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第5章「“消失”夢が突然止まった理由」
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あの夜、赤い視界の中で見下ろされた瞬間を境に、
3年間続いた夢は、嘘みたいに途絶えた。
恐怖が終わったのに、安心はしなかった。
胸の奥にぽっかり穴が空いたようで、呼吸の仕方すら忘れそうだった。
夢が消えた翌朝、
僕は学校に行きながら、公園を覗き込んだ。
滑り台。
ブランコ。
ベンチ。
砂の色。
夕方ならもっと一致したはずの景色が、
その日はなぜか“違って”見えた。
「……ここじゃない」
夢の中の公園は、現実の公園より“詳しすぎた”。
記憶の中ではなく、明らかに誰かに“見せられた空間”のように、
完璧に配置されていた。
そのことに気づいたとき、
僕は背中を冷たい手でなぞられたように震えた。
そして思った。
夢の公園は、俺が"作った"んじゃない。
誰かが“再現して見せてきた”。
その“誰か”を名付ける言葉は、
当時の僕にはなかった。
■ 家族にも言えない「消失の意味」
夢が終わったことを、なぜか誰にも言えなかった。
母に言えば笑われるだけ。
友達に言えば、怖がられるか、ネタにされるだけ。
あの2歳上の男の子に話す勇気もなかった。
だけど、夢が消えてからも、
僕の中では“女がそこにいる気配”だけは消えなかった。
家の廊下。
学校の階段。
夜の団地の外廊下。
赤い色を見れば反応してしまう。
背後に気配がある気がして何度も振り返る。
夕方の影が伸びると、息を潜めてしまう。
夢が終わるというのは、
“安全”ではなかった。
夢という「枠組み」から出ていってしまったようで
そのほうがずっと怖かった。
■ 時間とともに薄れていくと思っていた
小6になり、中学に入り、
夢の恐怖は薄れたように思えた。
「もう成長とともに消えていったんだ」
「子どものストレスが作っただけだ」
そう言い聞かせながら、必死に日常へ戻ろうとした。
だが
薄れたのは“夢の記憶”ではなく、
僕の“警戒心”のほうだった。
徐々に普通の生活に戻っていく中で、
夢のあの赤い視界も、
見下ろされたあの瞬間も、
心の奥に沈んでいった。
でも、“終わっていない”ことに気づくまで、
あと3年しかなかった。
3年間続いた夢は、嘘みたいに途絶えた。
恐怖が終わったのに、安心はしなかった。
胸の奥にぽっかり穴が空いたようで、呼吸の仕方すら忘れそうだった。
夢が消えた翌朝、
僕は学校に行きながら、公園を覗き込んだ。
滑り台。
ブランコ。
ベンチ。
砂の色。
夕方ならもっと一致したはずの景色が、
その日はなぜか“違って”見えた。
「……ここじゃない」
夢の中の公園は、現実の公園より“詳しすぎた”。
記憶の中ではなく、明らかに誰かに“見せられた空間”のように、
完璧に配置されていた。
そのことに気づいたとき、
僕は背中を冷たい手でなぞられたように震えた。
そして思った。
夢の公園は、俺が"作った"んじゃない。
誰かが“再現して見せてきた”。
その“誰か”を名付ける言葉は、
当時の僕にはなかった。
■ 家族にも言えない「消失の意味」
夢が終わったことを、なぜか誰にも言えなかった。
母に言えば笑われるだけ。
友達に言えば、怖がられるか、ネタにされるだけ。
あの2歳上の男の子に話す勇気もなかった。
だけど、夢が消えてからも、
僕の中では“女がそこにいる気配”だけは消えなかった。
家の廊下。
学校の階段。
夜の団地の外廊下。
赤い色を見れば反応してしまう。
背後に気配がある気がして何度も振り返る。
夕方の影が伸びると、息を潜めてしまう。
夢が終わるというのは、
“安全”ではなかった。
夢という「枠組み」から出ていってしまったようで
そのほうがずっと怖かった。
■ 時間とともに薄れていくと思っていた
小6になり、中学に入り、
夢の恐怖は薄れたように思えた。
「もう成長とともに消えていったんだ」
「子どものストレスが作っただけだ」
そう言い聞かせながら、必死に日常へ戻ろうとした。
だが
薄れたのは“夢の記憶”ではなく、
僕の“警戒心”のほうだった。
徐々に普通の生活に戻っていく中で、
夢のあの赤い視界も、
見下ろされたあの瞬間も、
心の奥に沈んでいった。
でも、“終わっていない”ことに気づくまで、
あと3年しかなかった。
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