あばずれローニャ

黒神譚

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第4話

初めての共同作業 13

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「きゃあああああああああ~~~っ!!」
「いやあああ~~~っ!!」

悲鳴を上げてナタリアたちは俺が作った岩場に走ってきた。
無理もない。龍虫とは言うが、実際はドラゴン族ではない。言ってみればデカいミミズみたいな連中だ。

しかも、目の前にいる龍虫は2階の屋根を超えるほどの位置に頭がある。常識外れのサイズだけど胴体は未だ半分くらいは地中の中にいるはずだ。
・・・異常個体。アルバートはこれを「同族食い」と断定した。

つまり、こいつは自分の部族を食い殺して異常発育した個体と言う事だ。
元々、人間よりも遥かに巨大な龍虫の栄養価は人間と比べるべきもない。その超巨体を食し続けたこの個体はまるで1000年生きた龍虫のようなサイズに成長してしまったんだ。

「通常、知性のある生き物は同族を食わない。こいつはそういう生物の理性を生まれつき持っていない障害個体だ。
 普通の龍虫と同じ動きをするかどうか怪しいぞっ!! 
 皆、気を引き締めてかかれっ!!」

と、アルバートが檄を飛ばした時には、ナタリアたちは泣きながらアルバートにしがみついていた。

「いやああああっ! 助けてアルバート様っ!!」

いつもの威勢は何処に行ったのか、ナタリアは我を忘れて泣きじゃくってアルバートの腰に縋り付いた。

ブチンッ!! と、俺の中で何かが切れて、アルバートに群がる女たちの首根っこを掴んで引き剥がすっ!!

「アルバート様から離れなさいよっ!! この泥棒猫っ!!
 離れなさいっ!! ああっ、もうっ!!
 いや~ん!! もうっ、離れてよ~~~っ!!」

そういって、俺は女どもを引き剥がすと「俺の婚約者なんだぞっ!!」と、宣言し、アルバートを独占して抱き締める。

「こ・・・こんな時に何を言っているんだ、君は・・・」

コツンと頭を小突かれてしまった。

そして気を取り直してアルバートは腰の長剣を抜剣すると光の精霊を呼び出す。

「おお、闇を照らす光の使者。我が友ウィル・オ・ウィスプよ。
 光に仇なす闇の眷属どもを打ち破る矢を我に与えたまえ。
 悪しき者を焼き払う善なる義務を果たし給え。」

その魔力を感じ取った龍虫がアルバートに向かって突撃してきた。しかし、それは自殺行為だ。

「ライジングっ!!」

アルバートの叫び声と共にその指先から稲妻が矢のように放たれ、爆音を立てて龍虫の鼻先を弾き飛ばす。

「きいいいいいいい~~~っ!!」という、声なのか音波なのかわからない悲鳴を上げて鼻を焼かれた龍虫は地面に潜って隠れた。

「見たかっ、諸君!! 恐れるなっ!!
 如何に巨体の敵であろうと光の使者の一撃は闇の者を打ち滅ぼすっ!!
 武器をもって立ち上がれっ!!」

アルバートが拳を天に突き上げてそう鼓舞すると、怯えていたナタリアたちの表情が一変し、勇敢さを取り戻して「やああああっ!」と雄たけびを上げて武器を手に取った。

「・・・こっ・・・これが噂に聞く神官騎士の固有スキル勇気付与ハブコーレッジか・・・」

俺は初めて見る神官騎士の固有スキルの効果に呆然とした。
 
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