木を叩いただけでレベルアップ⁉︎生まれついての豪運さんの豪快無敵な冒険譚!

神崎あら

文字の大きさ
57 / 87

第50.5話 ある日のマリギュラ


「おはようございますオルクス様」
「あ、おはようマリギュラ」

 私の朝はオルクス様への挨拶か始まる。

「おーすマリギュラ!」
「アロウか、おはよう」

 現在オルクス様の住むベール王国内の屋敷には私とアロウとマリア、そしてスザクが一緒に住んでいる。
 他の面々であるベヒモスと千手とガルム、そしてティアナ達姉妹にエンダートはオルクス様の作った異空間にいて。
 あとは、ムーファやシフォンがどこから知らんがいかがわしいお店で働いたり、ファルコやミリオンがギルドで冒険者をしていたりする。
 各々が個々の能力を活かし働く事は大変に素晴らしい事だと日々思う。

「なーマリギュラ、今日さ手合わせしないか?」
「今日か?うーむお昼の後であれば時間があるので構わんぞ」
「よっしゃあ!」

 そう言うとアロウは嬉しそうに拳を掲げた。
 普段は断るのだが、たまにはやっても良いだろう。

「マリギュラ様、おはようございます」
「ああ、おはよう」

 アロウと話をし終えると使用人の1人であるアリサが私に話しかけてきた。
 現在この屋敷では、使用人を10人ほど雇っている。
 皆普通の人間だ。
 この10人の使用人達が我々の日々の暮らしを支えてくれている。
 
「マリギュラ様、例の件ですが」
「なんだアリサ進展があったのか?」
「はい!先日連絡があり、稼働開始となったそうです」
「おお!これはめでたい、さっそくオルクス様に伝えなくては!」

 2ヶ月前、オルクス様と私は今後の事を考えて、お金をもっと稼ぐためにカジノで集めた金でとある炭鉱を買った。
 購入した理由としては、その炭鉱に金が数多く眠っている事がオルクス様のギフトスキル広域知覚センサーでわかり、これからの主な収入源となりうるため購入した次第である。
 それが昨日とうとう稼働した、今日はめでたい日である。

「オルクス様!」
「おぉどうしたマリギュラ!?」
「以前買った炭鉱がついに動き始めました!」
「なに本当か!」
「はい!これでやっと安定して大きなお金を稼ぐ事ができるようになりますね!」
「あ、ああそうだな」

 炭鉱が動き始めた旨を伝えるとオルクス様はどこか引きつった顔をしていた。

「いかがされました?」
「いやぁ、なんかさもうこんなに上手くいってるとさ、これからやばい事が起きるんじゃないかと不安になっちゃってさ」
「オルクス様……」

 なんとそんな心配をなさっていたのか。
 オルクス様も意外と小心者なのかもな。
 オルクス様はやろうと思えば、このベール王国を支配できる、それだけの力を有している。
 にもかかわらずそれをしないのは良い心の持ち主だからとばかり思っていたが、まだまだ子供という事だな。

「いやすまんな、こんな弱音とか吐いちゃって、もっとしっかりしないとな」
「オルクス様、大丈夫ですよそんなオルクス様を支えるのが我々の13魔の仕事ですから」
「マリギュラ……お前いい奴だなぁ」

 私がそう言うとオルクス様は目に涙を浮かべていた。
 
「ゆっくり行きましょう」
「おうそうだな!それじゃあ俺はまた異空間の方に戻るから、炭鉱の件とか頼むな」
「はい、お任せください」

 そう言ってオルクス様、ベヒモス達のいる異空間へと行ってしまった。
 オルクス様はまだまだ子供だが、ゆくゆくはもっと大きな野望のため動けるお方だと思っている、その時のためにも私はもっとオルクス様のために動かなねばならない。
 すなわち、当面の目標はこのベール王国の経済を支配する事にあると私は考えている。
 きたるオルクス様の野望成就のため、この国の経済面を抑えておく事は必要だと思うからだ。
 ああオルクス様、私は早くあなたとこの国、いやこの世界を支配したく思います。

「ま、マリギュラ!」
「マリか、どうした?」

 私が己の目標に向けて動こうとしていると、どこか焦った様子の吸血鬼のマリアが話しかけてきた。
 
「オルクス様は?」
「もう行かれてしまったが」
「え?うそ、また会えなかった……」

 会えなかった?何か用事でもあったのか、仕方ないここは一応次オルクス様にあった時に伝える事ができるよう聞いておくか。

「何か要件でもあるのか?良かったら伝えておくが」
「いやいやいいの、そんなんじゃらないから、ただ会いたかっただけだから」
「ただ会いたかった?そうかまぁそういう日もあるよな」

 なんだろう、そうは言ったが私にはあまりそういう日はないな。
 
「うんそうだよね、ありがとマリギュラ!またね!」
「ああまたな」

 そう言ってマリアはどこかへ行ってしまった。
 しかし今朝は忙しかったな、どれ私も少し遅い朝食を食べに行くとするか。
 オルクス様に生み出されてからというもの私の日常は日々目まぐるしく動いている。
 そんな生活に私は満足している。
 ああ今日もいい1日になるといいなぁ。

 
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

召喚失敗から始まる異世界生活

思惟岳
ファンタジー
庭付き一戸建て住宅ごと召喚されたせいで、召喚に失敗。いったん、天界に転送されたジュンは、これからどうしたいかと神に問われた。 「なろう」さまにも、以前、投稿させていただいたお話です。 ペンネームもタイトルも違うし、かなり書き直したので、別のお話のようなものですけれど。

おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)
ファンタジー
どこにでも居るような冴えないおっさん、山田 太郎(独身)は、かつてやり込んでいたファンタジーシミュレーションRPGの世界に転生する運びとなった。しかし、ゲーム序盤で倒される山賊の下っ端キャラだった。女神様から貰ったスキルと、かつてやり込んでいたゲーム知識を使って、生き延びようと決心するおっさん。はたして、モンスター蔓延る異世界で生き延びられるだろうか?ザコキャラ奮闘ファンタジーここに開幕。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。