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サタン@異世界編PART1
巨大イカの攻撃で船上から美女が落下
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「「「ぎゃああああぁぁ!!」」」
プラーケンであることが確定してしまった恐怖で、乗客は阿鼻叫喚になる。
「おい、カトリーナ!!プラーケンだって!何それ!?」
「ぶぇえええぇ!!」
「驚きながら吐くんかい」
カトリーナは戻しながらポーポー公爵を俺に渡してきた。
「そうか!こいつに聞けばいいんだな?」
俺はポーポー公爵を両手でむんずと掴むと、問いかけた。
「ヘイ、ポーポー公爵。"プラーケンって何?"」
するとポーポー公爵の目に海を荒らす巨大なイカのようなイラストが映る。
「プラーケンは、巨大なイカ型モンスターです。稀に小さな船を求愛相手と勘違いして巻き付いて沈没させてしまうケースもあります。プニプニパンパン港近海でよく見かけられます」
俺は「ふーん」と呟くと、もう一つ聞いてみた。
「ヘイ、ポーポー公爵。"プラーケン倒したらイカしてる?"」
するとポーポー公爵はつぶらな瞳で答えてくれた。
「何を言っているのかわかりません」
「『うまいですね、さすが美男子。天は二物を与えましたね』とか言いなよ」
俺はツッコミながらポーポー公爵をカトリーナの方に放り投げると、パタパタと羽ばたきカトリーナの肩に乗った。
「ひゃぁあああ!!」
「うわぁぁああ!!」
相変わらずデッキには船客の叫び声が響く。
そして大きく船体が揺れた瞬間、若い女性の叫び声が響く。
「あっ!!メイジーーーーー!!」
叫んだ女性の友達らしきメイジーという女性がデッキから吹っ飛ばされて海へ投げ出された。
「ちっ……!」
俺は翼を広げて女性の元へ高速移動する。
そして落下前に女性の腰を片手で抱き抱えた。
「はぁっ!はあっ!あ、あ……」
女性は死を悟っていたためか、自分の状況がわからないようだったが、俺の顔と海を交互に見て、なんとか理解したようだ。
「色んな人生あるけど、イカに吹っ飛ばされて死ぬってちょっとイカしてないよね」
俺は女性を落ち着かせようと語りかけた。
「あ、ありがとう……ございます……」
メイジーと呼ばれた女性は心なしか頬を赤らめながらお礼を言った。
歳は20歳前後だろうか。
よく見ると、小綺麗なドレスを着てかなり良い身なりをしているので、どこかの令嬢なのかもしれない。
そして、俺はそのままメイジーを抱えて真紅の瞳でイカを"観察"した。
「え?」
海の中にいるイカが赤く光って表示されるが、ポーポー公爵の検索ででてきたものよりもデカい。
というかデカいどころの騒ぎではない。
普通のプラーケンがせいぜい5~10メートルだったとして、こいつは恐らくーーー。
「150メートルはあるやん」
「ひっ……!……っ!」
メイジーという女性も空中からイカの一部を見て、あまりのデカさに声をあげそうになっていた。
しかし、俺に動揺を悟られないためか、口を押さえて恐怖を押し殺したようだ。
どんな仕事をしてるのかわからないが、肝は据わっているようだった。
プラーケンであることが確定してしまった恐怖で、乗客は阿鼻叫喚になる。
「おい、カトリーナ!!プラーケンだって!何それ!?」
「ぶぇえええぇ!!」
「驚きながら吐くんかい」
カトリーナは戻しながらポーポー公爵を俺に渡してきた。
「そうか!こいつに聞けばいいんだな?」
俺はポーポー公爵を両手でむんずと掴むと、問いかけた。
「ヘイ、ポーポー公爵。"プラーケンって何?"」
するとポーポー公爵の目に海を荒らす巨大なイカのようなイラストが映る。
「プラーケンは、巨大なイカ型モンスターです。稀に小さな船を求愛相手と勘違いして巻き付いて沈没させてしまうケースもあります。プニプニパンパン港近海でよく見かけられます」
俺は「ふーん」と呟くと、もう一つ聞いてみた。
「ヘイ、ポーポー公爵。"プラーケン倒したらイカしてる?"」
するとポーポー公爵はつぶらな瞳で答えてくれた。
「何を言っているのかわかりません」
「『うまいですね、さすが美男子。天は二物を与えましたね』とか言いなよ」
俺はツッコミながらポーポー公爵をカトリーナの方に放り投げると、パタパタと羽ばたきカトリーナの肩に乗った。
「ひゃぁあああ!!」
「うわぁぁああ!!」
相変わらずデッキには船客の叫び声が響く。
そして大きく船体が揺れた瞬間、若い女性の叫び声が響く。
「あっ!!メイジーーーーー!!」
叫んだ女性の友達らしきメイジーという女性がデッキから吹っ飛ばされて海へ投げ出された。
「ちっ……!」
俺は翼を広げて女性の元へ高速移動する。
そして落下前に女性の腰を片手で抱き抱えた。
「はぁっ!はあっ!あ、あ……」
女性は死を悟っていたためか、自分の状況がわからないようだったが、俺の顔と海を交互に見て、なんとか理解したようだ。
「色んな人生あるけど、イカに吹っ飛ばされて死ぬってちょっとイカしてないよね」
俺は女性を落ち着かせようと語りかけた。
「あ、ありがとう……ございます……」
メイジーと呼ばれた女性は心なしか頬を赤らめながらお礼を言った。
歳は20歳前後だろうか。
よく見ると、小綺麗なドレスを着てかなり良い身なりをしているので、どこかの令嬢なのかもしれない。
そして、俺はそのままメイジーを抱えて真紅の瞳でイカを"観察"した。
「え?」
海の中にいるイカが赤く光って表示されるが、ポーポー公爵の検索ででてきたものよりもデカい。
というかデカいどころの騒ぎではない。
普通のプラーケンがせいぜい5~10メートルだったとして、こいつは恐らくーーー。
「150メートルはあるやん」
「ひっ……!……っ!」
メイジーという女性も空中からイカの一部を見て、あまりのデカさに声をあげそうになっていた。
しかし、俺に動揺を悟られないためか、口を押さえて恐怖を押し殺したようだ。
どんな仕事をしてるのかわからないが、肝は据わっているようだった。
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