あばずれローニャ

黒神譚

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第7話

危険が一杯、オーク群生地っ!! 9

ナタリアたちが放った矢は見事にオークたちの先陣に被害をもたらした。
山中にオークの悲鳴が響く。そして倒れ行くオークたちの姿を見た仲間のオークたちが慌てて身を隠し、戦線が乱れる。

「10名私について来いっ!!
 ナタリアっ! ヒューゴっ! 君達は引き続き左右に広がったオークを射殺せっ!」

アルバートは敵の乱れに乗じて中央に突撃をかける。龍虫ワーム退治の時に見せた健脚は山中でも見劣りすることがないほどの速度を見せ、あっという間にオーク軍の懐に入ると、手にした長剣でオークたちを薙ぎ払っていく。

アルバートの長剣はまるで嵐のようだった。オークの体を鎧の上から切断し、さらに木々すら難なく切り倒す。
あっという間に自然災害にでもあったかのように倒木とオークの遺体が広がる無慈悲な世界が目の前に広がっていくのだった。

そんな様子を見た冒険者たちの口からは「す・・・凄い。」と、感心するため息交じりの呟きがこぼれた。
オークの先陣はアルバートに恐怖し、一気に後方へと逃げ去っていく。
ざっと見たところで100を超す数の化け物がアルバートの暴れっぷりを見て恐怖して逃げだしたのだ。
そして、オークが逃げ始めた頃になってアルバートの後に続いた10名の冒険者たちがようやく追いつき、アルバートの背後と側面を守る陣形を築いた。

「追撃するっ!! 
 ローニャっ!! ナタリアっ!! 分隊を率いて私と来いっ!!
 レジーナとヒューゴはこの場を確保。倒木を利用して擁壁を作れっ!!」

言うが早いかアルバートは私達を待つことなく10名の部下を率いてオークを追う。
アルバートは我が目を疑うほど信じられないような行動をする。
たった11名で100を超えるオークの群れを追い立てるというのだ。
普通に考えれば深追いにすぎる。しかし、アルバートにはそれを可能にする実力と自信があるのだろう。

「全く、なんて人なのっ!?」

部下を引き連れたナタリアがつい、そんなことを叫びながら駆け出すのも無理はない。私も同意見だわ。
本当になんて人なの?

私とナタリアはアルバートの後に続き、山中を走る。
正直、女の身にはかなりキツイ。平服の状況なら体重の軽い女子にも分があるのだけれども、鎧を着こんでの山中ダッシュは体中が悲鳴を上げた。
それでもアルバートが切り刻んだオークたちの死体を目印にアルバートの背中を追った。

「はぁっ・・・はぁっ・・・」

息を切らした私がホセとカレブの美少年二人組に支えられながら、坂を超えてアルバートに追いついた時、アルバートは坂の上で逃走するオークの背中を見ていた。

「追いついたか、ローニャっ!!
 君の魔法の出番だっ! 初遭遇でオークどもに我々が恐ろしい敵だと印象づけるために君の魔法で奴らを焼き払えっ!!」

「え、えええ~~~っ!?」

し、しんどい・・・。私は思わず弱音を吐いてしまった。それでもアルバートの作戦に従って呪文を詠唱し、ファイアーボールを射出する。
火球はアルバートの狙い通り、山道を一直線上に逃走するオークたちを貫通。串刺しにするようにして甚大な被害をもたらしたのだった。
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