あばずれローニャ

黒神譚

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第9話

訣別の時 5

「つまり私は闇の神殿にいる間中、眠ると魔神シトリーが襲ってくるということ?
 ・・・そ、そんなの怖いわっ!
 チャーム、何とかできないのっ!?」

自分が囚われの身と言うだけでなく、あの拷問を受け続けないといけないという事を知った私は恐怖しチャームに救いを求めた。

(そうね。ここにいる間は油断できないわ。一応、私はお父様の魔法に干渉してローニャを救い出してあげることは出来るけど、お父様の作り出した夢の世界に入るのって一筋縄ではいかないの。
 
 さっき私が姿を現すまでに少し時間がかかったでしょ?
 でも、あの僅かの時間でもローニャは心が折れかけていたわ。)

「だってっ!! あんな恐ろしい目にあったら女の子に耐えられるわけないじゃないっ!?」

(そうよね。でも、恐ろしい事にあの夢の苛烈さはお父様のさじ加減一つよ。
 今回のはジャブ程度。
 お父様がやる気になったら、夢の中なら貴女を幼女の姿にもメンタルも幼女にすることは可能よ。
 そうなったら貴女は拷問に耐えられない。一瞬でお父様に服従したはずよ。)

わ、私を幼女にっ!?
どうしよう・・・ちょっとなってみたいかも・・・
と、そんな場合じゃないわね。

「魔神シトリーはどうしてそうしないのかしら?
 あの時にそうしておけば一瞬で済んだはずなのに・・・」

チャームはその問いには、言いにくそうに言い淀んでから話してくれた。

(ええと・・・それは・・・その。
 お父様がドSだから・・・よ。)

その回答に私はキョトンとする。

「ど・・・ドSだから・・・っ?」

(そうよ、お父様はドSだから、多分、もっともっとあなたを虐めたいはずよ。
 きっと私が助けに来ることを分かったうえで一番ハードルが低い試練を与えたの。
 そしてこれからも貴女を拷問し続ける。少しづつハードルを上げてね何回もね。 

 この先、貴女をあえて男に戻して恥ずかし目に合わせたり、幼女にしたり、場合によっては、もっと酷い拷問を・・・)

「やめてっ!!!」

チャームの恐ろしい話を聞いて私は震え上がって思わず叫んでしまった。
あの恐ろしい魔神シトリーならやるだろうことを私が納得してしまえるからだ。こんな恐ろしいことがあるだろうか。

なによりも私自身の心が侵され、あの恐怖にさえ快楽を覚えてしまうのだから・・・。
こんなことを何日も繰り返されたら、現実世界の私の精神も崩壊することは目に見えていた。

怖いっ!! 怖いっ!! 怖いっ!!

私の心は恐怖に染まっている。
その理由は容易に想像できる。魔神シトリーの夢の拷問の影響が現実の私の精神にも若干、影響を与えているからだ。
あの夢の拷問を耐え抜いたとしても、何日か後には現実世界の私は戦う事すらできない臆病な娘になってしまうのだろう。

魔神シトリー・・・。本当に恐ろしい相手だわ。
早急に対策しないと私は終わってしまう・・・。

肩を震わせて涙する私の頬を撫でながら、チャームは言う。

(対策をたてる必要があるわ。
 とりあえず魔除けが必要ね。メリナに準備させましょう。)

「え? メリナを呼ぶの?」

チャームは意外な人物の名を聞いてキョトンとする私に

(それに失禁したから、また洗わないといけないから)と意地悪を言って笑った。


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