祓え 溝口華南

斉藤 延廣

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3章 妖の使いと死の呪い

18話

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『 死の呪い 』


 二人は謎の影を追って暗い倉庫に入る。

 気配を感じ、華南は火の玉を飛ばすと影は弾き、天井の一部が壊れる。
 日が当たり影は姿を現し、黒いマントを着た人物(ダークマン)。


華南「!!」 メタモ「!!」



 華南とメタモは攻撃するがダークマンは避け、そして高く飛ぶ。


 ダークマンを追って広い場所に来ると突然 空が暗くなる。
 そして高い場所に現れる。

 華南とメタモは警戒しながら構えるとダークマンは手を上げる。
 二人のまわりに複数体の妖。

 妖達は襲いかかり、二人は応戦。


 戦ってる途中、一瞬で下まで降りて来る。


ダークマン「 人間とはつくづく愚かな者だ、欲望にまみれればどこまでも醜い。 」


 ~ 回想 ~

 ガラの悪い男達は足下の影が絡みついて身動きが取れない。

「やめろ! やめてくれ!」
ダークマン「 こんなものにとらわれているとは、 くだらん。 」

 近くに積まれた札束に引火。
 男の一人は奇声を挙げながら黒く弾ける。

 それぞれ拘束が解け、華南とメタモが会った男は燃えた灰に向かう。
 その途中で一緒にいた仲間の男二人にはね除けられ男は倒れる。
 倒れた男の目の前で仲間の男二人は殴り合いになり、立ち上がろうとするが足がすくむ。
 互いに黒いものが飛び散っていき、やがて片方は倒れて動かなくなる。
 殴り合いで勝った男は札束の灰を手ですくうと口に頬張る。





「金うめえ!!!」





 男は大笑いすると黒く弾け飛び、倒れていた男は再び見ると足だけが残っている。

「ああああ~~~~~~!!!」

 男は恐ろしくなってダークマンの前から逃げる。


~ 回想終わり ~



「 わざわざ余が手を加えずとも、人間は人間同士で滅ぼし合うのだ。 」


 華南の脳裏にもよぎる。


 男は頭を抱える。
「 こんなことになるなら! 俺のやってたことは間違いだったって! 」

 男は目が赤くなり野獣のような姿に変わる、


 さらに別の記憶。

「 戦ってばかりのこんな日々いつまで続くんだろ。 」

 狂いながら銃を乱射
「 こんなものが! こんなものがあるから!! 」





華南「そうか・・・、 お前がリサを・・・・・・





 兵士のみんなを・・・・・・  よくも!!」



 メタモは妖達と応戦中。

メタモ「ちょっとタンマ!
 なんでこっちまで? メタモちゃんもどっちかというと  なんだけど。」
「 裏切り者め! 」
「 人間の  に成り下がったやつが! 」
メタモ「あっそう。」

 妖達は向かってきて、メタモは数発の銃弾を握ると手をライフルに変形する。

「ほら、大人しくしないとこうだぞ。」
 近くにいた妖の額を撃ち抜くと頭が弾ける。
 頭を突き破って虫のようなものが出てくる。
 虫のような頭はメタモの上半身を喰らい、メタモは液状に。

 口から片腕だけ出てくると顔に向かって思いっきり殴る。
 妖は吹き飛んで虫の部分も粉々になると消滅。
「まったく。」
 メタモは液状からそれぞれくっついて人の形に。



 華南は刀や魔力で攻撃するがかわされたり弾かれたりする。

「 なにもしてはいない、余はただ内なる感情を解き放ったまでだ。 」

 攻撃の途中で刀を手で受け止められる。

「 溝口華南、貴様の存在こそ  だ! 」

 ほかの妖達が襲ってきて華南は刀を放してしまい、ダークマンは刀を投げる。
 戦いの途中で刀を拾って応戦するとダークマンに不意を突かれる。


ドンッ!!


 華南に向かって掌底すると強い衝撃が起き、同時に服の背中部分が飛ぶ。
 華南は倒れる。


「華南!?」
 メタモは近くに来る。
「もしかして華南が死ねば、アタシは自由の身・・・?

 やったー! 」
 妖達が押し寄せる。
「・・・なんて言ってる場合じゃないか。」

 液状になると華南を巻きつけて逃げる。
 ダークマンは鼻を鳴らして見る。







 華南は薄れていた意識の中から目覚める。

「わああ~~~!!」

 頭を華南に変えてメタモは覆いかぶさっている。

メタモ「もう、華南は気づくのが遅いんだよ。」
華南「いいから離れろ!」

 華南は念じて拘束した後でメタモは半笑いで痙攣。

メタモ「相変わらず激しいんだから・・・」
華南「お前ももう少し普通に起こせないのか。

 ここは宿舎か。 メタモが運んでくれたのか。」
メタモ「まあね、前に助けてもらったこともあったしこれでチャラだから。」

 脳裏によぎる。

華南「そうだあいつ・・・!
 ほかの妖とは違う感じだったが、メタモは知らないか?」
メタモ「いや、あんなの初めて見たよ。」

 宿舎を出ようとする。

メタモ「無茶だよ今は。」
華南「こうしてる間にも、妖は人を襲ってるんだ。」



 華南とメタモは町に来て手分けして探す。

 そこら中で逃げ惑う人々。

「どうしたの?」
 メタモが声をかける前に人は逃げて行く。
「ねえちょっと。」


 華南が来たところで目の前にゆっくり歩いてくる人物。
「メタモ?」

 そこに後からやって来る。

「みんな慌ててなかなか聞けなかったよ、そしたら軍服のやつが襲ってきたって、華南のこと 」
「じゃない! じゃあ、あいつは一体・・・」



― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―


〔ドッペルゲンガー〕

実在する人物と同じ姿をした存在。
会ってしまうと不幸なことが起きてしまい最悪 命を落としてしまうケースもあり。


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―



ドッペルゲンガー(ドッペル華南)「人間は排除する。」
華南「させるか!!」

 華南とメタモは応戦し、華南は刀と魔力で戦うがすべて相殺される。

メタモ「すごい、動きまで華南そのものだ。」
華南「・・・・・・。」

 メタモはドッペル華南の中に入ろうとするが弾かれる。




 華南は戦いの末に不意を突いて切るとドッペル華南は消滅。




「!!」


 一瞬だけ激痛を感じる。

メタモ「どうしたの?」
華南「・・・なんでもない。」

 その後で町の人々も来る。

メタモ「もう祓ったから、大丈夫だよ。」

 二人に石が飛んでくる。

「 通り魔が!! 」
「 あいつを呼び寄せたんだろ!! 」
メタモ「あんまりだ! 華南はアンタ達を! 」
華南「・・・いくぞ。」

 華南は離れていき、メタモもついて行く。





 宿舎に戻り、メタモは体に入った石を取ろうとする。

 華南はシャワーを浴び、体を脱衣場でふいているときに鏡を見る。
「!? これは・・・」
 背中に黒い紋章が浮き出ている。





 暗闇の中。

「  フッフッフッフッフッフッ・・・・・・


  フッフッフッフッフッフッ・・・・・・・・  」





 ‐  つづく  ‐
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