木を叩いただけでレベルアップ⁉︎生まれついての豪運さんの豪快無敵な冒険譚!

神崎あら

文字の大きさ
15 / 87

第14話 氷撃のゲルマン・ディアス

ーー4時間前


「ふぅ、まったくオルクスは相変わらず根性なしのヘタレじゃな」

 
 天神会本部の前でオルクスと別れた儂は、久しぶりに奴について考えていた。
 しかし、あのヘタレがどうしてあのような強大な力を持っておるのだ。
 あれではまるで魔王……いやひょっとするとそれ以上のなにかにすら感じる。
 あのアホ弟子何か大きなことに巻き込まれておるのか。 
 まぁ奴なら持ち前の運でどうにかするか。
 それよりも儂も儂でエイドリアンについて調べねば。
 
「着いたな」

 第一区画と第二区画の間にはスラムと呼ばれる家を持たぬ者やならず者が数多くいる場所が多々ある。
 儂はそのうちの一つにエイドリアンの手がかりがあるのではないかと読んでいる。

「さぁて、なんか知ってそうな奴はおらんかな」
「おいおっさん、良い服着てんなさては金持ちだな」
「おーなんだよ、お客さんかぁ」
「おいおい俺にも挨拶させろよ」

 スラムに入ると早速手厚い歓迎を受けた。
 よしよし良い感じの奴らが集まってきたのぉ。
 
「金はあとで払うから一つ訊きたいことがある」
「聞いたかこのおっさん金を払うだとよ」
「へー、良いやつじゃん」
「ばっか違うだろ、ここでは金は払われるんじゃなくて奪うのが常識なんだよ!」

 そう言って血気盛んな若造の1人が、懐からナイフを出して飛びかかってきた。
 おー素晴らしいなんと無防備なジャンプじゃ、優しい儂でなければその跳躍のスキにお主は殺されておるぞ。
 まったく指導が必要じゃな。

「ふんっ」
「うわぁ」

 儂は飛びかかる小僧を鼻息で吹っ飛ばした。
 攻撃アビリティー鼻ブレス、若い頃思いつきで考案した儂のオリジナルアビリティ、消費魔力50威力75ほどの弱アビリティだが子奴らにはこの程度が丁度いいだろ。

「嘘だろ、このおっさん鼻息で人を吹っ飛ばしたぞ」
「ちっげーよバカだな、よく見ろ一瞬手を使ったんだよ」
「そうか、そうだよな鼻息で人が飛ぶわけないよな」

 おぉ子奴ら絵に描いたようなアホ達じゃな。
 仕方ないそうなれば今度は手を後ろに組んで使うとしよう。

「ん?」

 なんだなにやら強い気配を感じるな。

「天神会のゲルマン・ディアスだな、ここに何の用だ」

 派手な装備に周りの雑魚どもとは違う強者のオーラ、これはこれは王直下の精鋭部隊、輝石の英雄のメンバー達ではないか。
 何故こいつらがこんなところにおるんじゃ?

「その質問そのまま返すが、お前達こそ何故こんなところにおるんだ?」
「……お前は王にも顔が利く有名人だが、それは教えられんさっさとここから立ち去れ」
「ほぉ、追い出そうとするところを見ると尚のこと気になってくるのぉ」

 子奴ら何かを隠しておるな、その証拠に全員が何やら大きい荷物をもっておる。
 これはひょっとするとまずい事態になっているのやもしれんな。

「ゲルマン!いくらのお前でもこれ以上ここに留まると言うのならばこちらも力ずくで対処するぞ」
「儂はそれでも一向に構わん、さぁ来るならこい」

 儂がそう言うと、輝石の一人が大剣を構えた。

「おいおい戦うのは一人かよ、つまらんのぉどうせならそこにいる輝石の7人全員で来い」
「図に乗るなよゲルマン、いくら貴様がこの国最強と謳われているとは言え、この人数のましてや輝石の称号を背負う俺たち全員を相手にできるわけないだろ」
「やってみなければわからんだろう、なんだ貴様まさか全員でいって負けるのが怖いのか?」
「ふざけたことを……いいだろう、お前の誘いのってやる、全員武器を構えろ!」

 お、のってきたか、やれやれ堅物は挑発に弱いと言うがまさか本当だとはな。
 ま、こっちとしても全員で来てくれたほうが楽だからのぉ。

「輝石の者達よ、一つ聞くがお主らアビリティの真髄は何か知っておるか?」
「うるさい黙れ!」

 儂の問いに対し一人の兵士が怒りをあらわにした。

「おい落ち着け、相手はあの氷撃のゲルマン・ディアスだ、油断していい相手ではないぞ」
「油断しないとは結構なことだな、まぁとにかくアビリティの真髄とはーー」
「うるさいんだよぉぉ!」
「待てエッジ!勝手に行くな」

 儂の話に痺れ切らしたのか一人の兵士が味方の制止を振り切りこちらに突っ込んできた。
 まったく年寄りの話は最後まで聞くもんだぞ。

「やれやれ仕方ない、アビリティ発動ー【魔境】氷原白日」
「な、なんだ」
「ま、まずい全員撤退ーー」

 そうして一瞬にしてスラムとそこにいた全員は氷に包まれ凍ってしまった。
 
「あ、やばい、話聞けんかったのぉ」
 
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

召喚失敗から始まる異世界生活

思惟岳
ファンタジー
庭付き一戸建て住宅ごと召喚されたせいで、召喚に失敗。いったん、天界に転送されたジュンは、これからどうしたいかと神に問われた。 「なろう」さまにも、以前、投稿させていただいたお話です。 ペンネームもタイトルも違うし、かなり書き直したので、別のお話のようなものですけれど。

おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)
ファンタジー
どこにでも居るような冴えないおっさん、山田 太郎(独身)は、かつてやり込んでいたファンタジーシミュレーションRPGの世界に転生する運びとなった。しかし、ゲーム序盤で倒される山賊の下っ端キャラだった。女神様から貰ったスキルと、かつてやり込んでいたゲーム知識を使って、生き延びようと決心するおっさん。はたして、モンスター蔓延る異世界で生き延びられるだろうか?ザコキャラ奮闘ファンタジーここに開幕。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。