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サタン@現実世界/カイ・グランデ編
眷属印と制約
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ーーーグニュン。
殺意のまま引き金を引くと、指先に樹脂がくっついているかのようなグニャリとした感覚があった。
「……あ?」
そして次の瞬間、体中に電流が走るような衝撃が走った。
ーーーーービリビリビリ!
「がっ……!!?」
ーーーなぜか、変な感覚があり、引き金が引けない。
2度、3度、引いてみるも、電流が流れるような感覚で全身に激痛が走る。
「ぐ………!」
ペイジも目をつぶっていつ撃たれるか恐怖していたが、俺に何が起こっているのかわからず、半目で様子を伺う。
さらにもう一度指に力を込めると、やはり同じく電撃が走った。
「ぐあぁっ!!!」
「………!?」
さすがにペイジにも何かの異変を勘付かれたようだ。
(まさか、これって……!?)
その瞬間、俺はあの吸血鬼が言っていたことを思い出した。
あの気持ち悪い感覚の"眷属印"と"制約"のことだ。
「うん。その制約はね……。『銃で人を撃たないこと』」
あの時、吸血鬼はそう言っていた。
もしそれが本当だとすれば、この銃を撃つことはできない。
しかも、それがバレてしまったら、この状況がひっくり返ってしまう可能性もある。
俺は顔に焦りを出してしまった。
その表情をペイジは見逃さなかった。
「ク、ククク!まさか撃てないのか!?その銃、不良品だったか!?」
「………っ!」
「図星かァ!?」
「……そこまで言うなら試してみるか?」
俺はあくまで冷静を装って、ペイジに問いかけ、口に銃先を突っ込んだ。
「がぼっ……!ばべろ……!!」
おもちゃのゴム鉄砲ですら向けられると怖いもの。
いくら撃てない可能性があったとしても、この状況ではペイジの恐怖が勝ったようだ。
「●ねや……」
「ひっ……」
改めて、ペイジと目を合わせた。
と、その瞬間、耳を切り裂くような声が響いた。
「ダメーーーーー!!!!!」
振り向いた先にいたのは、涙をボロボロ流した、オリヴィアだった。
頭からは血が流れ、顔に垂れてきている。
「オ、オリヴィア……」
俺はその光景に目を奪われた。
「それをしたら、あなたは殺人者になってしまいます!!」
「だが……!こいつをやらねぇと……!」
またペイジに向き直る。
「ダメーーーーー!!!!!」
「耳、痛った!!」
「ダメーーーーー!!!!!」
「う、うるせーよ!」
思わずツッコんでしまったが、改めてペイジに向き直る。
その時見た顔は、とても嫌な笑顔だった。
それと同時に、俺は右腹に急な熱を感じる。
そして、ゆっくりと自分の腹に視線を落とす。
ーーーそこには、果物ナイフが刺さっていた。
ーーー油断した。
もう一度、引き金を引く。
が、ムダだった。
「ぐ、ぐぁあああぁぁぁ!!」
刺された腹と電撃のダブルダメージ。
俺は思わずのけ反ってしまった。
その瞬間、銃が口から離れたペイジが俺を蹴り上げる。
そして、俺から散弾銃を奪おうとする。
「これをよこせ!!」
「ぐ………!!」
俺は必死に銃を掴み、絶対に離さないようにした。
「この野郎!!オラァ!!」
その反抗に、ペイジは俺の脇腹に刺さったナイフをさらに奥へ蹴り入れた。
「ぐぁあああああ!!!」
「カイ様ーーー!!!」
あまりの痛みに、ついに銃を離してしまった。
オリヴィアの叫びが響く。
「……ふん。ビビらせやがって……!ザコが!!」
ペイジはそう言うと、散弾銃を階下へ放り投げた。
「きっちりお礼させて頂こうか……!カイさんよォ!!」
ペイジがものすごい形相で俺に近づいてくる。
ーーー差し迫る死。
「いやぁぁ!!カイ様ーーーーー!!!」
その様子をオリヴィアは涙を流しながら見ていた。
殺意のまま引き金を引くと、指先に樹脂がくっついているかのようなグニャリとした感覚があった。
「……あ?」
そして次の瞬間、体中に電流が走るような衝撃が走った。
ーーーーービリビリビリ!
