人形姫に愛情を

如月花恋

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「ん…にゃ…」
「エリーナ様。起きてください」
「まだ…後5分…」
「5分前にも仰ってましたよね?起きてください」
私は…朝が弱い。
なかなか起きれなくてシロにいつも迷惑かける
「エリーナ様。朝食の時間です」
「…にゃ…」
私はなんとか起き上がった。
そして欠伸をした。
「はしたないですよ?」
「んにゃ…シロ~私のお洋服は~?」
「こちらです」
私はモタモタとしながらもシロに手伝ってもらってなんとか着た。
そして顔を洗ったり髪をといたりしているうちにやっと目が覚めてきた。
「あ…シロ。クロ」
「「はい?」」
「おはよっ」
「おはようございます」
「おはようございますエリーナ様。もう少し早く起きてくださると嬉しいのですが…」
「私に早く起きるのは無理…」
正直後1時間ぐらい寝ていたかった…
「では行きましょう」
私はシロとクロに連れられて食堂へ向かった。
「おはようございます。お父様。お義母様方。パネラお姉様。シオンお兄様」
「おはよう。エリーナ。早く席につきな」
「はいお父様」
…また私が最後か
何か言われるかな
私はドキドキしながら席についた。
といっても私は背が低くて1人じゃ椅子にも座れない。
だからクロに抱き上げてもらって座らせてもらった。
「全員揃ったことだしいただこう」
お父様の合図で朝食を食べ始めた。
私はいつものようにスープを飲んでいた。
あれ?
ボーッとしてき…た…
「エリーナ様?」
「クロ…」
私はクロにもたれ掛かった。
多分…毒が入ってたんだと思う
毒味役の子は大丈夫だったかな…
「エリーナ様。またですか?」
「シロ…ごめんなさい…」
「いえ。私共が毒味役から貰ってくるべきでしたね」
「私共の落ち度です」
「耐性は…あるから…そこまで酷くはないと思うけど…」
「手足の痺れ…といったところでしょうか」
私はクロに抱き上げられた。
「国王様。エリーナ様の手当てのため失礼致します」
「…頼む」
「行きましょう。エリーナ様」
私はクロに抱かれ部屋に戻った。
皆で食べる時だけに毒が入れられる。
まぁ…お部屋で食べる時はシロとクロが作ってくれてるからなんだけど…
「エリーナ様。これから朝食はお断りいたしましょうか?」
「…お父様には…悪いけど…そうする」
ここまで頻繁に毒を入れられてはたまんないもの
「では本日も私共が腕を奮いましょう」
「シロ。楽しみにしてる」
料理長の料理は美味しいんだけど…
いつもビクビクしながら食べないといけないから…
怖い
私は小さい時から命を狙われ続けた。
毒だったり暗殺者だったり…
大体は未遂で終わったのだが1回だけ…
耐性を持っていない毒だったため高熱を出して寝込んだことがある
あの時は…本当に死んじゃうのかなって思った
お母様と離れたくない…
「エリーナ様。大丈夫ですよ。私共がお守りいたします」
私はいつの間にか泣いていたようでクロにハンカチで涙を拭いてもらっていた。
「クロ…いつ動けると思う?」
「癒しも行いましたから数分で動けるようになると思いますよ」
「それにしてもなんでエリーナ様ばっかり狙うのかしら!!しかも手段を選ばずって!!」
「シロ…落ち着いて」
「落ち着いていられません!!今月に入ってもう10回目ですよ!?エリーナ様が何をしたって言うのよ!!」
「…私がしたんじゃなくて私の存在自体が…ダメなんだと思うの…」
「エリーナ様…」
「側妃…しかも平民から生まれた私だから…」
「エリーナ様。エリーナ様は誰にも負けないほどの美貌をお持ちなので恨まれているのでは?」
「…クロ…それは無いわ…」
私はクロの冗談が少し嬉しかった。
私の心配を取り除くために言ってくれたのね
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