あばずれローニャ

黒神譚

文字の大きさ
1 / 150
導入部

恋多き女・ローニャ

「私の言葉と願いをどうか聞いておくれ・・・可愛いローニャ。
 君は、この世界にいるどんな女性よりも美しい女性だ。
 君の瞳は美しい。勝ち気な赤い瞳に少女のか弱さが秘められている。
 君の肌はどんな絹よりも滑らかで心地よく、私はその感触に抗えない。」

美しい貴族の青年はそう言いながら震える俺の肌を舐めるようになぞりながら下から上へと上がっていく。

「あんっ。ダメよ。・・・ダメぇ・・・」

腕で彼の体を押し戻すような素振りだけの小さな抵抗を見せつつも俺の体は彼の力には抗えない。俺の体はそういう風に作り変えられてしまったからだ。

「そして、君の唇の誘惑に私は抗えない。
 どうか美しい戦士の姫巫女よ。私の唇から逃れないで・・・」

彼の男らしい掌が俺の頬まで登った時、俺は瞳を閉じて彼の口づけを受け入れた。
そして、彼の唇に身も心も蕩かされて、彼になされるがまま彼のすべてを受け入れるしかない。

彼の誘惑に抗うことなど出来ようもない。俺はそういう風に作り変えられてしまったのだ。

そんな俺の魂に呪いが直接語りかけてくる。
(そんな甘ったれた声を上げちゃって!
 恥ずかしくないのぉ? 元・男のくせに・・・)

(ああっ!! や、やめてっ・・・言わないで・・・)

呪いに体を支配された俺は恥ずかしさに死にそうになって音を上げる。
俺の体に取り付く呪い。それはかつて討伐した色欲を司る魔神シトリーの死に際の呪い。その強力な恨みの力によって俺は精悍な男から、男性を誘惑する女体へと作り変えられてしまったのだ。

太陽の光が及ばないところにいると、俺はこの呪いに体だけでなく心まで支配されて完全に身も心も女になってしまう。
こんな呪いを解きたくて各地を放浪して解呪の方法を探すのだが、冒険のゆく先々で呪いに支配されてしまい、様々な男達に愛され数々の恋愛スキャンダルを起こして翌朝には正気を取り戻して風のように男の前から去る。
そうやって数年過ごす間に噂を聞いた人々が俺につけた通り名は「恋多き女」「あばずれローニャ」だった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話