偽物お嬢様と本物お嬢様

如月花恋

文字の大きさ
18 / 44
番外編 子供

4

しおりを挟む
「…キュン。詩乃渡してくれる?」
「はい。」
キュンはそうっと私に詩乃を渡した。
「詩乃。お姫様にはとびっきりのおまじないをかけてあげるわ。」
私は詩乃の額と自分の額を合わせた。
「詩乃に厄がかかりませんように…これ昔お母さんが私にやってくれてたんだ。詩乃にも効くといいんだけど…」
「きっと効きますよ。」
キュンはそう言って詩乃を抱き上げた。
「そろそろミルクの時間ですね。」
「あっ私やりたい!!」
「大丈夫ですか?」
「それぐらい大丈夫よ。」
「ではミルクの用意してきますね。」
キュンは私に詩乃を渡すと急いで詩乃の部屋へ向かった。
「詩乃~ミルクの時間だからね~」
「う~」
詩乃はまだう~としか言わない。
「もっと他の言葉も喋れるようになるもんね。」
私は詩乃を撫でた。
「リリエンヌ様。ミルクの用意出来ましたよ。」
私はキュンに教えてもらいながら詩乃にミルクをあげた。
「本当は自分でやりたかったんだけどな…」
「仕方ありません。王妃となるのでこれから忙しくなりますよ?」
「え…」
私は持っていたミルクを落としそうになった。
「う~う~」
「あっ詩乃ごめん。」
私は詩乃がミルクを飲み終わったことを知り背中を叩いてゲップをさせた。
「けぷ…」
「上手に出来ましたね。」
「リリエンヌ様。後はお任せ下さい。そろそろ会議も終わると思うので王子様も帰ってきますよ。」
「…詩乃は早く部屋に戻して。」
キュンが詩乃を抱いて部屋に戻った頃輝が帰ってきた。
「リー!!詩乃は!?」
「…もう部屋に行かせたわ。輝が抱いたら起こしちゃう。」
「起こさない。だから抱かせてくれ。」
「嫌よ。キュンがいるから詩乃はそっちに任せてあるの。」
「…ちっ。」
「舌打ちしないの。」
私は輝に抱きついてみた。
「詩乃はダメだけど私ならいいわよ?」
「…違う意味でも?」
「そっちはダメ!!」
私は輝から離れようとしたが輝が抱きついていて離れれない。
「なぁ"私ならいい"ってそういう意味だよな?」
「違う!!」
「俺は詩乃とアイを平等に愛すって約束したからな。これも一種の愛情表現だぜ?」
「…そうだけど…」
私の力が抜けたのを見ると輝は私を押し倒した。
「やんないからね!!」
「…いいや。やるぜ?人払いも済ませてあるしな。」
「こういう時だけ仕事が早いんだから…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「う~」
「…詩乃が呼んでる。」
私は輝をどけ服を着直した。
「…詩乃に邪魔された…後もう少しだったのに…」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。輝も早く服着て。」
「…はいよ。」
私は詩乃の部屋へ入った。
「キュン。詩乃が呼んでたんだけど何?」
「う~」
「あリリエンヌ様。なぜだか詩乃様がそちらの部屋に行こうとしてるんですよ。ゲートがあるので行けませんが…」
「詩乃?何?母様を呼んでたの?」
私はゲートの中に入り詩乃を抱き上げた。
「う~」
「…詩乃。母様は忙しいのよ?」
「う~」
「あぁでも可愛いから許す!!」
私は詩乃を抱きしめた。
「詩乃はこのお部屋でキュンと遊んでてね?」
「あう~」
「"あ"も入ったわね。そのまま言葉をちょっとずつ覚えてね。母様達は詩乃とおしゃべりするのを楽しみにしてるわ。じゃあキュン。後はよろしくね。」
私はキュンに詩乃を預け部屋に戻った。
「で?なんだったんだ?」
「単に会いたかっただけみたいね。」
「じゃあ続きやるか。」
「えっちょ…」

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

地味令嬢が幸せになるまで

篠月珪霞
恋愛
タイトルまま

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...