19 / 81
第十九話 今聖女
「ええっ!? ボ、ボクが壊しちゃったの?
ど、どうしよう? ご、ごめんなさいっ!!」
水晶玉を割ってしまった美野里はそう言ってオロオロするばかりだったが、アビゲイルとコリンズ所長はそれどころではなかった。
美野里の魔力は、魔力を透過させるはずの水晶玉を破壊するほど強力だった。
恐らく魔力を透過させることができると言っても魔力を完全に無効化できるわけではないのだろう。魔力は、個人個人が生まれ持つ魔法属性によって異なるエネルギー波形を持つという。その波形によって水晶玉の色が変わるというのが何よりの証拠だ。
つまり水晶玉もいくらかは魔力を吸収してしまうのだろう。
そして美野里の場合、常人なら水晶玉に触れた程度で発生する魔力の流れが生み出す抵抗は極々微量な抵抗の力しか生み出さないないはずなのに、美野里の体があまりにも多くの魔力を秘めていたので、水晶玉に触れただけでも水晶玉は粉々に砕け散ってしまったのだろう。
2色に光った程度の俺と比べて圧倒的な魔力量を美野里は持っているという事だ。それは世界中の碩学が集まり日々魔法の研究を行っているこの学問所の所長ですら信じられないことだったのだろう。
「信じられない。こんなことは2000年前にこの水晶玉が発見されて以降、一度も起こったことがないはずだ・・・・。
小さな水晶玉の欠片が破壊されるのならともかく、ここまで大きな水晶玉が破壊されるなんて・・・・?」
コリンズ所長は、自らの口に右手を当てたままの姿勢で言葉を失ってしまった。
しばらくの間。その場には沈黙の時が流れた。その発言と様子から判断するに美野里は歴代聖女の中でも規格外の魔力の持ち主なのだろう。
聖女は消耗品の勇者と違って300年に一度しか異世界から召喚できないのだと俺達を召喚したウルティアは言っていた。聖女となる人間は異世界において聖女本人にその自覚はなくても、その世界の魔力均衡を支えている貴重な存在なのだという。
美野里はその貴重な聖女たちの中にあって桁外れの魔力でもって世界を維持していたらしい。と、なると美野里が抜けた今、地球はどうなっているのだろうか? 確かめようがない事なので無事を祈るしかない。
ただ、当面はこの世界を救うために召喚された今聖女・須加院美野里は、この世界に清浄の光を放つに十分すぎるほどの力を秘めているという事だった。
魔法学の常識が砕かれて混乱していたコリンズ所長は、やがてその事に気が付き、立ち上がって喜んだ。
「あああっ!! なんという力っ!!
これで世界は救われるでしょうっ!!」
所長とアビゲイルは手に手を取って大歓び。俺は少し悔しい気持ちがないわけではないが、美野里が凄い聖女として活躍できることを喜び、水晶玉を割ってしまってオロオロしている美野里の肩を叩いて「やったな。お前、世界を救うに十分すぎるってよ!」と言って祝福してやった。
「ええっ!? そ、それよりも水晶玉・・・・ど、どうしよう?」
美野里は自分の資質の話よりも水晶を砕いてしまった事への罪悪感でオロオロとするばかりだった。
それから3時間ばかり程の時間、俺達の転入手続きは後回しにされ、水晶玉のあった部屋には魔法学の教授たちが招集され、その奇跡の研究を始めていた。
昼食の時間のベルが鳴って、その時初めて興奮するコリンズ所長とアビゲイルが俺達の転入手続きがまだ終わっていないことに気が付いたほどだ。
「いや。どうも失礼いたしました。
