あばずれローニャ

黒神譚

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第2話

幼馴染が追ってくるっ!! 10

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学生時代のアルバートとは良い思い出がない。
私達は常に意識しあって競い合っていた。そしてアルバートは私に大きく勝ち越し、私は何度アルバートに見下された目で勝利宣言をされたことか・・・。
私達はお互いを憎みあっていたし、疎ましいと思っていた。
そうして卒業前の1年間は常に負け続けていた私は彼に見限られていた。
・・・そう思っていた。でも、アルバートは違っていたらしい。

少なくとも彼にとって私は人生の張り合いになるほどの存在として認識されていたのか・・・。
そう思うと気恥ずかしく、また、妬んでいた自分をあさましく感じてしまう。
アルバートはそんな私の気持ちをつゆ知らずに話をつづけた。

「だから、彼が魔神シトリーを討伐した話を聞いたときは心躍ったよ。
 彼の成果を讃えたいと思ったし、同時に悔しいと思った。
 私以上の結果を出したからね。やはり彼は私のライバルだと再認識した。
 私はディエゴと決着をつけなければならない。そう思うといてもたってもいられなくなって私は教会を出て彼を探した。
 それからずっと、彼の事を想っている。彼の事を考えない日はない。」

・・・そこまで考えてくれていたの・・・。私はつい、気恥ずかしくて茶化してしまう。

「まるで恋人ね。二六時中、彼の事を考えているなんて・・・」

茶化したつもりだったが、アルバートはしばらく真面目な顔で考えてから答えた。

「・・・恋人? 私と彼の関係はそんな生易しいものじゃないさ。
 友人も家族も恋人でさえここまで相手を想うことはない。
 愛しているわけでもないし、仲がいい訳でもない。
 疎ましく妬ましく無視できない間柄なのに、絶対に無視することができない存在。
 それが生涯の好敵手ライバルというものなのだろうさ。」

胸を打つ言葉だった。私はアルバートの言葉に胸が震え、もう彼の言葉の虜だった。

「しかし、彼を追った私が知った事実は予想外だった。魔神シトリーを討伐した彼のパーティは彼以外、全員死亡。君が救出した生き残りもディエゴがシトリーを討伐したことを語って亡くなったらしい。状況証拠からディエゴが魔神シトリーを討伐したと認定された。
 だが、肝心の彼は忽然と消えてしまった・・・。」

・・・そう。あの時、私は唯一の生き残りであった部下のパリスを教会に連れて行った。司祭の治癒の奇跡の甲斐なく彼は亡くなってしまったが、意識のないままうわ言で何度も「ディエゴがやった。俺達の頭がシトリーをやったんだ。俺達はやったんだ。」と呟いていた・・・。

その時の事を想いだした私は、初心を思い出せた。
そう、私の目的は呪いを解き男に戻ること。パリスや他の死んでいった仲間のためにもこの偉業を世の人に広めるためにも私は男に戻らないといけない・・・。そのためにも私は英雄でなくてはいけない。嘘を通さないといけない。

「唯一の生き残りを救ったのは冒険者のルールに則ってのこと。それ以上、彼との関わりも御座いません。」
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