隠れ勇者の居残りハーレム

Na7saka

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第一章 ファーストセックスから始まる物語

第16話 誘惑の仕事計画 

 一人寂しい夕食を済ませてから自室へ戻り、ロッキングチェアに揺られて夢見心地。これ、意外に実用性があるな。

 身体もどこか気持ちのいい疲れで眠気を誘う。セックスしかしてなければそんなもんか。射精した回数を考えればやりすぎな気もする。

 うとうとするのもいいが、朝はイヴの部屋で起きたことを思い出す。なら、同じようにイヴの部屋で寝るのも悪くない。

 思いついたら無性に会いたくなってきた。揺れるロッキングチェアから立ち上がって早速部屋を出る。

 暗い廊下、夜の徘徊が日課になりつつあった。夜這いと言い換えたほうが正しいか。

 一段飛ばしで階段を上がってスキップで廊下を進み、イヴの部屋前。ノックもせずにドアを開けて中に入った。

「……」

 しんと静まり返る部屋は電気もついていない。寝室を覗いてみるが、イヴはいなかった。

 少しがっかりしながらソファーに寝転ぶ。まだ仕事中かな。ここで総長室まで押しかけるほど無遠慮なつもりはない。こうして部屋まで来といてなんだけど。



 ◇



「これが陛下から送られてきた紅茶?」

「ああ、そうだ」

 総長室のテーブル、イヴとシャーロットの二人がティーカップに注いだ紅茶を飲んでいた。

「うん、美味しいわね」

「本当にな」

 かちゃりとティーカップを置く音が部屋に響く。

「今日はクロクス君、来ないのかしら」

 シャーロットが楽し気に言い、イヴは肩をすくめて見せた。

「明日はレデグール山脈に行ってくる」

 レデグール山脈は大陸北に位置するネルクシア王国と、大陸西に位置するデヘメスト王国の国境沿いにある険しい山脈だ。厄介な魔物が多く生息しているため人が往来する場所ではなく、定期的に魔物の調査と退治が行われていた。

