あばずれローニャ

黒神譚

文字の大きさ
34 / 150
第2話

幼馴染が追ってくるっ!! 17

しおりを挟む
(いい加減に目を覚ましなさいっ!!
 アルバートとは決して結ばれないわよっ!?)
(ええっ!? ど、どうしてっ!?)

俺はチャームの指摘で不安になって問い返す。
でもチャームは情け容赦なく俺に引導を渡すのだった。

(そんなの決まってるじゃないっ!!
 貴女がディエゴだからよっ!!)
(・・・っ!!)

チャームにそう言われて一瞬で夢から覚める。
そう、俺はどんなに可愛い美少女になり果ててもディエゴと言う過去は消せない。アルバートの宿命のライバルなのだ。

(いい?
 貴女がもし、ディエゴだったと露呈したらアルバートは貴女を本気で恨むはずよっ!!
 弄ばれたと心底嫌われちゃうわよっ!? それでもいいのっ!?)
(・・・っ・・・やだぁっ!! そんなのやだぁっ!!)

俺は再び泣き出してしまった。チャームは慌ててフォローを入れる。

(聞いてっ! ねっ!?
 嫌われてサヨナラよりも、いい友人関係のままの別れの方がいいでしょ?)
(・・・うん。どうしたらいい?)
(このまま嘘をついてでもいいから彼とお別れするの。気持ちのいいお別れを・・・。
 貴族とは仲良くできないって。・・・できるでしょ?)
(・・・うん)

チャームに説得され、俺は覚悟を決める。今の俺はアルバートに嫌われるくらいなら、もう二度と会いたくない。彼に嫌われるなんて絶対いやだから・・・。

そうなれば、なんとか彼が戻ってくるまでに泣き止まねば・・・。
まったく、一日のうちでこんなに泣いたのはいつ頃ぶりだろうか・・・。俺はつくづく弱くなってしまった・・・。俺は自分の体の呪いを恨むことで悲しみの感情を上書きして泣き止むのだった。

そして泣き止んだ頃に洗い物を終えたアルバートが可愛い野草の花束をもって俺の元へ戻ってきた。
「はい、ローニャ。君のために・・・」
物語の王子様のようにアルバートは自然に私に花束を渡す。

(やめて・・・。アルバート、やめてくれっ!!)

悲しみに胸をつぶされそうになりながら俺は花束を受け取らずに答えた。

「アルバート様。これからの話をしましょう。私は貴族に関わりたくないのです。どうかここでお別れを・・・。」

その言葉を聞いたアルバートは意味深な笑みを浮かべてから、俺に「指名手配」と書かれた一枚の紙を手渡す。

「それは良い案ではないな。
 何故なら、君は結婚詐欺で訴えられている。」
「ええっ!?」

そう、かつて通った町で恋に落ちかけた男性にどうやら俺は訴えられてしまったらしい。
驚く俺に向かってアルバートは言った。

「私は神官騎士だ。私なら起訴を取り消せる力がある。
 それにこれからも呪いを説く術を探す旅を続けるのだろう? それならばなおの事、私と共に旅をした方がいい。教会のツテで諸外国を自由に出入りできる。冒険者の資格だけではそれは困難だろう?」

・・・!! 
こんなに一方的に俺に有利な条件があるはずがない。アルバートは俺に交渉を持ち掛けている。
そう気づいた俺は彼に「・・・交換条件は?」と尋ねた。
俺の言葉を聞いたアルバートは満足そうに頷きながら答えた。

「うむ。察しが良くて助かるよ。
 私は君とディエゴは探すまでもなく運命の糸に引き寄せられて会うことになると予想している。強い呪いとはそういうものだ。だから、私は君と一緒にいる方が都合がいいというわけさ。
 ま、君にとっても悪い条件ではないはずだ。私が君の護衛をするんだから。昨夜の無防備な君の寝顔を見て思ったよ。危なっかしいと。
 だから、君は私と旅をしないといけない。いいね?」

折角、別れの決断をしたばかりだというのに・・・
なんで、こうなるんだ~~~っ!!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...