愛する人は、貴方だけ

月(ユエ)/久瀬まりか

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アーサーとの出会い

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 月日は流れ、ブライアンは十八歳になり士官学校を卒業して屋敷に戻ってきた。そしてすぐに軍に入隊し、厳しい訓練に明け暮れている。それが終われば少尉として任務に着くことになる。

 一方、ケイトはいよいよ王立学園に入学することになった。

「ケイト、明日からの学園は楽しいことばかりではない」

 ベンジャミンが入学前夜の夕食時、ケイトに神妙な顔で言った。

 ケイトは十五歳になったのでようやく大人の仲間入りとなり、今はベンジャミンやブライアンと一緒に大人用のダイニングで食事が出来るようになっていた。

「はい、お父様。覚悟しております」

「公爵家の娘として入学するのだから表向きは皆大事にしてくれるだろう。だがケイトが平民の母を持つことは周知の事実だ。無視されたり、嫌味を言われたりすることもあるだろう」

 ケイトは頷きながら聞いている。

「だが、学園生活などほんの三年間だ。愚かな人間など気にすることはない。ケイトの中身をちゃんと見てくれる良き友達が見つかることを祈ってるぞ」

「ええ、お父様。ありがとうございます。大丈夫、私、神経は図太いですから堂々と過ごしますわ」

「それと、同級生には第二王子のアーサー殿下がいらっしゃる。この方にだけはくれぐれも失礼のないようにな」

「わかりました。気をつけます」
 
 口数の少ないブライアンではあるが、今日は一言話してくれた。

「貴族は嫌な人間ばかりというイメージがあるだろうが、実際はそうでもない。気の合う、いい友人が出来るといいな」

「ありがとうブライアン。頑張ります」

 ケイトは嬉しくなって笑った。

(私には優しいお父様とブライアンがいる。他人に疎まれようともこの三年間は勉学に励み、二人の役に立てるように頑張らなくてはいけないわ)




 翌日、緊張しながら学園に到着したケイトが教室に入ると、賑やかに話していたクラスメイトの声がピタッとやんだ。

「皆さま、おはようございます」

 シンとした教室で返事をする者はいなかった。だがケイトはそんな事に構わず、すました顔で一番後ろの席に向かいふわりと着席した。

 何人かこちらを向いてヒソヒソと話し合っている。平民上がりがそんなに珍しいのかしら、と思いながらケイトは教科書を取り出して予習に励んだ。

 授業に関してはこの三年間の頑張りのおかげで苦も無くついていけた。むしろ、クラスメイトの方が遅れているくらいであった。
 だがとても優秀な生徒ももちろんいた。公爵令嬢ミレーヌ・シェルダンである。彼女は美しい金色の巻毛に水色のリボンを結び、青い瞳には力があり意志の強さを感じさせた。第二王子の婚約者候補と言われているだけあって、非の打ち所のない令嬢のようである。

 生粋の貴族らしさという自分には無いものを持つミレーヌにケイトは憧れを感じた。

 午前の授業が終わり昼休みになると、生徒は食事のためカフェテリアに向かう。皆、仲良しのグループで固まっているようだ。あっという間に移動して行ってしまい、ケイトは一人取り残された。

(まあね。皆さん幼い頃からのお友達なんだもの、なかなか余所者は受け入れられないでしょうね。焦らず気長に行きましょう)

 ケイトは一人でカフェテリアに行き軽めの昼食をさっさと食べ終わると、校舎横の芝生の広場へ向かった。ここはベンチもあるし大きな木があって居心地が良さそうだ。

 ベンチに座ってお日様に当たりながら持ってきた本を開いた。穏やかな時間が流れていく。

「にゃあ……」

(にゃあ?)

 か細い猫の鳴き声が聞こえてくる。辺りを見回すがどこにもいない。でもまだ、どこかで鳴いている
ようだ。

「あっ!」

大きな木の枝の先に、立ちすくむ子猫の姿を発見した。

「危ないよー、降りておいで」

 下から手を伸ばして呼んでみるが、怯えているのか全くその場を動けないようだ。

(どうしよう……あのくらいの高さの木なら私でも大丈夫かな? ブライアンに見られたらすごく怒られそうだけど、あの時より低い枝だしきっと大丈夫)

 ケイトは振り返り誰もいないのを確かめ、木に登っていった。思った通り、子猫の所まではすぐに到達した。

「よしよし、大丈夫だからね。大人しく抱っこされててね……」

 そっと子猫を両手に包み、さあ戻ろうと思ったのだが、両手がふさがっているのに気付いた。

(あら、どうしよう)

