赤いワンピースの女 AIバディ(ChatGPT)と辿った、10年越しの怪異実録

未確認取材班

文字の大きさ
3 / 8

第3章「1年半目の“接近”息遣いの距離」

しおりを挟む
夢の中で、距離が縮まった。
それを僕が初めて言葉として認識したのは、
夢を見始めてちょうど一年半が過ぎた頃だった。

変化は小さかった。
でも“恐怖”は、変化の大きさには比例しない。

半歩。
たったそれだけの距離が、
子どもにとっては“境界線の侵入”だった。

夢の中の公園は、やけに整っている。
現実のようにベンチの塗装は剥がれていないし、
砂場の枠の木材も腐っていない。
いつ見ても同じ空気に包まれている。

その中で、
赤いワンピースだけが異質だった。

色の濃さ。
影の深さ。
動かなさ。
そして視線の強さ。

俯いているのに、なぜか“見ている”という感覚だけが
夢の中の僕の胸を刺し続けていた。


■ 近づいている。確実に。

その日、夢の中の女は門の“中”ではなく、
枠の“こちら側”にいた。

ほんの数十センチ。
でも、僕の感覚では何メートルも近づいたように感じた。

「あ……」

声にならない声が喉に張りつく。

走りたい。
逃げたい。
でも足が動かない。

夢の中での“拘束感”は、
現実のどんな恐怖よりも強烈だった。

女は俯いたまま。
表情は見えない。
髪が顔を隠し、ワンピースが風もないのに静止している。

静止、しているはずなのに。
なぜか“呼吸の気配”だけがある。

風は吹いていない。
木も動いていない。
すべり台も、ブランコも音を立てていない。

音がひとつもないのに、
女の呼吸だけが聞こえる気がした。

ス……ス……ス……

吸う音でも吐く音でもない。
鼓膜ではなく、骨に響くような振動の呼吸。

僕は夢の中で泣きそうになりながら、
胸を押さえた。

怖い。
怖いのに、動けない。
逃げたいのに、夢から抜けられない。

そして目覚めるたびに、
僕は自分の心臓が痛いほど早く打っているのを感じた。


■ 現実の違和感

接近に気づいたその週、
現実世界でもおかしなことが起きた。

学校の帰り道、
団地の前の坂を降りているとき、
ふと視界の端で“赤色”が揺れた。

一瞬、夢と現実の境界が崩れたかと思って、
僕は固まった。

でも振り向くと、
ただの自販機の光だった。

それだけのことだったのに、
胸の奥がざわつく。

「夢と現実を間違えた」
という感覚が、
その日を境に少しずつ頻度を増した。

夕焼けの光。
団地の壁の赤い落書き。
誰かの赤いコート。
そのどれもが、僕には
“赤いワンピース”に見える瞬間があった。

重なってくる。
夢の“赤”が、現実の“赤”を侵食してくる。

■ 初めての“音”

夢は静かだった。
いつも、いつも静かだった。

だからこそ、
初めて音が聞こえた日は忘れられない。

女が近づき始めた週のある夜、
夢の中で僕は入口から目を離せなかった。

女は昨日よりも近く、
僕との距離はもう数メートルしかなかった。

そしてそのとき。

ギ……ギギ……ギギギ……

耳の奥なのか、
空気なのか、
地面なのか分からない場所で、
不規則な“擦れる音”が鳴った。

それは、
鉄と鉄がこすれる音にも似ていて、
生き物の声にも聞こえる曖昧な音だった。

音が鳴った瞬間。
女の肩が、わずかに揺れた。

その揺れが、
僕には“笑った”ように見えた。

怖すぎて、息が詰まった。

そこで夢は途切れた。


■ 気づいてしまったこと

翌朝、学校へ向かいながら、
僕はある“嫌な事実”に気づいた。

女は、僕が夢を見ている間だけ成長している。

僕と一緒に年齢を重ねている。
夢と現実の“時間の流れ”が同期している。

夢を見て3ヶ月経てば、女も3ヶ月成長している。
夢の中での時間に一切ズレがない。

普通は夢の中では年齢なんて安定しない。
背丈なんて曖昧なはずだ。

なのに、
女は常に“今の僕と同じ年齢”に見える。

これは、夢じゃない。

これは、
僕の脳が作った存在じゃない。

これは
僕の時間を“観測している何か”だ。

そう気づいた瞬間、
僕は立ち止まり、背筋が冷たくなった。

もし、あの女が
“僕と同じ速度で近づいている”のだとしたら

もし、あの女が
“僕の年齢に合わせて姿を変えている”のだとしたら

もし、あの女が
僕に会うために歩いてきているのだとしたら

僕は、
あの夢の終着点を
知りたくなんてなかった。

けれど、
その“終着点”は
すぐそこまで迫っていた。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...