隠れ勇者の居残りハーレム

Na7saka

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第一章 ファーストセックスから始まる物語

第9話 王女の部屋  

 物音に目が覚める。

「……」

 この大きなベッドで起きるのはまだ慣れない。微妙な違和感に自分の身体を見ると裸だった。昨日は……そうだ総長室で、と思い出したところでふと横を見る。

「ん?」

 キャビネットの上に昨日はなかったぬいぐるみが置かれていた。シロクマか?

「起きたか。おはよう、クロクス」

「……おはよう」

 イヴが向こうの部屋から現れる。寝起きの挨拶サービスとは驚いた。好感度の上昇で対応が変わるのだろうか。いや、好感度が上がるようなことはしてないんだけど。

 窓際のカーテンが開かれる。朝特有の気だるげな日の光が部屋を照らした。

「昨日はクロクスがそのままソファーで寝てしまったんだ。なので私の部屋に連れてきた」

「……」

 ここにベッドは一つ。つまり、横に並んで寝ていたということか。途中で起きていればいたずらできたのに。

「ん、どうした?」

 手招きして近くに来たイヴに抱きつく。トレーニング用なのかショートパンツで生足だ。いい匂いがして柔らかい抱き心地、控えめに言って最高。

「これからトレーニング?」

「朝食をとった後にな」

 なぜか頭を撫でられた。トレーニングの代わりにセックスなんてどう、と軽口を言いそうになったが、何も遊びで鍛えてるわけじゃないよなと思い直す。邪魔ばかりして嫌われるのもなんだし、少しぐらいはわきまえよう。

「一緒に朝食へ行くか?」

「もうちょっとゆっくりしようかな」

 シャイボーイだから騎士全員の前で食事するなんて恥ずかしい。本音は殺されないか不安なだけだが。

「そうだ、包帯とか部屋にあったりする?」

 身体を離して気になっていたことを聞く。

「ああ、簡単な手当てができる道具はどの部屋にも置いてあるはずだ」

 よし、思いついたリベンジ作戦に必要な物は用意できそうだ。後は……。

「赤髪の子がどの部屋を使ってるのか知りたいんだけど」

「赤髪というとアンナか。一階の奥、クロクスが使う部屋の下だな」

 部屋の場所が分かれば作戦を決行するのみ。

「一度に団員を紹介しても覚えきれないと思い各々に任せていたが、どこかに集めて顔合わせをするか?」

「聞きたくなったらイヴに聞くしいいかな」

「そうか。では、私はそろそろ行くよ。ソファーに着替えを用意してあるから使ってくれ」

 抱き寄せてキスしようと思ったが、それもやめる。いってらっしゃいのキスと言えば定番でも、一方的に好きな現状じゃ引かれるだけか。昨日したことを思い出せば今さらだが。

 イヴを見送りベッドでしばらくもぬけの殻になる。二度寝しそうになったところで意識を取り戻し、ベッドを離れた。

 部屋の間取りは使わせてもらっている部屋と同じらしい。調度品もそう変わらないが、壁に雪山の風景画が飾られている。それと、執務机の上に書類の束が置かれていた。

 ソファーにあった服を着て少しの間ごろごろした後、部屋を出る。窓から外を見た感じ三階か。グラウンドではすでに騎士たちが走っていた。

 地下まで階段を下りて軽くシャワーを浴び、食堂で朝食をとる。朝食は目玉焼きにベーコン、さらにソーセージが添えられ、ポテトと焼きトマトに謎の豆煮が並んで栄養天元突破だった。トレーニング前提みたいなメニューに胸やけ待ったなし。

 食事を終え、時間には早いがアンナの部屋に行って待機することにした。脱衣所のロッカーに着替えはなかったし、おそらくトレーニング後に戻ってくるはずだ。

 一階最奥の部屋、ドアを開けて入ると豪華な調度品が目に入った。ソファーは全体が深い赤色で、背もたれの上部分から肘掛けにかけてゴールドの意匠が施されている。他にも黒とゴールドのキャビネットは見た目もそうだが、中にあるティーセットは素人目にも高級なことが窺えた。

 壁には湖畔の風景画だろうか。良し悪しは分からないものの、引き込まれる絵なのは間違いない。そういえば、イヴの部屋に飾られていたものとタッチが同じに見えた。有名な画家が描いたものなのかもしれないな。

 遠慮がちにソファーに座ってみるが、座り心地は自分の部屋にあるものと変化がないように感じてしまう。違いを語るのには経験値不足か。そのソファーがそもそもいい物な気もするが。

 どうにも落ち着かないので立ち上がり、次は執務机に座る。引き出しを開けてみると一通の手紙らしきものを発見。封蝋は外されていたため中身を取り出すことができた。何の抵抗もなく読もうとするなんて俺も悪い子になった。

 半分に折られた一枚の紙切れ、そこにはアンナ・スカーレットを紅百合騎士団の所属にする、という短い一文が書かれていた。そして右下には女王、ジュリア・スカーレットの名前。

「これ……」

 もしかしなくてもアンナって王女?

「……」

 よし、深く考えないことにしよう。アンナはアンナだ。俺は何も知らない。そうだ、朝食分のエネルギーを消費するために筋トレでもするか。



 ◇



「ふぅ……」

 腕立てと腹筋に背筋、それぞれ十回ずつの三セットを終える。一セットでひいこら泣き言を漏らすひ弱系だったんだけど、意外にできたな。

 タオルで汗を拭うためチェストをあさっていると手当用道具を見つけた。自分の部屋から持ってくるつもりだった包帯を入手して、ある可能性が頭に浮かぶ。着替えの他に当然、下着もあるはずだ。

 部屋を見回す。調度品は変わっても間取りは同じ、寝室に狙いを絞る。

「ここもすごいな……」

 天蓋付きのベッドとか初めて見た。さすが王女、じゃない。ただの目つきが悪い騎士だ。

 壁際のドレッサー横にあるチェスト、一番上の引き出しを開けると目当ての下着がこれでもかと詰め込まれていた。そして、そのどれもが赤色だった。

 これだけあると壮観だな。とりあえずパンツを一枚取って匂いを嗅ぎ、汗を拭う。こんなに同じ色の下着があったら上下揃えるのも一苦労、と思ったがむしろ合わせる必要がなくなるのか。

 一つ一つデザインを確認してベッドの上に投げる。イヴとシャルが着ていた物と同様に過激なのが多い。やっぱり騎士って見えない部分にも気を使うのか?

「いや、でも……」

 今手に取ったブラジャーを見ると、乳首の部分が丸出しになっていた。普通に考えると騎士にあるまじきデザインのような。セットのパンツは割れ目が丸出しになる仕様だし。俺への対応が散々だったことを考えれば、アンナはただのド変態なのかもしれない。お近づきになりたい気持ちが俄然高まってきた。

 気がつけば引き出しにあった下着を全てベッドの上に出してしまう。赤くてエロい下着の山、ダイブせずにはいられなかった。

「あー……」

 冷静になればただの下着だが、アンナを思えば興奮は避けられない。従順な態度で接してくれるイヴとは正反対なあの姿勢、睨まれながらも抱ければどんなにいいか。想像するだけでちんこは硬くなる。

 そのためにも包帯を右手に巻いて準備をしておく。部屋に戻ってくるのが楽しみだ。
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