美野里様の能力についてはもうしばらくの間は調査しなくてはなりませんが、ともかく、昼食の後からお二人にも授業に参加していただきますから、そのおつもりでよろしくお願いします。」
コリンズ所長はそう言うと大慌てで部下に命じて昼食を用意させた。
出て来た昼食は男子寮の朝食とは比べ物にならないが、さりとて豪勢でもない。ごくごくありふれた昼食だった。
柔らかいパンとソーセージのような加工肉と目玉焼き。それからコンソメ味のスープだった。
「これが当学院の学生の昼食です。お口に合わないかもしれませんが、どうか慣れてください。」
コリンズ所長はそう言うが、まぁ、食えない味ではないし、正直助かる。これを食っちまうと男子寮の飯は残飯以下だ。あれは戦場での粗末な食糧事情に慣れさせるための訓練らしいが、これから毎日あんなものを食うのかと思ったら気が滅入るぜ。
そんなことを考えながら飯を食っていると、コリンズ所長が俺に剣術の話を振って来た。
「剣一様はハカという前線で活躍する軍曹を破ったとお聞きしましたが、異世界で剣術を御学びになられたのですか?」
「ええ。俺の家は神道虎臥妙見流という武術を幼少期から学んでいました。
もっともハカ軍曹に勝てたのは運に頼る部分も大でしたが。」
俺の説明を受けたコリンズ所長は「お若いのにずいぶんと謙虚なのですね。」と感心しつつも
「そんな剣一様に朗報です。
実は今、剣一様たちの同級生に当たる少年に一人、100年に一度の天才と称される剣の達人がいます。
天才には天才しか並び立つことができません。
是非、その天才剣士と仲良くなられて共に切磋琢磨されると良いでしょう。」と言った。
その言葉にはその天才剣士への絶大な信頼が感じられた。まるで俺より強い確信があるようだった。
だが、勝負は戦ってみないとわからないだろう。俺は少し軽く見られた気がしてカチンと来た。
「・・・・その少年の名は?」
「ウィリアム・キンメリア。キンメリア王国の第三皇子ですが、皇子の敬称を嫌い騎士爵の爵位を名乗っています。まだ少年ですが心身ともに素晴らしい人格者ですよ。」
「・・・・・それは会うのが楽しみだ。」
ウィリアム。そう言えば昨晩、廊下でガキどもがそんな名前を言っていたな。どうやら生徒たちだけでなく先生にも知られた本当の天才剣士らしい。覚えておこう。
そして昼食後に俺達は所長直々の案内で自分たちの配属される教室に案内された。ちょうど体育。つまり武術の授業中だった。そこにいたのは全員18歳前後の王侯貴族の子供たち。こう言っては何だが、やっぱり庶民の俺達よりも気品がある・・・・気がする。
そこには例のウィリアムがいた。
ウィリアムも俺がハカに勝った話を聞いていたらしく、武術教師であるヘンリー・マクドネル師範に向かって「勇者様と聖女様のご入学を祝して模範演武をしたいと思います」と言い出した。
「それはよい提案です。それでは剣一様、美野里様。それぞれ男女の場所へご移動願います。」
マクドネル師範はそう言って俺達を男女クラスにわける。この世界でも当然体育の時間は男女別々に分けられるようだ。
美野里が女子たちが10人程集まっている所へ行くと女生徒たちは美野里を歓迎しキャーキャー言ってまとわりついていた。その懐きようから見て、どうやら昨晩からすでに女子寮で顔見知りになっているようだ。
反対に俺の方は全員が白い目で俺を見て距離を置いていた。周りの大人たちもこれには苦笑して見守っている。
いや、注意しろよ大人っ!!
いじめの現場だろ、これっ!!
