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1章
8話 村急襲
しおりを挟む和歌太郎は新たに得た"丈夫な服"(ただの作業服)に着替え、村の方向へと進む。
途中魔物との戦闘はあったが、剣術のスキルにより危なげなく撃破。
「うーん、精神耐性のスキルか、それとも慣れなのか?まだこの世界に来て数時間だけどかなり慣れてきたね」
剣を自身のスキルで研ぎながら呟く。
ちなみに数時間で魔物が居て、殺し殺されるデスゲームに慣れる事はあり得ない。例え"精神耐性"のスキルを得てもである。
「えーと、もう少しなんだけどなぁ……うん??」
急に和歌太郎は立ち止まり、耳を澄まし始めた。
「悲鳴?と焦げた臭い!村の方向からだ!」
和歌太郎は犬人族の身体能力を最大限に使い、村の方向へと林を駆け抜けていく。
すると近づくにつれ、黒っぽい煙が立ち上がっているのが見えてきた。
「更に血の臭いも……一体何が…」
強くなる血の臭いに警戒心を高めつつ、ついに林を抜けた。
視界に写る村
「なっ!あれはゴブリン!」
和歌太郎が初めに倒したゴブリンが約20体
村の門を破り、侵入していた。
村の中では、村人が戦っているが防戦一方、あちらこちらで被害が出ている。
「よし、殺す!」
決断は一瞬であった。
剣を異次元BOXから取り出し、村へ駆け抜けようとした時
視界にポップアウト表示が現れた。
------------------
【クエスト】
○エニ村を救え
クリア条件:ゴブリン19体、ホブゴブリン1体の討伐
------------------
「なるほど、村救出イベント……ゲームの時はなんとも思わなかったが現実だといい気がしないね!一瞬で終わらせる!」
村の門へと駆け出す。その速度は当初の和歌太郎とは比較にならない程速い。犬人族の肉体を余す事なく使いこなしているのだ。
(まずは1体目!)
門の近くにいたゴブリンの首をすれ違い様に一閃
金属加工のスキルにより研ぎ澄まされた剣はゴブリンの肉体を容易く切り裂く
そのまま和歌太郎は止まらず、2体、3体目と連続で切り裂いていく。
発達した五感が和歌太郎に的確に敵の位置を知らせる。
故に死角はなし
視線を向けず背後の敵を斬る。
(4体目)
すると強い乱入者に気づいたのか。村にいたゴブリンの敵意が和歌太郎に集中する。
「ギャギャギャーー!」
すると、その中でも一際大きな体格を持つゴブリンが巨大なハンマーを和歌太郎に向け叫ぶ。
「「「「ギャー!」」」
一斉にゴブリン達が和歌太郎の方へと向かってくる。
(あの大きいやつがホブゴブリンか。群れの統率者ってわけだね。あの数は厄介だし使おう!)
和歌太郎はニヤリと笑い異次元BOXから何かを取り出し投げた。
「くらえ!チクチク玉」
チクチク玉と名付けられたそれは撒菱であった。
100個はあるピンポン玉程度のチクチク玉がゴブリン達の進路に転がる。
「「「ギャァ~~」」」
ゴブリン達から上がる悲鳴。
彼らは靴なんてものは履いていない。故に効果は覿面であった。
(うわぁ~痛そう!でも作っといて正解だったね!)
このチクチク玉は和歌太郎が使わない武器を"切削"と"研磨"で作成したものである。
「よーし、卑怯だけど許してね!」
足が止まった隙にゴブリン達を片っ端から倒していく。
数が多くとも動けないゴブリンは和歌太郎の敵ではなく、数秒後には全滅した。
取り残されたのはゴブリンの群れの統率者"ホブゴブリン"
一体のみであった。
「ギャギャギャァァ」
"ドンッ"
ホブゴブリンは空へと怒りの咆哮を上げ、地面を巨大なハンマーで殴りつける。
あまりの威力に僅かに地面が振動する。
(あれは喰らったら即死だね
ーーでも食らわなければ問題ない)
和歌太郎は、ホブゴブリンの方へと突っ込んでいく。
トップ速度で懐に一気に接近。
しかし
「ギャギャ」
ボブゴブリンはニヤリと笑い、巨大なハンマーを和歌太郎の脳天に向け、振り下ろす。
タイミングは完全にあっている。
勝利を確信するホブゴブリン
(残念、俺の勝ちだよ!)
更に一歩を踏み込み加速!ホブゴブリンのハンマーの柄部分に触れ
「"曲げ"」
ハンマー部分が曲がり、和歌太郎の避けて真横ギリギリに振り下ろされる。
ハンマー振り下ろし無防備になったホブゴブリン
「--終わりだよ」
その首に剣を一閃し勝敗が決着した。
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