「がっ……!!?」
ーーーなぜか、変な感覚があり、引き金が引けない。
2度、3度、引いてみるも、電流が流れるような感覚で全身に激痛が走る。
「ぐ………!」
ペイジも目をつぶっていつ撃たれるか恐怖していたが、俺に何が起こっているのかわからず、半目で様子を伺う。
さらにもう一度指に力を込めると、やはり同じく電撃が走った。
「ぐあぁっ!!!」
「………!?」
さすがにペイジにも何かの異変を勘付かれたようだ。
(まさか、これって……!?)
その瞬間、俺はあの吸血鬼が言っていたことを思い出した。
あの気持ち悪い感覚の"眷属印"と"制約"のことだ。
「うん。その制約はね……。『銃で人を撃たないこと』」
あの時、吸血鬼はそう言っていた。
もしそれが本当だとすれば、この銃を撃つことはできない。
しかも、それがバレてしまったら、この状況がひっくり返ってしまう可能性もある。
俺は顔に焦りを出してしまった。
その表情をペイジは見逃さなかった。
「ク、ククク!まさか撃てないのか!?その銃、不良品だったか!?」
「………っ!」
「図星かァ!?」
「……そこまで言うなら試してみるか?」
俺はあくまで冷静を装って、ペイジに問いかけ、口に銃先を突っ込んだ。
「がぼっ……!ばべろ……!!」
おもちゃのゴム鉄砲ですら向けられると怖いもの。
いくら撃てない可能性があったとしても、この状況ではペイジの恐怖が勝ったようだ。
「●ねや……」
「ひっ……」
改めて、ペイジと目を合わせた。
と、その瞬間、耳を切り裂くような声が響いた。
「ダメーーーーー!!!!!」
振り向いた先にいたのは、涙をボロボロ流した、オリヴィアだった。
頭からは血が流れ、顔に垂れてきている。
「オ、オリヴィア……」
俺はその光景に目を奪われた。
「それをしたら、あなたは殺人者になってしまいます!!」
「だが……!こいつをやらねぇと……!」
またペイジに向き直る。
「ダメーーーーー!!!!!」
「耳、痛った!!」
「ダメーーーーー!!!!!」
「う、うるせーよ!」
思わずツッコんでしまったが、改めてペイジに向き直る。
その時見た顔は、とても嫌な笑顔だった。
それと同時に、俺は右腹に急な熱を感じる。
そして、ゆっくりと自分の腹に視線を落とす。
ーーーそこには、果物ナイフが刺さっていた。
ーーー油断した。
もう一度、引き金を引く。
が、ムダだった。
「ぐ、ぐぁあああぁぁぁ!!」
刺された腹と電撃のダブルダメージ。
俺は思わずのけ反ってしまった。
その瞬間、銃が口から離れたペイジが俺を蹴り上げる。
そして、俺から散弾銃を奪おうとする。
「これをよこせ!!」
「ぐ………!!」
俺は必死に銃を掴み、絶対に離さないようにした。
「この野郎!!オラァ!!」
その反抗に、ペイジは俺の脇腹に刺さったナイフをさらに奥へ蹴り入れた。
「ぐぁあああああ!!!」
「カイ様ーーー!!!」
あまりの痛みに、ついに銃を離してしまった。
オリヴィアの叫びが響く。
「……ふん。ビビらせやがって……!ザコが!!」
ペイジはそう言うと、散弾銃を階下へ放り投げた。
「きっちりお礼させて頂こうか……!カイさんよォ!!」
ペイジがものすごい形相で俺に近づいてくる。
ーーー差し迫る死。
「いやぁぁ!!カイ様ーーーーー!!!」
その様子をオリヴィアは涙を流しながら見ていた。
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