 なんとか子猫を片手で抱いて降りようと四苦八苦していると、誰かが声を掛けてきた。

「おや、大きな金色の猫がいる」

 下を見ると、優しげな目をした男子生徒がこちらを見上げていた。

 (しまった、木に登っているとこを見られてしまったわ。変な評判が出てしまう)

 だが既に見られたものは仕方がない。とりあえず子猫が優先だ。

「あの、すみませんがこの子を受け取ってもらえますか?」

 ケイトは腕を伸ばして両手の中の子猫を見せた。

「ああ、その子を持っているから降りてこられないのか。わかった、ちょっと待って」

 彼は近寄ってくると腕を伸ばした。だがあと少しなのに届かない。

 すると横から背の高い男性が手を伸ばし、スッと子猫を受け取って男子生徒に渡した。

 ケイトは安心して木から降りてきた。男子生徒は子猫を両手でそうっと抱えていた。

「これは君の猫なの?」

「いえ、そこのベンチで本を読んでいたら鳴き声が聞こえて。木の上に降りられなくなったこの子を見つけて、それで助けようとしていたんです」

 さっきの男性が彼に何かを耳打ちした。

「どうやら、向こうに親猫がいるみたいだ。そちらに返してやってもいいかな?」

「はい、もちろんです。ありがとうございます、助かりました」

 彼は男性に子猫をそっと渡した。男性が離れて行くとこう言った。

「良かったら少し話さないか? 私はアーサーだ。この学園に入学したばかりでね」

(アーサー?……あっ! 大変、第二王子殿下だわ)

「し、失礼いたしました! 殿下、初めてお目にかかります、アークライト公爵家の長女ケイトと申します。知らぬこととはいえ殿下を見下ろすことになってしまった非礼をお許しくださいませ」

 ケイトは深く淑女の礼を取り、頭を下げた。まさか第二王子とは知らず、頭上から声を掛け気軽に猫を託してしまうとは。

 恐縮しているケイトに笑いながら顔を上げるように言って、ベンチに座るよう促した。

「そんなに畏まらないでくれ。学園にいる間は学生同士なんだから。さっきの男性は私の護衛だから常に一定の距離で側にいるけど気にしないで」

 促されるままケイトはアーサーとベンチに並んで座った。

 輝くような金髪に春の海のように明るい青い瞳。優しげな微笑みを浮かべたアーサーは、絵本に出てくる王子様そのものの美しい人だった。

(まさか王族の方とこんなに近くでお話することがあるなんて。眩しすぎてお顔が見れないって本当にあるのね)

 そんな事を考えながらケイトは何を話していいのかわからず黙りこんでいた。

「君は、失礼ながら平民の母から生まれたと聞いているのだが本当なの?」

「あ、はい。そうです。殿下のお耳にも入っているのですね」

「そりゃあね。公爵家ともなれば皆関心を持って動向を注視しているからね。でも私は純粋に君に興味があったんだ」

「私にですか?」

「ああ。下町の暮らしとはどんなものなのか知りたくてね。話を聞かせてもらいたいと思っていたんだよ」

「下町の暮らし、ですか」

「王宮からほとんど出た事のない私は世情に疎くてね。やっと学園に通う年齢になり王宮から出られたのだから、今のうちにいろんなことを知りたいのだ」

「素敵です。この国を動かすお方が平民の声を聞いて下さるなんて」
 
「そんな大袈裟なことでもないよ。ただの興味本意なんだから」

 そうは言いつつ、とても柔らかな表情でアーサーはケイトの話を聞いてくれた。時折、笑ったり、難しい顔をしたりしながら。

 やがて、午後の授業の予鈴が鳴った。

「そろそろ時間だね。楽しい話を聞かせてくれてありがとう。良かったら、明日も話をしてくれないかな」

「はい、もちろん、私で良ければ」

「ありがとう」

 アーサーは立ち上がるとケイトに手を差し伸べ立たせてくれた。

「では明日も今日と同じ時間にここで」

 そう言って護衛と共に男子教室に向かって行った。

(何だか夢みたいな時間だったわ。王族の方ってもっと尊大な態度を取るものだと思ってた。瞳と同じ、春の海のように穏やかな方……)



 その週は、毎日アーサーと話をすることになった。いつも別れ際に『では明日も』と言われてしまうのだ。下町の話が尽きてくると家族の話や趣味の話へと話題は広がり、アーサーも自分のことをよく話すようになってきた。

 どうやらアーサーは、兄である王太子にコンプレックスを抱いているようだ。学問にも武芸にも秀でた王太子は王からも貴族からも支持され賞賛されている。
 五歳離れた第二王子アーサーは幼い頃から身体が弱く、今も華奢でひ弱な外見だ。学問も出来は悪くはないがそこそこといったところで、兄と比べられる日々を送っているらしい。

