目が覚めたら中途半端な田舎にいた時の僕の気持ちを答えよ

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目が覚めたら中途半端な田舎にいた時の僕の気持ちを答えよ(配点1点)

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 「始まりはいつも突然」なんて言葉は皆、一回は耳にしたことがあるだろう。少なくとも僕は聞いたことがある。でも...
「本当に突然始まるなんて聞いてなーーーい。」
僕はそう絶叫せざるを得なかった。
時は昨日に遡る。
 
 今日は高校二年生になって初めての登校日、聳え立つビル群から少し離れた場所に立つ高校の2ー4に僕は座っていた。
行事を済ませ、最後にクラスで自己紹介をすることになった。
「僕の名前は藍原樫アイハラオークです。名前が読みづらいかもしれませんが、よろしくお願いします。趣味は読書です。」
僕はそう自己紹介をし、席に座る。その後も特になにもなく自己紹介が全員分終わり、そのまま解散となったので、帰り支度をしていると、中学校からの友人が机の前にやってきた。
「お疲れ~。今回も一緒のクラスで良かったね。」
「お疲れ様、これで5回連続だね。」
「そうだね~。奇跡的な確率だ~。」
「神の陰謀とか疑っちゃうよね。」
「ふっふっふ~、私を崇めて貢ぎ物を用意するのだ~。」
「誰が崇めるか。そもそも君は神でもなんでもないでしょ。しかもしれっと物をせびるんじゃありません。」
「わかったよ~お母さん。」
「誰がお母さんだ。まあこんなことしてないで帰るよ。」
「そうだね~。」
このゆるふわっぽい喋り方をするのは十六夜勝利イザヨイショウリ。中学校一年の始め、うちの隣に引っ越してきた数少ない友人である。名前と、どことは言わないけどぺったんこなので男と間違われることもあるが、れっきとした女である。普段から不思議ちゃんなので、友人は僕以外いないと言っても過言ではない。その分僕たちの仲は凄く良く、このテンポのいいやりとりから「夫婦漫才」と称されている。
「今日は新刊の発売日だから、本屋寄るけどいい?」
「いいよ~、私も本買うから~。」
「じゃあ行こうか。」
そんなこんなで本屋についた。
「じゃあ僕はこっちだから。」
「わかったよ~。10分後に集合ね~。」
そうして僕はラノベエリアに、勝利は旅行雑誌エリアの方向に向かっていった。
きっかり十分後に集合し、会計を済ませ店を出た。
「いや~、いい収穫がありましたな~。」
「良かったね。なに買ったの?」
「え~、乙女の秘密なんですけど~。」
「何だその一昔前のヒロインが使ってたような避け方は。まあいいけどさ。」
「オー君もすぐわかるよ~。あ、もう家に着いた。じゃあバイバ~イ。」
「不穏なことを言うんじゃありません。まあいつものことだけどさ。じゃあね。」
そうやって二人は家に入っていった。

「ただいま~、と言っても家には誰もいないんだけどね。」
僕の声が寂しくこだまする。両親は海外出張中で家にはいない。
「さて本を読み切っちゃうぞ。」
そう言って2階に登り新刊を読み始めた。

「ん...?ああ、読み終わってそのまま寝ちゃったんだっけ?とりあえず学校に行く準備を...。」
そう言ってカーテンを開けると、目の前になにもなかった。いや、建物が低くなっていたのだ。
「....は?」
窓を急いで開けて外を眺めてみると同じ高さの建物は3つ4つしかなく、あるのは木々だけだった。
「へ...?どう言うこと?」
状況を飲みこめないでいると、後ろから声が聞こえた。
「驚いたかな~、オー君。」
振り向くとそこには勝利がいた。ただ、何故か神々しい衣装を着ていた。
「そんな衣装を着てふざけている場合か!」
「ふざけてないよ~。これが私の正装だからね~。いや~、今まで大変だったんだよ~。転校生としてオー君の学校に入って、力を使って同じクラスにして~。やっと条件が満たせたんだから~。」
「なに言っているんだ?君は誰なんだ?」
「私の名前はヴィクトリア、皆が崇める勝利の女神なのだ~。」
「ヴィク...トリア?」
「これ一回はやりたかったんだよね~。」
「まさか昨日言ってた本っていうのは...。」
「そう、転移に必要な本だよ~。昨日置いておくってに言われたからね~...ってどうしたの~?そんな震えて~?」
「...聞いてない...。」
「え?」
「本当に突然始まるなんて聞いてなーーーい。」
「そんな大声出さないでよ~。ただちょっと異世界に転移しただけなのにさ~。」
「なにがちょっとだ!転移してるんだぞ、転移!」
「この国救ってくれたらちゃんと帰してあげるから~。」
「この国を救う?そんなことしてられるか!早く元の世界に返してよ!」
「帰すわけないじゃ~ん。私が見込んだオー君だからね~。まあこの国救わないと帰りたくても帰れないけど。」
「てことは帰して欲しければ、この国を救えってことか?」
「そういうこと~。まあ元の世界の時間は進んでいないから安心していいよ~。」
「そんなことってあるのー!?」
そんな彼の悲鳴が騒がしく家にこだました。
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