あばずれローニャ

黒神譚

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第5話

目覚めちゃったら責任取ってよ!! 10

ナタリアの覚悟を確かめたアルバートは「ありがとう、これからもよろしく頼む」と感謝の言葉を伝える。
その言葉に頬を染めるナタリアに俺は嫉妬を我慢するのが必死だ。
(なんだよっ!!
 俺の方が先に旅に付き合ってるのに、他の女に優しくしてっ!!)

そんな俺の気持ちにも気が付かないアルバートは前回と同じ宿を今度は3部屋取ってくれた。
それから今日のスケジュールを提案するのだった。

「先ずは旅の汚れを落とそう。
 宿に荷物を置いたら大衆浴場に行き、その後に冒険者ギルドで龍虫退治の報酬を受け取り、その金で今夜は食事を取ろう。」

ステキな提案に俺とナタリアは同時に「賛成っ!!」と返答した。
その様子がおかしいのかアルバートはクスクス笑いながら、「さて、私は教会に報告に行くから、二人は先に風呂に行って来てくれたまえ。」と私達に告げる。

「・・・え? 一緒に行かないの?」

俺が寂しそうに言うとアルバートは俺の頭を大きな掌でグシグシ撫でてから荷物をもって自分の部屋に行ってしまった。
取り残された俺とナタリアは、少し微妙な空気になる。
だって、ナタリアは恋のライバルなんだから、そうなるよね。

「じゃぁ、荷物を置いて行こうか?」

ところがナタリアは割とすぐに切り替えて大人の対応と言うか、サバサバした態度で話しかけ、自分の部屋に荷物を置きに入った。

「う・・・うん。」

俺の返事はきっと部屋に入ってしまったナタリアには聞こえていなかっただろう。
なんとなく幼い対応の自分が恥ずかしくなってしまう。
ナタリアと同じように自分の部屋に入ると、ドサッと荷物を床に降ろし、ベッドに倒れ込んでしまう。
自己嫌悪で脱力してしまったのだ。

(うう・・・多分、実年齢だったら俺と同じくらいの年齢だろうに、ナタリアの方が大人だ。
 ていうか、俺。どんどん精神年齢下がってない?
 ほんのちょっと前の俺だったらもっと合理的に行動できたはずなのに・・・)

俺のそんな悩みをチャームが的確に答えてくれた。

(気のせいじゃなくてその通りよ。ローニャは確実に幼児化してるわね。)

(ええっ!? うそっ!
 ど、どういうことっ!?)

(だってローニャは可愛い自分が大好きで、もっと可愛い女の子としての自分でありたいと思ってるもん。
 でもローニャがそうなるのは合理的な理由があるわ。
 可愛くて幼い美少女に男は本能的に惹かれるもの。色欲の呪いに犯されたローニャが無意識にそういう女の子になろうとするのは当然だけど・・・特にアルバート様の前でそうありたいと思ってるでしょ?)

(う・・・うん。だってぇ・・・)

だって・・・俺はアルバートの事を愛してしまったから。
アルバートの前では可愛い女の子でいたい。ずっと可愛がって欲しいもん。

それが呪いの力によるものか、男の気を引くための女の本能なのか俺には判断できなかった。
でも、自分ではどうしようもない事・・・。
俺はアルバートを愛さずにはいられない・・・。
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