「私は、王族には向いていないのだ」

 ため息をつきながらそう呟く。

「家臣に対して堂々としたふるまいが出来ない。自分が劣っていることがわかっているから、どうしても卑屈になってしまう。こんな自分が王位継承権第二位であるなど、不安でしょうがない」

「それに、自分の意見を言うなんて最も苦手だ。自分の決めた事が誰かの生活を脅かすことになるかと思うと、何も決断出来ないのだ」

 うーん、とケイトは考え込んだ。王族の重圧など、ケイトの想像の範囲を超えている。何を言っても気休めにしかならないだろう。でも、平民から貴族になった自分が思ったことを少し話してみようかと思った。

「殿下、私ごときの経験で申し訳ないのですが、貴族としての教育を受けている時、とても辛い時がありました。今までの常識が通じなくて何をやっても間違って叱られて、しまいには答えることすら怖くて出来なくなったんです。そうしたら先生に言われました。『あなたは失敗を恐れ過ぎている。どんな失敗も成功に繋げる糧だ。完璧を求めすぎるな』って。殿下もそうかなって思うんです。殿下は完璧な自分でいたいから失敗したくないんじゃないかと。でも不完全な自分を認めるとすごく楽になりますよ。それと、普段からどんな事でも自分で決めるようにしたらどうでしょうか」

 アーサーはしばらく黙って考えていた。

「ケイト。言われてみれば私は何一つ自分で決めることはない。着る服、食べる物、日々のルーティン。言われた事をただこなしていく毎日だ。父上や兄上に逆らったこともない」

「だがもし父や兄がいなくなったらと思うと不安でたまらなかった。他人に頼ってばかりで自分で考えていないのだから当然だ。まだ若い今だからこそ、決断力を磨くべきなのに……」

 アーサーは立ち上がり、ケイトに微笑んだ。

「ありがとう、ケイト。なんだか目が覚めたよ」

「私は何もしてません。殿下がご自分で考えられたのですわ」

 ケイトの手を取るとアーサーは甲に軽いキスをした。

(えっ? えっ、これはいったいどういうこと?)

「感謝の印だから、気にしないで。ケイト、これからも私の友達でいて欲しい」

「は、はい、もちろんです」

 アーサーが立ち去った後もケイトはしばらく力が抜けてその場から動けなかった。



 ようやく教室に戻ったケイトは急いで鞄から教科書を出そうとしたのだが。

(あら、やられちゃったか……)

 教科書はズタズタに切り裂かれていた。こっちを向いてクスクス笑っている生徒もいる。ケイトはニコッと笑って隣の席の女子生徒に声を掛けた。

「ごめんなさい、私の教科書、こんなになってしまったから宜しければ一緒に見せて下さる?」

 確か伯爵令嬢だったその女子生徒は驚いた顔をしたが教科書をケイトの方に寄せてくれた。

「ありがとうございます、助かりますわ」

「い、いえ、とんでもありません」

 ちょうど教師が入って来た。

「あら、そこの二人どうしたのですか? 忘れ物は減点ですよ」

「先生、申し訳ございません。私の教科書が誰かに切り裂かれておりまして、仕方なく見せていただいてますの」

 教師はケイトが差し出した教科書を一瞥すると嫌そうな顔をした。この教師は事なかれ主義で面倒な事は大嫌いな人物である。

「次から気をつけるように」

とだけ言って、何事も無かったように授業を始めた。

(まあいいわ。あの笑っていた方達が恐らく犯人でしょう。しばらく気をつけておかなくては)

 だが放課後、階段を降りていると後ろから背中をドンと押された。

(あっ、……)

 ケイトは咄嗟に身体を捻り、素早く立ち去って行く人物を見た。やはり、あの笑っていた令嬢たちだった。
 だが犯人を確認出来た代わりに、背中から落ちることになってしまった。

(背中から落ちるのは、流石にまずいかも……)

 しかしケイトが地面に叩きつけられることはなかった。

「大丈夫ですか?」

 階段の下でケイトを抱き抱えてくれていたのはアーサーの護衛。その横でアーサーが心配そうに見つめていた。

「ケイト! 階段を上ろうとしたらいきなり落ちてきたので驚いたよ。大丈夫かい?」

「ええ、大丈夫です。ありがとうございました」

「もしや落とされたのでは?」

 護衛に聞かれたが、大事(おおごと)にしたくはないので明るく返事をした。

「いえ、自分で足を滑らせてしまって。私、そそっかしいのでいけませんね。気をつけますわ」

「そうかい? それならいいけれど。階段で落ちたら大怪我してしまうから慎重にね」

「はい、そうしますわ。……あ、殿下。明日の昼休みなんですが、ちょっと用事が出来てしまってお会い出来ませんの。申し訳ございません」

「ああ、もちろん構わないよ。むしろ君の時間をずっともらい続けてすまなかった。でもこれからも時々、私に付き合ってくれるかい?」

 喜んで、と淑女の礼をとりケイトはアーサーと別れた。

(明日、あの令嬢たちと話してみなければ……)