「急な仕事ね」

「こちらから申し出たんだ。自分がどう変わっているのか、力試しを兼ねてな」

「そんなすぐに変わるものなの?」

「呼びかけに応えてくれる精霊の強さが明らかに違うよ」

 イヴが上に向けて開いた手に、風が小さく渦を巻いて中心に氷の塊が現れる。氷は一瞬で手のひら大になり、指で弾かれると目に見えないほど細かく砕けて部屋を冷やした。

「制御も楽になっている」

「うーん、私はまだそこまでじゃないわね」

 シャーロットが指を軽く動かすと、アーチ状に伸びた朱色の炎が宙にできる。そして、形が歪んで破裂したように散って部屋を暖めた。

「一瞬で細かい制御なんて魔導師を名乗る人でも中々できないわよ。この違いは愛の差なのかしら」

 からかいを含む笑いに、イヴは片眉を上げて紅茶を飲んだ。

「そうだ、明日はクロクス君も連れて行ったら?」

「クロクスを……?」

「閉じ込めておくだけじゃ可愛そうよ。たまには散歩に行ってあげないと」

「……言い方はともかく、そうしてみよう」

「ついでにもう一人連れてね」

「もう一人か……」

「妹さんにする?」

「アリスは……総長の立場からすると連れて行きにくいな」

「別に遊びに行くんじゃないんだし、気にしすぎよ」

 シャーロットは窓の外へ視線を向けたイヴにつられて外を見た。

「明日は朝から?」

「ああ、そうする」

「今日はオナニーをして夜更かししないようにね」

 その言葉にイヴが難しい顔をすると、シャーロットに笑われるのだった。



 ◇



「ん……?」

 目を開けるとすぐ近くにイヴの顔があった。

「すまない、起こしてしまったか」

 どうやらお姫様抱っこのような形で運ばれていたらしく、優しくベッドの上に寝かされた。

「……」

 なぜかキュンとしてしまう。

「今からイヴに抱かれるのか」

「そうではなくてだな……ソファーで寝るよりはベッドのほうがいいだろうと思ったんだ」

 そう言われて思い出す、イヴの部屋に来てソファーに寝転んで……完全に寝てたな。毎度のことで驚きもなかった。

「話があるんだが、いいか?」

 イヴがベッドに腰かけて俺を見る。真剣な眼差しで頷かずにはいられなかった。

「明日、レデグール山脈というところに仕事で行くことになった」

 愛の告白かと思ったらどうも違うようだ。

「よければ一緒に来ないか?」

「仕事の手伝いってこと?」

「いや、クロクスは何もしなくていい。気晴らしになればと思ってな」

 なるほど、気を使ってくれてるのか。別に滅入るほど引きこもってるわけでもないし、苦でもないんだが。でも、わざわざ誘ってくれるのなら断る必要はなかった。

「じゃあ行ってみようかな」

 イヴは少し柔らかい表情を見せる。

「出発は朝になる」

「今から抱いてもらいたかったけど、早く寝たほうが良さそうか」

「……そうだな」

 両眉を上げて、なぜか笑われてしまった。

「その、寝間着に着替えたいんだが……」

「じっくり見てるから着替えてくれていいよ」

「……」

 起き上がって正座になると黙ったまま頷かれる。イヴは壁際にあるチェストの前に向かった。

 こちらに背中を向けたまま服を脱ぎだす。前を向いてもらおうと思ったが、これはこれでいいかもしれない。

 一枚一枚服がなくなり、あっという間に下着姿になる。そして、チェストから出てきたのは透け透けの寝間着だった。

 イヴがそれを着て振り向く。膝まで届かないワンピースの形をした寝間着に、エロいという感想しか出てこなかった。

「……誘ってる?」

「そういうつもりではないんだが……」

「あ、シャルから着るよう言われてるとか?」

「うん、まあ……」

 気まずそうに頬をかくイヴは、どこまでも可愛く見える。手招きをするとベッドに上がり、膝をつきながら近くに来てくれた。

「ん、ちゅ……」

 抱きしめてキスをする。今日はこれで我慢だ。

「……クロクスは私の下着を着けている姿と外している姿、どちらが好みだ?」

 難しい質問だな。両方というか、時と場合によるんだが。

「自分ではどう思う?」

「いつもは下着を外して寝ているんだが……」

「よし、外そう」

 見たいとかいうスケベ心じゃなくて、尊重してるだけだから。

 イヴは寝間着の中に手を入れてブラジャーを外し、パンツまで脱いでしまった。手を前に出すとブラジャーとパンツを渡してくれたので匂いを嗅ぐ。

 恥ずかしそうにする表情も相まって興奮してきた。自分の着ている服が寝間着ではなかったので、全部脱いで裸になる。

 イヴをベッドに押し倒しながら、今日は我慢と言い聞かせる。

「明日の予定は……?」

「……朝からここを出て、昼に一度軽く休憩を取る」

 下着と同じように寝間着も黒だ。ただ透けているだけでなく、上下の端に細かいデザインがされている。

「暗くなる前に、山脈までの道すがらにある小さな森で野宿をして一夜を過ごす」

 手の甲で胸を下から撫でると、胸の感触とは別に寝間着の肌触りが気持ち良かった。

「その翌日、山脈を入ったところにある、っ! コテージへ……昼までに行く、あっ……♡」

 太ももを撫でて横からお尻を掴み、寝間着の中へ手を滑り込ませる。

「昼から、んっ! 私は……魔物を退治しに行く。その間、クロクスはコテージでゆっくりしていてくれ」

 横に広がる胸を手で支えて、指を沈ませた。

「野宿中にセックスしよう」

 結局はそれも仕事の前になるんだが。というか魔物退治が仕事なんだな。

「仕事に影響が出るなら我慢するけど」

 乳首に指を移動させて擦って弾くと、イヴが喉奥を喘がせた。

「んっ……あまり遅くまでするのでなければ……♡」

「仕事が終わったあとに時間は?」

「昼から日が暮れるまでの間に、あっ! 仕事は……終わらせる。それからなら……♡」

「一晩中抱いてくれる?」

「私が抱くのか……?」

「積極的なイヴを楽しみにしてるよ」
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