と、抗議したい気持ちを抑えつつ俺は例の天才剣士の模範演武を見るのに集中することにした。
どうやら5~6名の生徒がかわりばんこにウィリアムに木剣をもって立ち向かう「かかり稽古」らしいが、俺はウィリアムのその洗練された剣技を見て、まさに彼は天才だと悟るのだった・・・・・。
ど、どうしよう? ご、ごめんなさいっ!!」
水晶玉を割ってしまった美野里はそう言ってオロオロするばかりだったが、アビゲイルとコリンズ所長はそれどころではなかった。
美野里の魔力は、魔力を透過させるはずの水晶玉を破壊するほど強力だった。
恐らく魔力を透過させることができると言っても魔力を完全に無効化できるわけではないのだろう。魔力は、個人個人が生まれ持つ魔法属性によって異なるエネルギー波形を持つという。その波形によって水晶玉の色が変わるというのが何よりの証拠だ。
つまり水晶玉もいくらかは魔力を吸収してしまうのだろう。
そして美野里の場合、常人なら水晶玉に触れた程度で発生する魔力の流れが生み出す抵抗は極々微量な抵抗の力しか生み出さないないはずなのに、美野里の体があまりにも多くの魔力を秘めていたので、水晶玉に触れただけでも水晶玉は粉々に砕け散ってしまったのだろう。
2色に光った程度の俺と比べて圧倒的な魔力量を美野里は持っているという事だ。それは世界中の碩学が集まり日々魔法の研究を行っているこの学問所の所長ですら信じられないことだったのだろう。
「信じられない。こんなことは2000年前にこの水晶玉が発見されて以降、一度も起こったことがないはずだ・・・・。
小さな水晶玉の欠片が破壊されるのならともかく、ここまで大きな水晶玉が破壊されるなんて・・・・?」
コリンズ所長は、自らの口に右手を当てたままの姿勢で言葉を失ってしまった。
しばらくの間。その場には沈黙の時が流れた。その発言と様子から判断するに美野里は歴代聖女の中でも規格外の魔力の持ち主なのだろう。
聖女は消耗品の勇者と違って300年に一度しか異世界から召喚できないのだと俺達を召喚したウルティアは言っていた。聖女となる人間は異世界において聖女本人にその自覚はなくても、その世界の魔力均衡を支えている貴重な存在なのだという。
美野里はその貴重な聖女たちの中にあって桁外れの魔力でもって世界を維持していたらしい。と、なると美野里が抜けた今、地球はどうなっているのだろうか? 確かめようがない事なので無事を祈るしかない。
ただ、当面はこの世界を救うために召喚された今聖女・須加院美野里は、この世界に清浄の光を放つに十分すぎるほどの力を秘めているという事だった。
魔法学の常識が砕かれて混乱していたコリンズ所長は、やがてその事に気が付き、立ち上がって喜んだ。
「あああっ!! なんという力っ!!
これで世界は救われるでしょうっ!!」
所長とアビゲイルは手に手を取って大歓び。俺は少し悔しい気持ちがないわけではないが、美野里が凄い聖女として活躍できることを喜び、水晶玉を割ってしまってオロオロしている美野里の肩を叩いて「やったな。お前、世界を救うに十分すぎるってよ!」と言って祝福してやった。
「ええっ!? そ、それよりも水晶玉・・・・ど、どうしよう?」
美野里は自分の資質の話よりも水晶を砕いてしまった事への罪悪感でオロオロとするばかりだった。
それから3時間ばかり程の時間、俺達の転入手続きは後回しにされ、水晶玉のあった部屋には魔法学の教授たちが招集され、その奇跡の研究を始めていた。
昼食の時間のベルが鳴って、その時初めて興奮するコリンズ所長とアビゲイルが俺達の転入手続きがまだ終わっていないことに気が付いたほどだ。
「いや。どうも失礼いたしました。
美野里様の能力についてはもうしばらくの間は調査しなくてはなりませんが、ともかく、昼食の後からお二人にも授業に参加していただきますから、そのおつもりでよろしくお願いします。」
コリンズ所長はそう言うと大慌てで部下に命じて昼食を用意させた。
出て来た昼食は男子寮の朝食とは比べ物にならないが、さりとて豪勢でもない。ごくごくありふれた昼食だった。
柔らかいパンとソーセージのような加工肉と目玉焼き。それからコンソメ味のスープだった。
「これが当学院の学生の昼食です。お口に合わないかもしれませんが、どうか慣れてください。」
コリンズ所長はそう言うが、まぁ、食えない味ではないし、正直助かる。これを食っちまうと男子寮の飯は残飯以下だ。あれは戦場での粗末な食糧事情に慣れさせるための訓練らしいが、これから毎日あんなものを食うのかと思ったら気が滅入るぜ。