 翌日、犯人に声を掛けるつもりだったが昼休みになると向こうから声を掛けてきた。

「ケイト様、少しお話、よろしいですか?」

「ええ。ちょうど良かったわ。私も話があるの」

 二人に連れられ、ケイトはあまり人の来ない裏庭へ行った。

「何かしら? こんな所でお話とは」

「あなた、公爵家の人間みたいな顔をしてアーサー殿下に付き纏っているみたいね」

「仰る意味が分かりませんわ。私、公爵家みたいな、ではなく公爵家の人間でしてよ」

「半分平民の血が混ざっているじゃないの。卑しい血を引く人間を公爵家の一員として尊重するつもりはないわ」

「そうよ。でも大人しくしていれば放っておいてあげたのに、アーサー殿下にベタベタとまとわりついて。恥ずかしくないのかしら」

「お言葉ですが私、殿下にまとわりついてなどいませんわ。お話をしているだけですもの」

「婚約者がいる方と毎日二人きりで話をするなんてことは、充分まとわりつきですわ! やはり平民、嫌らしい考えね」

「殿下に婚約者が?」

 ケイトは怪訝な顔をした。候補がいるとは聞いているが、正式に決まったとは聞いていない。

「そうよ。ミレーヌ様が婚約者になるのはほぼ決まっているのよ。ミレーヌ様はそのために幼い頃からあらゆる教育を受けてらしたの。あなたみたいなにわか令嬢では全く敵わない方なのよ。わかったら二度と殿下と話さないと約束しなさい!」

「だから、私に嫌がらせをしたのかしら?」

 二人はギクっという顔をしたがすぐにこう言った。

「何のことかしら? あなた、いろんな人に恨まれているから誰がやったかなんてわからないわよ」

「昨日私を階段の上から落としたでしょう。私、あなた達がやったのを見たのよ」

「ち、違うわ! 第一、あなた階段から落ちたにしてはピンピンしてるじゃない。私たちに落とされたとか言って、どうせ、狂言なんでしょう?」

「狂言ではない」

 突然、アーサーが現れた。

「で、殿下!」

 二人は慌てて淑女の礼を取る。ケイトも驚いていたが、ゆっくりと、美しく礼をした。

「私は昨日階段から落ちてきたケイトを助けたのだ。それを、無かったことだと言うのか?」

「いえ、そんな! 殿下を疑うなどという気持ちは全くなく……」

「私の護衛が階段の上から立ち去るお前たちを見ているのだ。これは充分に処罰の対象となる」

 二人は震え上がった。

「申し訳ございません! 許して下さい!」

「何故そんな事をやったのか?」

「ミレーヌ様を悲しませるケイト様が憎くて……学園に来られないようにしてやろうと思い……ました……」

「ミレーヌの差し金か?」

 ずっと頭を下げていた二人は驚いて顔を上げ、涙を流しながら首を横に振った。

「違います! ミレーヌ様は何も。私達が勝手にやったことです!」

「お許し下さい、殿下! 私達はどんな罰でも受けますが、ミレーヌ様は何も知らないことなのです。どうか、ご内密にお願いいたします……」

 アーサーは呆れたように首を振ると、ケイトに言った。

「ケイト。君はどうしたい?」

「もう二度とやらないと約束していただけるなら、処罰など望みませんわ」

「いいのか? それで」

「はい。ただ、二度目はありません」

「わかった。ケイトの寛大さに感謝するんだな。行け」

「は、はいっ。殿下、ケイト様、ありがとうございました……!」

 二人は足がもつれて転びそうになりながら去って行った。

「殿下。どうしてここがわかったんですか?」

「昨日の君の様子がおかしかったからね。護衛に見張らせていたんだよ。そしたら案の定だ」

「ありがとうございました。おかげで助かりましたわ。殿下、とても素敵でした」

 ケイトは微笑んだ。アーサーは照れたように目を逸らすとこう言った。

「初めてこんなにハッキリと喋ったよ。護衛を頼ったのも初めてだ。私でもこんな風に対応が出来るのだと少し自信がついたよ。ありがとう」

「殿下ったら。どうしてお礼を言うのですか」

 楽しそうにケイトが笑い、それを見たアーサーも嬉しそうに笑った。

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