66 / 150
第5話
目覚めちゃったら責任取ってよ!! 5
「魔神シトリー・・・ディエゴ・・・」
ナタリアはアルバートの話を反芻するかのように名称を口にするとハッとした。
「ディエゴってっ!!
もしかして魔神討伐の英雄、ディエゴ・ヴァン・ナスレン・イザベラ・デイズの事ですか?
全冒険者の憧れ・・・伝説の英雄ディエゴ・・・」
ナタリアは感激の言葉を口にした。どうやら既に私の活躍は英雄譚として広まっているらしい。
どんなふうに語り継がれているのか気になった私は、アルバートを誘惑するよりもナタリアの話を聞きたがった。
「ディエゴを知っているの?
ねぇ、どういう英雄譚なのか聞かせてよ・・・。」
私の頼みをナタリアは聞いてくれた。そして、まるで自分の物語かのように自慢げに冒険者ディエゴの英雄譚を語ってくれるのだった。
「色欲の魔神シトリーを倒せし勇者。その名はディエゴ・ヴァン・ナスレン・イザベラ・デイズ。デイズ家の次期当主にして最強の魔法戦士。彼は男性であるにもかかわらず女性よりも巧みに精霊を操り、そのうち3つはLV.5に達していたというわ。その上、オーガをも難なく打ち倒すほどの剣士。
また彼の一党も全員が手練れ中の手練れ。ディエゴの勇猛さを聞き、自ら仲間に加わった者達。
聖戦士のマルコスは怪力無双で大剣の使い手。オークも一薙ぎで殺す上に優秀な祈祷の使い手。
同じく聖戦士オズワルドはマルコスとは正反対の業師。細身の剣の2刀流の使い手で加護の祈祷が得意。
野伏射手のパリスは狙った獲物を逃がさない射手。
魔法修道女のニコールは優秀なエクソシストにして、精霊魔法の使い手。
暗殺者のゴンザーロは全ての武器術に精通し、更にどんな罠の仕掛けも解除できると言われていた。
精霊魔法使いのペドロは全ての精霊魔法を使いこなし、そのうち二つはLV.5に達していた。
ディエゴの一党は全員が世界のトップクラスの冒険者だった。もちろん、彼らを束ねるディエゴは彼ら以上だったのよ。
そして、全員で魔神シトリーの討伐の仕事を受け、シトリーのねぐらであるダンジョン深くにもぐりこみ、彼らを打ち倒したのっ!!」
その後、ナタリアは何処の誰が脚色したのかわからないシトリー討伐の戦いを熱く語ってくれた。ナタリアはその伝説を最後に神殿で息を引き取ったパリスが語ったものだと信じていた。実際のパリスは、ただ私がシトリーを倒したとしか伝えてなかったのにね。
それでも、私は感動した。
(ああ・・・、私達の偉業は語り継がれている。
私が女の子になってしまったから口を閉ざしてしまったというのに、私達の戦いは伝説となり語り継がれてる。
そして・・・マルコス。オズワルド。パリス。ニコール。ゴンザーロ。ペドロ。
・・・一緒に戦ってくれてありがとう・・・)
私の重荷が一つ消えた気がした。
彼らの伝説をこの世から消してしまわないように、私は絶対に男に戻らないといけないという責務から解放された気がした。
それは男に戻ることが絶望的になった今の私にとっては救いだった。
自然と瞳から涙があふれ出すのでした。
ナタリアはアルバートの話を反芻するかのように名称を口にするとハッとした。
「ディエゴってっ!!
もしかして魔神討伐の英雄、ディエゴ・ヴァン・ナスレン・イザベラ・デイズの事ですか?
全冒険者の憧れ・・・伝説の英雄ディエゴ・・・」
ナタリアは感激の言葉を口にした。どうやら既に私の活躍は英雄譚として広まっているらしい。
どんなふうに語り継がれているのか気になった私は、アルバートを誘惑するよりもナタリアの話を聞きたがった。
「ディエゴを知っているの?
ねぇ、どういう英雄譚なのか聞かせてよ・・・。」
私の頼みをナタリアは聞いてくれた。そして、まるで自分の物語かのように自慢げに冒険者ディエゴの英雄譚を語ってくれるのだった。
「色欲の魔神シトリーを倒せし勇者。その名はディエゴ・ヴァン・ナスレン・イザベラ・デイズ。デイズ家の次期当主にして最強の魔法戦士。彼は男性であるにもかかわらず女性よりも巧みに精霊を操り、そのうち3つはLV.5に達していたというわ。その上、オーガをも難なく打ち倒すほどの剣士。
また彼の一党も全員が手練れ中の手練れ。ディエゴの勇猛さを聞き、自ら仲間に加わった者達。
聖戦士のマルコスは怪力無双で大剣の使い手。オークも一薙ぎで殺す上に優秀な祈祷の使い手。
同じく聖戦士オズワルドはマルコスとは正反対の業師。細身の剣の2刀流の使い手で加護の祈祷が得意。
野伏射手のパリスは狙った獲物を逃がさない射手。
魔法修道女のニコールは優秀なエクソシストにして、精霊魔法の使い手。
暗殺者のゴンザーロは全ての武器術に精通し、更にどんな罠の仕掛けも解除できると言われていた。
精霊魔法使いのペドロは全ての精霊魔法を使いこなし、そのうち二つはLV.5に達していた。
ディエゴの一党は全員が世界のトップクラスの冒険者だった。もちろん、彼らを束ねるディエゴは彼ら以上だったのよ。
そして、全員で魔神シトリーの討伐の仕事を受け、シトリーのねぐらであるダンジョン深くにもぐりこみ、彼らを打ち倒したのっ!!」
その後、ナタリアは何処の誰が脚色したのかわからないシトリー討伐の戦いを熱く語ってくれた。ナタリアはその伝説を最後に神殿で息を引き取ったパリスが語ったものだと信じていた。実際のパリスは、ただ私がシトリーを倒したとしか伝えてなかったのにね。
それでも、私は感動した。
(ああ・・・、私達の偉業は語り継がれている。
私が女の子になってしまったから口を閉ざしてしまったというのに、私達の戦いは伝説となり語り継がれてる。
そして・・・マルコス。オズワルド。パリス。ニコール。ゴンザーロ。ペドロ。
・・・一緒に戦ってくれてありがとう・・・)
私の重荷が一つ消えた気がした。
彼らの伝説をこの世から消してしまわないように、私は絶対に男に戻らないといけないという責務から解放された気がした。
それは男に戻ることが絶望的になった今の私にとっては救いだった。
自然と瞳から涙があふれ出すのでした。
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話