木を叩いただけでレベルアップ⁉︎生まれついての豪運さんの豪快無敵な冒険譚!

神崎あら

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第45話 創造主


「いくぞエンダート!」
「こい!」
「アビリティ発動ー爆雷残魔」
「ぐっ」

 アビリティ爆雷残魔、黒い雷の塊を相手にぶつける術である。
 威力的には雷砲10発分ってところだから結構大ダメージなるはずだが、エンダートはうまく攻撃を受け止めていた。

「いいぞエンダート!そのまま上に軌道を逸らすんだ」
「か,簡単に言うな馬鹿者!ぬ、ぬぉぉぉお!」
『ズガン!』
「あっ」

 奮戦虚しく爆雷残魔はエンダートの腕の中で爆発した。
 やばいあいつ大丈夫かな?

「エンダート大丈夫か?」
「……おい」
 
 近くによるとエンダートは黒焦げになっていた。

「お、無事だったか」
「よく見ろ馬鹿者!腕に酷い火傷ができてしまったではないか!」
「お前魔人なんだからすぐ治るだろ」
「治るか!私はラキュラスではないのだ早く治癒系アビリティを頼む」

 そう言ってエンダートを腕を差し出してきた。
 こいつ、匿ってやってるのになんて偉そうなんだ……。
 あの騒動から3日経ち、事態はだいぶ落ち着いてきた。
 捕らえられた王妃は全責任を取り王妃の任から降り、行方不明だったエルドレッドも見つかった。
 そしてエルナス王国と魔人の軍勢は13魔がうまくやってくれたお陰で民間人の被害者を1人も出す事なく撃退する事に成功した。 
 まぁ、対エルナス王国に至っては撃退というよりかはほぼ一方的な戦いでしかなかったけど……。
 しかしそんな中で一つ問題が発生してしまった、それはエンダートの責任である。
 前王妃が全部罪を背負うと言ってはいたが、さすがに軍中枢部の奴らの1人が告発してしまい、エンダートも罰を受ける事になってしまったのだ。
 まぁ俺としてはそれも仕方ないと思うのだが、前王妃にあんな事を言われてしまった手前、ここでエンダートが何かしらの罰を受けてしまうと前王妃が浮かばれないため、俺が匿う事にした。

「何してる早く治せオルクス!」
「……」

 このガキ、誰がお前を守ってやってると思ってるんだ。
 偉そうに指図しやがって、そういう奴にはこうだ。

「アビリティ発動ー瞬間凝結」
「なっ!」

 俺はイラッとしのでエンダートの腕を凍らせた。

「お、お前なんて事してくれたんだ!」
「とりあえずそれで血は止まったろ」
「なんだとぉ!」

 まったくどうして王妃はこんな奴のために牢屋に入ったんだか、俺だったらたとえ自分の息子でも裁きを受けさせるのに、あの人意外と親バカだったのかもな。

「アビリティ発動ー高速治癒」
「おお!」
「はいよ、それでいいか?」
「ありがとうオルクス!」

 エンダートはそう言って満面の笑みでこっちを見てきた。
 ま、まぁ年相応の可愛さはあるのかもだけどな。


「それはそうとオルクスよ」
「なんだ?」
「お主どうしてそんなに強くなったのだ?」
「え、ああ、木を叩いたらこうなった」
「は?木だと、何を言っておるんだ貴様」

 いやだって事実だし。
 木を叩いたらレベル999上がったし、まぁ信じられないのもわかるけど。

「うるせぇな、本当のことなんだから仕方ないだろ」
「別に信じていないわけではない!オルクスその話もう少し詳しく聞かせろ」
「ああいいぞ」

 それかれ俺は黄金の木を見つけたこと、叩いたらレベルが上がった事などを話した。

「……なるほどな、オルクスもしかしたら貴様が見つけたその木は創造主の木かもしれぬぞ」
「創造主?」
「ああ、この世界には創造主と呼ばれる者が一人存在しておる、その者は一説だと青年の姿をしているとか、少女の姿をしているだとか言われていてなはっきり言って決まった姿がない者なんだ」
「は、はぁ」

 なんだ童話系の話かなんかか?
 でも妙だなこの話は俺も知らないな、ひょっとしてエンダートのオリジナルか?

「それでだ、その創造主は時折自身の大きすぎる力を何か別のもに移す事があるらしい」
「別のもの?」
「ああ、時代によって異なるのだが時にはそれが果実となったり、はたまた人の子の姿となったりするらしい」
「ほぉ」

 おおよくできた作り話だな、即興で作ったとは思えないクオリティだな。
 大したもんだなエンダート。

「つまりだなオルクス、お前の見つけたその木もひょっとして創造主の力を移したものかもしれんというわけだ」
「なるほどねー、まぁそうとも捉えられるな」
「おい!お前まっまく信じておらんな!」
「いやいや信じてるぞ、よくできた話だと思う」
「話?いやこれは私の作り話なんかじゃなくて、事実に基づいた推測なんだが……」

 エンダートの話はなんとなく信じれる気もするけど、まぁただ運が良かっただけだろうないつもみたいに。

「さ、行くぞ」

 そうして俺はエンダートを連れて、異空間にある屋敷へと戻った。



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