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第4話
初めての共同作業 1
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とんでもないことになってしまった。何故かナタリアと俺達が龍虫退治で競争することになってしまった。
俺はなんか勝負に勝った時の景品にされてしまったのだ。
「向こうは俺達と違って前情報あるんだよ。
勝ち目あると思ってるの?」
ナタリアたちと別れた俺達は当初の予定通り食事をしに酒場に入った。そこで俺は文句を言う。
するとアルバートはかなりムッとした様子でステーキ肉にナイフを突き立てると
「この私が負けると言いたいのかい?」と詰め寄って来る。
・・・顔が近いっ・・・。
というか怒った顔もステキ・・・じゃなかった。
まったく、負けず嫌いなところは変わって無いなぁ。アルバートのプライドの高さはこんなことでもひっかかる。
俺は熱を下げるために話の切り口を変えてみた。
「・・・アルバート様。
勝つか負けるかなんてやってみないとわからないでしょう。」
「・・・アルとよんでくれたまえ。」
アルバートは俺の意見に一理あることを悟り、気を取り直してステーキに突き立てたナイフを抜き取ると小さく肉を切り分けて口に運ぶ。
よかった。少し落ち着いたようだ。
俺も安心してこの店自慢の蜂蜜と生クリームがたっぷりかかったパンを口に運ぶ。
「もぐもぐ・・・っ!!
いや~んっ!! なに、これっ!? おいし~~~っ!!」
俺は口に運んだパンの上手さに我を忘れて喜んだ。蜂蜜と生クリームがパンによく染みて硬さを無くし、柔らかい口当たりにしてくれている。その上、たっぷりと振りかけてある粉糖が甘さを際立たせている。
「ああん。もう、この店に住みた~いっ!!」
ほっぺに両手を当てて体をくねらせて喜びを表現しているとアルバートは呆れたように言った。
「そうやっていると普通の少女にしか見えないな。
全く、どっちが本当の君なのか・・・。」
(・・・っ!!
あれ、言われてみたら、今、素で女の子になってなかったか? 俺っ!?)
(なってたわよ。ローニャ・・・。
女性化が進むのは嬉しい事だけど、アルバートの前では気をつけてね。あのナタリアの変化を見たでしょう?
本当に気を付けてないとこいつに手籠めにされちゃうわよ・・・)
(・・・ううっ。本当の俺が消えていく・・・。)
ちょっと泣きたくなるような現状を知り、少し落ち込んだけれども気を取り直して話しを戻す。
「で? アルバート様は作戦があるのでしょうね?」
「もちろんだ。
君も龍虫が群れで生活する習性があるのは知っているだろう?
彼女の従えている面々を見た感じ、あのパーティは戦士4、神官1、魔法使い2といった感じだ。
あれでは3匹駆除できるか怪しい。
一匹見掛けたら最低5~6匹はいる龍虫を退治するには全員のレベルが足りない。
その点、私達は二人でも十分、龍虫と複数戦える戦力がある。
ファーストアタックは彼女たちに分があるが最終的には私達が勝つ。」
「・・・なるほど。」
確かにあの編成ではそんなところだろう。
そして彼女たちでは龍虫との連戦は不可能だろう。
俺はなんか勝負に勝った時の景品にされてしまったのだ。
「向こうは俺達と違って前情報あるんだよ。
勝ち目あると思ってるの?」
ナタリアたちと別れた俺達は当初の予定通り食事をしに酒場に入った。そこで俺は文句を言う。
するとアルバートはかなりムッとした様子でステーキ肉にナイフを突き立てると
「この私が負けると言いたいのかい?」と詰め寄って来る。
・・・顔が近いっ・・・。
というか怒った顔もステキ・・・じゃなかった。
まったく、負けず嫌いなところは変わって無いなぁ。アルバートのプライドの高さはこんなことでもひっかかる。
俺は熱を下げるために話の切り口を変えてみた。
「・・・アルバート様。
勝つか負けるかなんてやってみないとわからないでしょう。」
「・・・アルとよんでくれたまえ。」
アルバートは俺の意見に一理あることを悟り、気を取り直してステーキに突き立てたナイフを抜き取ると小さく肉を切り分けて口に運ぶ。
よかった。少し落ち着いたようだ。
俺も安心してこの店自慢の蜂蜜と生クリームがたっぷりかかったパンを口に運ぶ。
「もぐもぐ・・・っ!!
いや~んっ!! なに、これっ!? おいし~~~っ!!」
俺は口に運んだパンの上手さに我を忘れて喜んだ。蜂蜜と生クリームがパンによく染みて硬さを無くし、柔らかい口当たりにしてくれている。その上、たっぷりと振りかけてある粉糖が甘さを際立たせている。
「ああん。もう、この店に住みた~いっ!!」
ほっぺに両手を当てて体をくねらせて喜びを表現しているとアルバートは呆れたように言った。
「そうやっていると普通の少女にしか見えないな。
全く、どっちが本当の君なのか・・・。」
(・・・っ!!
あれ、言われてみたら、今、素で女の子になってなかったか? 俺っ!?)
(なってたわよ。ローニャ・・・。
女性化が進むのは嬉しい事だけど、アルバートの前では気をつけてね。あのナタリアの変化を見たでしょう?
本当に気を付けてないとこいつに手籠めにされちゃうわよ・・・)
(・・・ううっ。本当の俺が消えていく・・・。)
ちょっと泣きたくなるような現状を知り、少し落ち込んだけれども気を取り直して話しを戻す。
「で? アルバート様は作戦があるのでしょうね?」
「もちろんだ。
君も龍虫が群れで生活する習性があるのは知っているだろう?
彼女の従えている面々を見た感じ、あのパーティは戦士4、神官1、魔法使い2といった感じだ。
あれでは3匹駆除できるか怪しい。
一匹見掛けたら最低5~6匹はいる龍虫を退治するには全員のレベルが足りない。
その点、私達は二人でも十分、龍虫と複数戦える戦力がある。
ファーストアタックは彼女たちに分があるが最終的には私達が勝つ。」
「・・・なるほど。」
確かにあの編成ではそんなところだろう。
そして彼女たちでは龍虫との連戦は不可能だろう。
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