上 下
29 / 40

#29 メール

しおりを挟む
別に泣いたくて泣いてる訳じゃないのに…………





















胸の奥がグルグルする。


















「な、……ん……で………?」
















珍しく1人レッスン室でガタガタと震える里菜。























“ 気になるわよ。貴方のことが好きなんだから。”




















…………あの時の言葉がまだ忘れられない。

























涙と震えが止まらない…………


























シオン様の事なんて……………

























嫌い………
































………になったはずなのに。





























凄く……モヤモヤする。

















里菜はスマホを手に取り、メールを開き、シオン宛にメッセージを書く。



























『星堂先輩、少し大事な話があるのでレッスン室に来れますか?』






→受信しますか?




























「……………書き直そう。」





























『今日……会えますか?』






→受信しました。





















「………っえ!?どうしよう……!!送っちゃった…、…!!!!」







別に会いたいと思っていなく、ただメールを送った。

















「シオン様、メールまさか来るかな………」





























その頃、撮影スタジオで……




シオンは芸能人雑誌の表紙を飾ることになり、撮影をしている。




カメラマン「うん。いい感じだよ。ちょっと休憩しようか。」




シオン「ありがとうございます。」









1度休憩に入り、シオンはカバンからスマホを取りだした。








シオン「(メール1件?何かしら……?  ……っ!!)」





















坂口 里菜


宛先: 星堂 シオン


『今日……会えますか?』




























シオン「里菜ちゃん…………」





























『分かったわ。今日の夕方はオフで早めに帰れるから、6時…レッスン室で待っていて。』




→受信しました。




















----------------------------------------------------------








里菜は1人レッスン室で地べたに座る。




















「 はぁ…………… 」

















ため息をついて、スマホから通知が鳴る。


















「 まさか………きた………?? 」




















じーっと細目でスマホを開く。





















「きっ、きてる……………!!!!」













 














今日の夕方6時…………










ど、ど、どういう顔で会ったらいいの……!?!?!?







 


本当にどうしよう……











あの時のキスシーンの事……











話すのかな………


























胸に手を当ててみると、ドクドクドクと心音が速く感じる。
























「 ( やっぱり…私まだ好きなのかも。 ) 」
















 










教室…行かなきゃ。















もうすぐ朝礼が始まる時間だとレッスン室を出て、教室へ歩いた。
しおりを挟む

処理中です...