危険な二人

斉藤 延廣

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危険な二人 ~ Bomb Girl ~

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 全体的に暗くした部屋で百人くらいの者が席に座りプロジェクターを見ている。


「〝 警察関係者及び現場班の皆さん、本日はお集まりいただいて申し訳ない。 〟」

「〝 これから見てもらう資料は、捜査班の監査に基づき国際指名手配に指定した二人の女子について紹介する。 〟」


「〝 一人目は彼女。 元々は三歳くらいに反政府組織である者たちに拉致され、その七年後、やっとのことで組織からの逃亡に成功。 しかしその組織の者たちからは体の至るところに爆弾を着けられてしまいそれぞれ異なる種類のものが仕掛けられている。 〟」

「〝 二人目は彼女。 悪の組織に捕まっていて疲労と空腹でふらついている際に組織が開発していた怪人製造機に誤って入ってしまいそこにたまたまあった不発して錆びついていた爆弾と合体してしまったそうだ。 胴体の爆弾は簡単には爆発しないが彼女の感情に影響され、大泣きしたり激おこプンプンな状態になると大爆発する可能性があるので注意が必要だ。 〟」



「〝 以上が二人の主な資料である。 どちらもかなり強力な爆弾を所有している、いや、正確には抱えさせられている。 捕獲には十分注意すること、爆発してしまった際は事故になってしまうが極力避けること、以上。 〟」




『 危険な二人 』




 爆弾の少女は組織の男達が酔って寝ている隙に逃げ出す。


「フン、どんなに逃げたって無駄だ。 俺たちの手にはあいつに仕掛けた爆弾の起爆スイッチがあるんだからな。」

 男は少女の頭にある爆弾のスイッチを押す。
 しかしスイッチは反応がない。
「あ、あれ?」
 何度もスイッチを押すがやはり反応しない。
「どうなってんだ?」

 それを隅で見ていた少女は言う。
「そうくると思ってお前らが前に寝ていた時にリモコンの電池を捨てておいたのよ。」
 そこでは簡単に一連の流れが入る。 (寝ている間に忍び込み、起爆スイッチのリモコンからボタン型の電池を抜くと水洗トイレに流す)
 男達はスイッチのリモコンの電池を確認すると何もない。
「NO~~!!」 しかも型式の文字も潰れてわかんねえよぉ

「だったら時限爆弾だ! やれ!」
「ああ!」
 男達は少女についてる胸の時限爆弾を作動させるスイッチを押す。
 しかしまた反応がない。
「?」
「おかしいな、電池は入ってるのに……」
 スイッチを持った男はセットされている電池部分を見る。 電池を外すと電池を読み取る金属部分が折れ曲がっていることを知る。
「おおぅ……」

「電池さえあればあいつを仕留められるのに。」
「もう一度電池入れ 」
 折れ曲がった金属部分にもう一度入れようとすると今度はスパークして火花が小さく飛ぶ。
「あっ!!」

「ふん、ざまあみろ。」
 少女はそういうと探し回っている男達の隅から逃げだす。

 少女は離れた場所で立ち止まる。
「いろんなところに爆弾つけられちゃった。 取れないのかなこれ?」
 頭についた爆弾を引っぱってみる。
「いてて! ダメだ、おまけに変に衝撃くわえてもヤバそうだからどうもできない・・・」



「お前、胸硬いな!」
「まな板だまな板。」
「いや、この場合鉄板だろ。」
「それにそのプロペラ何なんだよ?」
「それで飛べるのか。」
「そーらを自由に♪ とーびたーい  」
 兵隊風の少女は抑えきれなくなりそうになり大激怒しそうになった時だった。

「うわっ!」
 いじめっ子の三人目掛けてペイント弾のようなものが当たる。
「なんだよこれ!? すげえベタベタする。」
「なんか甘いぞ。」
 よく考えるとペンキではなく蜜に近い。
 その時いじめっ子達の足下に複数のアリが集まってくる。
「いてっ!!」
「何だこれ、アリだ!!」
 いじめっ子達はアリに襲われながらその場から逃げて行く。
 少女はその後でまわりから複数の視線を感じると恐ろしくなって去っていく。



 薄暗いどこかの建物内、爆弾の少女は周囲を気にしながらそろりと歩く。
 その途中で後ろ向きで歩き出す。

 兵隊風な少女は暗くなった場所でおろおろしながら歩く。
 その途中で後ろ向きに歩き出す。


[そして今、危険視されている二人が一つに・・・・・・]


 歩みよっていると二人のお尻がぶつかる。
「わあ!」 「わあ!」

「誰!? 私を捕まえに来たの!?」
「そっちこそ私をつけ狙ってるの!?」
「こっちは捕まったらヤバいやつらなの。」
「私はどこにいてもまわりから視線を感じたりするの。」
「え? 君も悪い大人に追われてるの?」
「あなたこそ、大人の人につけられてるの?」

 しばらく沈黙が続き二人は落ち着くと寄り添って隅に座り込む。

「私達って似たもの同士なのかな?」
「そうだね、大人の人ってなに考えてるか分からないし。」
「どうせ自分達にとって都合のいいことしか考えてないよ、私のまわりのやつらもそうだったし。」
「私だって気がついたらストーカーされてる。」
「こんな境遇、私だけかと思ってた。」
「私もあなたと仲良くなれるような気がする。」
「なら友達になろう。 私はハコ・ボラム。」
「ハコ・ボラム?」
「この言葉の意味よく知らないんだけど、私 名前で呼ばれたことないからな。 君は?」
「私? あれ、なんだっけ? 思いだせない。」
「ならつけてあげる。
 爆弾、じゃあ私も一緒だからな。 核爆弾、いやなんか違うな。 これなんて言うんだっけ?」
 ハコは少女の錆びついた体をさわる。
「ただの爆弾じゃなくて・・・、
 あ そうだ、“ 不発弾 ”だ。 不発弾ちゃん。」
「それってなんかおかしくない?」
「いいじゃない、本当の名前を思い出せるまで。」
「・・・そう?」

「誰かいるのか?」
 外で戸を叩きながら男の声。
 二人は驚く。
「ここにいたらまずい、不発弾ちゃん逃げよ。」
「うん。」

 戸を開けて光りが差し込む。 警官の男が三人。
「おかしいな、声がしたような気がしたんだが。」

 裏口から木造建ての小さな小屋を後にするハコと不発弾ちゃん。
「これからどうするの?」
「さあ、まあどこか落ち着けるところまで行こ。」



[こうして偶然か運命か、出会った二人の危険な少女達は宛もなくさすらうのだった。]



‐  終わり  ‐
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