そんなことを考えながら飯を食っていると、コリンズ所長が俺に剣術の話を振って来た。
「剣一様はハカという前線で活躍する軍曹を破ったとお聞きしましたが、異世界で剣術を御学びになられたのですか?」
「ええ。俺の家は神道虎臥妙見流という武術を幼少期から学んでいました。
もっともハカ軍曹に勝てたのは運に頼る部分も大でしたが。」
俺の説明を受けたコリンズ所長は「お若いのにずいぶんと謙虚なのですね。」と感心しつつも
「そんな剣一様に朗報です。
実は今、剣一様たちの同級生に当たる少年に一人、100年に一度の天才と称される剣の達人がいます。
天才には天才しか並び立つことができません。
是非、その天才剣士と仲良くなられて共に切磋琢磨されると良いでしょう。」と言った。
その言葉にはその天才剣士への絶大な信頼が感じられた。まるで俺より強い確信があるようだった。
だが、勝負は戦ってみないとわからないだろう。俺は少し軽く見られた気がしてカチンと来た。
「・・・・その少年の名は?」
「ウィリアム・キンメリア。キンメリア王国の第三皇子ですが、皇子の敬称を嫌い騎士爵の爵位を名乗っています。まだ少年ですが心身ともに素晴らしい人格者ですよ。」
「・・・・・それは会うのが楽しみだ。」
ウィリアム。そう言えば昨晩、廊下でガキどもがそんな名前を言っていたな。どうやら生徒たちだけでなく先生にも知られた本当の天才剣士らしい。覚えておこう。
そして昼食後に俺達は所長直々の案内で自分たちの配属される教室に案内された。ちょうど体育。つまり武術の授業中だった。そこにいたのは全員18歳前後の王侯貴族の子供たち。こう言っては何だが、やっぱり庶民の俺達よりも気品がある・・・・気がする。
そこには例のウィリアムがいた。
ウィリアムも俺がハカに勝った話を聞いていたらしく、武術教師であるヘンリー・マクドネル師範に向かって「勇者様と聖女様のご入学を祝して模範演武をしたいと思います」と言い出した。
「それはよい提案です。それでは剣一様、美野里様。それぞれ男女の場所へご移動願います。」
マクドネル師範はそう言って俺達を男女クラスにわける。この世界でも当然体育の時間は男女別々に分けられるようだ。
美野里が女子たちが10人程集まっている所へ行くと女生徒たちは美野里を歓迎しキャーキャー言ってまとわりついていた。その懐きようから見て、どうやら昨晩からすでに女子寮で顔見知りになっているようだ。
反対に俺の方は全員が白い目で俺を見て距離を置いていた。周りの大人たちもこれには苦笑して見守っている。
いや、注意しろよ大人っ!!
いじめの現場だろ、これっ!!
と、抗議したい気持ちを抑えつつ俺は例の天才剣士の模範演武を見るのに集中することにした。
どうやら5~6名の生徒がかわりばんこにウィリアムに木剣をもって立ち向かう「かかり稽古」らしいが、俺はウィリアムのその洗練された剣技を見て、まさに彼は天才だと悟るのだった・・・・・。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
日本国破産?そんなことはない、財政拡大・ICTを駆使して再生プロジェクトだ!
黄昏人
SF
日本国政府の借金は1010兆円あり、GDP550兆円の約2倍でやばいと言いますね。でも所有している金融性の資産(固定資産控除)を除くとその借金は560兆円です。また、日本国の子会社である日銀が460兆円の国債、すなわち日本政府の借金を背負っています。まあ、言ってみれば奥さんに借りているようなもので、その国債の利子は結局日本政府に返ってきます。え、それなら別にやばくないじゃん、と思うでしょう。
でもやっぱりやばいのよね。政府の予算(2018年度)では98兆円の予算のうち収入は64兆円たらずで、34兆円がまた借金なのです。だから、今はあまりやばくないけど、このままいけばドボンになると思うな。
この物語は、このドツボに嵌まったような日本の財政をどうするか、中身のない頭で考えてみたものです。だから、異世界も超能力も出てきませんし、超天才も出現しません。でも、大変にボジティブなものにするつもりですので、楽しんで頂ければ幸いです。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
【完結】異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m