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「…本当にこれだけでいいのか?」
「…えぇ。だってこれ…物凄く簡単なことよ」
「両の手で足りないものはこうやって解く。これが基本」
…まぁこれ8歳児がやる内容だし。
私達はまだ6歳なんだから出来なくても仕方ないって言おうとしたのに…2人とも優秀すぎでしょ。
はぁと私はため息をついた。
2人に教えたのは筆算と九九。
九九はカードを作って渡した。
ただそれだけなのに…
「なんで1週間で覚えちゃうの!?」
「こんな81パターンの数字の羅列なんて覚えるの簡単だろ」
「同感ね」
よし、これからはもう誰にも九九も筆算も教えない。
私だけの専売特許…にならないか。
「まぁ…これで私が普通にやっても目立たなくなるっ!!のでリーシャ様!!成績上げてくださいね!!」
「お前は日頃から本気でやれ」
…無理。
やった瞬間にみんなに目をつけら…もうつけられてるか。
でもあんまし目立ちたくないし。
「私の目標はあんまり目立たず地味ーな学園生活を送ることですからっ!!」
「無理だな」
「無理ね」
…なぜ!!
「だってわたくしがこんなに誰かに惹かれるだなんてありませんでしたもの」
「お嬢様はほぼ笑顔で流してましたっけ」
「…あ…魅了のせいだ…」
「あら。…おかしいわね。おかしな術にはかからないように日頃から魔力を練ることだけは怠らなかったのに」
「私のやつは逆なんでっ!!私より魔力量の多い人に発動するみたいです!!ちなみに上限は200です!!」
「…それお前が努力しねぇと被害者増えるぞ。…あぶね、俺198だ。…もう少しでこんなのに惹かれるところだった」
こんなのとはなんだっ!!
パパはいつも自慢の娘だって言ってくれるんだぞ!!
その後に何か反応を返すと顔中にキスの雨が降ってくるけど。
「んじゃ、私は授業行くんでここまでで」
「…次ってなんだっけ?」
「魔法。しかも実践のほう」
「…マジか。先に予習しねぇとやばいかもな」
私は想像するだけだもーん。
1回発動した魔法を見ればその写真やら映像を頭に流すだけでしょ?
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