした。
「俺はもうアイドルじゃない。表舞台の人間じゃないんだよ。俺ね、今ものすごく楽しいんだ。自分勝手なことは分かってるけど、それでも俺は羽田要という1人の人間でしかない。楽しいものは楽しいし、楽しくないものは楽しくない。最初は楽しかったんだよ?アイドル活動も。だけど、だんだん表に立つ機会が増えてくたびに何か違うなって思うようになった。俺のしたいことはこれじゃないって、ずっとどこかで思ってた。結局何がしたいのかわからないまま過ごしてた。でも、大学入って、いろいろ勉強して、勉強すること、学ぶことってこんなに楽しかったんだって思たんだ。俺がしたいことはこの先にあるって思たんだ。だから、僕はアイドルを辞めて学業に専念することにしたんだ。許して欲しいとも、分かって欲しいとも言わない。だけど、慶には知ってて欲しいと思った。慶が問い詰めてきたからじゃない。慶だから話したんだってことを忘れないで欲しい」
そんな要さんの言葉は僕の心に深く染み渡って、広がっていく。
「…そんなこと言われたら、頑張ってきて下さいっていうしかないじゃないですか。責められないじゃないですか。要さんが選んだ道だから、僕は…応援します」
そんな僕の泣きそうな声に要さんは僕の頭を撫でてくれる。
「ありがとう。慶。でも俺は必ず戻ってくるよ。アイドルとしてじゃなくても必ず。この、芸能界という場所が好きだから」
要さんが芸能界を嫌いになったわけじゃなくてよかった。
「今までありがとうございました。絶対、必ず、待ってます。安心して行ってきて下さい」
僕は大学中走り回った。
KANAさんの学部は知っていても詳細は知らなかったから、スマホも持たずに出てきたことを後悔した。
でもそんな時、懐かしい彼の姿を見つけたんだ。
「KANAさん!!待って下さい!」
僕はKANAさんの元に駆け寄る。
「俺はもうKANAじゃない。ただの一般人だよ」
その言葉がKANAさんが本当に芸能界を去ってしまったんだという事実を突きつけてくる。
「じゃあ、要さんって呼びます。これでいいですよね?」
「いいよ。それにしても久しぶりだね。慶が俺のこと要って呼ぶの」
「そんなことどうでもいいんです。呼び方なんていくらでも変えてやる!だけど、だけど、なんでやめちゃったんですか?!その声なら、その技術なら、もっと上を目指せたのに!!ソロ活動だってできたかもしれないのに!!なんで!!…」
「慶」
ゆっくりと宥めるような要さんの優しい、低い声がした。
「俺はもうアイドルじゃない。表舞台の人間じゃないんだよ。俺ね、今ものすごく楽しいんだ。自分勝手なことは分かってるけど、それでも俺は羽田要という1人の人間でしかない。楽しいものは楽しいし、楽しくないものは楽しくない。最初は楽しかったんだよ?アイドル活動も。だけど、だんだん表に立つ機会が増えてくたびに何か違うなって思うようになった。俺のしたいことはこれじゃないって、ずっとどこかで思ってた。結局何がしたいのかわからないまま過ごしてた。でも、大学入って、いろいろ勉強して、勉強すること、学ぶことってこんなに楽しかったんだって思たんだ。俺がしたいことはこの先にあるって思たんだ。だから、僕はアイドルを辞めて学業に専念することにしたんだ。許して欲しいとも、分かって欲しいとも言わない。だけど、慶には知ってて欲しいと思った。慶が問い詰めてきたからじゃない。慶だから話したんだってことを忘れないで欲しい」
そんな要さんの言葉は僕の心に深く染み渡って、広がっていく。
「…そんなこと言われたら、頑張ってきて下さいっていうしかないじゃないですか。責められないじゃないですか。要さんが選んだ道だから、僕は…応援します」
そんな僕の泣きそうな声に要さんは僕の頭を撫でてくれる。
「ありがとう。慶。でも俺は必ず戻ってくるよ。アイドルとしてじゃなくても必ず。この、芸能界という場所が好きだから」
要さんが芸能界を嫌いになったわけじゃなくてよかった。
「今までありがとうございました。絶対、必ず、待ってます。安心して行ってきて下さい」
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