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第4話
初めての共同作業 11
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3日の移動を終えて龍虫が出るという村にたどり着いた時、俺の乙女としてのプライドはズタズタに引き裂かれていた。
夜は拘束してから失神させられるという地獄のような状態なのだ。こんな屈辱的なことがあるだろうか?
しかも・・・ちょっと縛られるのが楽しみになっちゃったし・・・。
ううっ、俺、どうなっちゃうんだろう?
そんな俺の気も知らずアルバートは村の住人に気安く話しかけて俺達の事情を説明した。
村人は「ああ、そのお話なら1日前に到着されたナタリア様より伺っております」と言って、俺達を尊重の所に案内してくれた。
「1日前に到着してる?」
「ああ、ナタリア嬢に先を越されたらしいな。
きっと馬に無理をさせて移動時間を多くしたんだろう。無茶をする。」
アルバートと俺はナタリアの勝負への執着に呆れながら、村長宅へと向かった。
そして案内された村長宅でナタリアたちと再会した。
村人が村長の家人に俺達が来たことを伝えた時、村長と一緒に出迎えに来たのだ。
「遅かったな、アバズレと色男。アタイ達は1日前に到着したよ。」
自慢げにそういうナタリアに俺は「知っている」とだけ答えた。
だが、アルバートは「しかし、龍虫はまだ倒してはいないようだね」なんて煽った。
・・・やっぱり、意外と喧嘩好きな性格してるのよね。
案の定、その一言で怒ったナタリアが目をむいて「・・・なんだってぇっ!?」と声を上げたので村長が慌てて俺達に挨拶した。
「こ、これは神官騎士様。冒険者様。遠いところをわざわざ来ていただきましてありがとうございます。
わ、龍虫退治は勝負と聞いておりますが、ひとまず両者同士は一つ穏便に願います。」
村長にこう言われてしまってはナタリアもそれ以上は何も言えない。
そうして村長が俺達に龍虫が出没する場所を説明することも止めることができなかった。
村長の話によると最近、村人が畑仕事を恐れ近づかないので、もっぱら街道に出現するのだとか。しかし襲われ生き残った者も逃げるのに必死で龍虫の特徴などは何も覚えてはいなかったそうだ。つまり、情報が少ない。
そして、その情報の少なさはナタリアたちにとって最悪の状態を招くのだった。
最悪の状況に陥ることを危惧したアルバートは一つの提案をした。
「ナタリア。共に街道に向かおう。その方がフェアに勝負ができる。」
「ああんッ!? うまいこと言ってアタイ達の獲物を横からかっさらおうなんて思ってないでしょうねっ!?」
ナタリアは猛反発したが、先制攻撃のチャンスはナタリアたちに譲るとアルバートが言ったことでどうにか衝突は収まった。
「アタイ達は今すぐ村を出る。あんたたちはどうするのさ?」
「無論、共に行く。」
俺が口を挟む隙も無くアルバートとナタリアだけで会話は成立してしまった。
そんな俺を見てナタリアは
「男の影に隠れて、情けなくないのかいっ!?」などと、なじってきたけど別にかまわない。
だって、こういうことは男の人に任せた方が楽だもん。
夜は拘束してから失神させられるという地獄のような状態なのだ。こんな屈辱的なことがあるだろうか?
しかも・・・ちょっと縛られるのが楽しみになっちゃったし・・・。
ううっ、俺、どうなっちゃうんだろう?
そんな俺の気も知らずアルバートは村の住人に気安く話しかけて俺達の事情を説明した。
村人は「ああ、そのお話なら1日前に到着されたナタリア様より伺っております」と言って、俺達を尊重の所に案内してくれた。
「1日前に到着してる?」
「ああ、ナタリア嬢に先を越されたらしいな。
きっと馬に無理をさせて移動時間を多くしたんだろう。無茶をする。」
アルバートと俺はナタリアの勝負への執着に呆れながら、村長宅へと向かった。
そして案内された村長宅でナタリアたちと再会した。
村人が村長の家人に俺達が来たことを伝えた時、村長と一緒に出迎えに来たのだ。
「遅かったな、アバズレと色男。アタイ達は1日前に到着したよ。」
自慢げにそういうナタリアに俺は「知っている」とだけ答えた。
だが、アルバートは「しかし、龍虫はまだ倒してはいないようだね」なんて煽った。
・・・やっぱり、意外と喧嘩好きな性格してるのよね。
案の定、その一言で怒ったナタリアが目をむいて「・・・なんだってぇっ!?」と声を上げたので村長が慌てて俺達に挨拶した。
「こ、これは神官騎士様。冒険者様。遠いところをわざわざ来ていただきましてありがとうございます。
わ、龍虫退治は勝負と聞いておりますが、ひとまず両者同士は一つ穏便に願います。」
村長にこう言われてしまってはナタリアもそれ以上は何も言えない。
そうして村長が俺達に龍虫が出没する場所を説明することも止めることができなかった。
村長の話によると最近、村人が畑仕事を恐れ近づかないので、もっぱら街道に出現するのだとか。しかし襲われ生き残った者も逃げるのに必死で龍虫の特徴などは何も覚えてはいなかったそうだ。つまり、情報が少ない。
そして、その情報の少なさはナタリアたちにとって最悪の状態を招くのだった。
最悪の状況に陥ることを危惧したアルバートは一つの提案をした。
「ナタリア。共に街道に向かおう。その方がフェアに勝負ができる。」
「ああんッ!? うまいこと言ってアタイ達の獲物を横からかっさらおうなんて思ってないでしょうねっ!?」
ナタリアは猛反発したが、先制攻撃のチャンスはナタリアたちに譲るとアルバートが言ったことでどうにか衝突は収まった。
「アタイ達は今すぐ村を出る。あんたたちはどうするのさ?」
「無論、共に行く。」
俺が口を挟む隙も無くアルバートとナタリアだけで会話は成立してしまった。
そんな俺を見てナタリアは
「男の影に隠れて、情けなくないのかいっ!?」などと、なじってきたけど別にかまわない。
だって、こういうことは男の人に任せた方が楽だもん。
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