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プロポーズ
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アレスは夜空を滑るように進んで行く。アイナは夢のような心地だった。
「アイナの匂いがする」
レイが後ろから両腕を回して頬を近づけてきた。
「懐かしい匂いだ」
レイに密着されて、アイナはドキドキし過ぎて心臓が爆発しそうだった。
「ハク……アルトゥーラ、だいぶ活気が戻ってるのね」
「ああ。ようやく体制も整ったし、周りに信頼できる者も揃った。アレスが頑張ってくれているから天候も落ち着いている。今はすべて上手く回り始めたところだ」
「良かった。もう大丈夫ね」
「……だからやっと、私も自分のことを考えられるようになったんだ」
「そういえば、ハク。話って……何?」
「待って、アイナ。そろそろ下に降りよう」
眼下に小高い丘が現れ、アレスはスピードを緩やかにしてそっと降りたった。町の家々の灯りが遠くに見えていた。
レイはアイナの手を引いて地面に下ろし、向き合って顔を見つめた。
「夜になると、アイナとの暮らしを思い出すんだ。自由に走り回って、いろんな国を旅して、たくさんの温かい人に囲まれて。そしてアイナといつも一緒にいたことを」
「私も、ハクと過ごした楽しかった頃をいつも思い出すわ。子供らしくじゃれあって、いろんな話をして……。大人になってしまって、もうあの頃には戻れないとわかっているけれど」
「大人になって寂しいこともある。でも、新たに喜びが始まることもあるんだ。……アイナ」
レイはアイナの手を取った。
「アイナの温もりがないと上手く眠れない。毎晩、アイナのことばかり考えているんだ。私と一緒に、アルトゥーラに来てくれないか」
「えっ……アルトゥーラに?」
「そう。私は、アイナと一生、寄り添い合って眠りたいんだ」
そう言うとレイはスッとひざまづいた。
「我、ロスラーン・レイ・アシュランは、貴女だけを生涯愛することを誓います。どうか、私の妃になって下さい」
アイナの目に涙が溢れてきた。
「そんな……身分が違い過ぎるわ」
「身分なんか関係ない。私の妃を選ぶのに、誰にも文句など言わせない」
アレスも、そっと言葉を添えた。
「そうですよ、アイナ様。陛下が心から愛する方と結婚なさるのが我々の望みです」
「……私でいいの?」
「アイナがいいんだ。アイナは、私じゃダメか?」
アイナは泣きながら首を横に振った。
「ハク……私も、ずっと眠れない夜を過ごしてきたの。ハクの側にいられるのなら……一緒にいたい」
「アイナ!」
レイはおもむろに立ち上がり、アイナを抱き締めた。
「大好きだ、アイナ。もう離れないぞ」
「ハク……」
アイナは嬉しさのあまり何も言葉が出てこなかった。するとレイは抱き締めたアイナの背中や腰を軽く叩いて、
「ん? アイナ、一緒に風呂に入っていた頃より随分女らしくなったな」
「やっ……やだ、ハクの馬鹿!」
真っ赤になって胸を叩いてくるアイナを笑いながら見つめていたレイは、ふと真面目な顔に戻って接吻をした。そしてそっと身体を離すとこう言った。
「人間に戻って初めてのキスだな」
「ふふっ、そうね……。犬だった時は毎日のようにしていたのに」
二人は微笑み合って、幸せを噛み締めていた。
「じゃあアイナ、アルトゥーラへ行こう」
「えっ? 今から?」
「もちろん。善は急げだ」
「でも、父さんや母さんに説明しなくちゃ……」
「大丈夫。そのために、うちの有能な側近を連れてきたんだ。私がプロポーズしている間に、父上母上に話を通してくれる手筈になっている」
「そうなの?! みんな、理解してくれるかしら。犬のハクが元は人間だったってこと」
「ダグに任せておけば問題ない。さあ、結婚の挨拶だけ済ませてアルトゥーラに戻るぞ、アレス!」
「はい、陛下」
アレスは再び龍の姿に戻り、二人を乗せて飛んで行った。
「アイナの匂いがする」
レイが後ろから両腕を回して頬を近づけてきた。
「懐かしい匂いだ」
レイに密着されて、アイナはドキドキし過ぎて心臓が爆発しそうだった。
「ハク……アルトゥーラ、だいぶ活気が戻ってるのね」
「ああ。ようやく体制も整ったし、周りに信頼できる者も揃った。アレスが頑張ってくれているから天候も落ち着いている。今はすべて上手く回り始めたところだ」
「良かった。もう大丈夫ね」
「……だからやっと、私も自分のことを考えられるようになったんだ」
「そういえば、ハク。話って……何?」
「待って、アイナ。そろそろ下に降りよう」
眼下に小高い丘が現れ、アレスはスピードを緩やかにしてそっと降りたった。町の家々の灯りが遠くに見えていた。
レイはアイナの手を引いて地面に下ろし、向き合って顔を見つめた。
「夜になると、アイナとの暮らしを思い出すんだ。自由に走り回って、いろんな国を旅して、たくさんの温かい人に囲まれて。そしてアイナといつも一緒にいたことを」
「私も、ハクと過ごした楽しかった頃をいつも思い出すわ。子供らしくじゃれあって、いろんな話をして……。大人になってしまって、もうあの頃には戻れないとわかっているけれど」
「大人になって寂しいこともある。でも、新たに喜びが始まることもあるんだ。……アイナ」
レイはアイナの手を取った。
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「えっ……アルトゥーラに?」
「そう。私は、アイナと一生、寄り添い合って眠りたいんだ」
そう言うとレイはスッとひざまづいた。
「我、ロスラーン・レイ・アシュランは、貴女だけを生涯愛することを誓います。どうか、私の妃になって下さい」
アイナの目に涙が溢れてきた。
「そんな……身分が違い過ぎるわ」
「身分なんか関係ない。私の妃を選ぶのに、誰にも文句など言わせない」
アレスも、そっと言葉を添えた。
「そうですよ、アイナ様。陛下が心から愛する方と結婚なさるのが我々の望みです」
「……私でいいの?」
「アイナがいいんだ。アイナは、私じゃダメか?」
アイナは泣きながら首を横に振った。
「ハク……私も、ずっと眠れない夜を過ごしてきたの。ハクの側にいられるのなら……一緒にいたい」
「アイナ!」
レイはおもむろに立ち上がり、アイナを抱き締めた。
「大好きだ、アイナ。もう離れないぞ」
「ハク……」
アイナは嬉しさのあまり何も言葉が出てこなかった。するとレイは抱き締めたアイナの背中や腰を軽く叩いて、
「ん? アイナ、一緒に風呂に入っていた頃より随分女らしくなったな」
「やっ……やだ、ハクの馬鹿!」
真っ赤になって胸を叩いてくるアイナを笑いながら見つめていたレイは、ふと真面目な顔に戻って接吻をした。そしてそっと身体を離すとこう言った。
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「ふふっ、そうね……。犬だった時は毎日のようにしていたのに」
二人は微笑み合って、幸せを噛み締めていた。
「じゃあアイナ、アルトゥーラへ行こう」
「えっ? 今から?」
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「大丈夫。そのために、うちの有能な側近を連れてきたんだ。私がプロポーズしている間に、父上母上に話を通してくれる手筈になっている」
「そうなの?! みんな、理解してくれるかしら。犬のハクが元は人間だったってこと」
「ダグに任せておけば問題ない。さあ、結婚の挨拶だけ済ませてアルトゥーラに戻るぞ、アレス!」
「はい、陛下」
アレスは再び龍の姿に戻り、二人を乗せて飛んで行った。
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