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東郷さんに会いました

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「…なんでこんなことに?」
私は暗い部屋で柱に括りつけられていた。
え~っと…確か…。

数時間前…
「熱はなしっ!!特に予定もなし!!学校行こう!!」
「千夏。微熱だと『熱はなし』とは言えないわよ」
「ママっ!!そこは黙ってて!!」
「…はぁ。まぁ…37度1分なら…様子見ね」
「行ってもいいよね!!」
「…辛くなったらすぐに春斗くん達に言うのよ?」
「分かったっ!!」
やった!!
ここのところ行けてなかったもん!!
「行ってきます!!」
「ご飯食べなさい」
…お腹すいてないもん。
「春斗くん達が心配するわよ?」
「はぁい…」
まぁ…デザート系だけ食べればいっか。
私は席につくとスプーンを手に取った。
「ちなちゃん。ちゃんとお野菜も取る!!」
「いらない。お腹すいてないし」
私はヨーグルトを手に取ると口に運んだ。
うん…美味しい。
「ちなお姉ちゃん。今日も全然食べないの?体もたないよ?」
「今までこれでやってこれたんだから平気。それに私皆よりも運動してるんだよ?」
「ただ走ってるだけだけどな」
「うるさいっ!!」
「栄養失調で倒れちゃうよ」
「サプリがある!!」
私はカバンをさばくってサプリを出した。
「没収」
「あ~!!私の元気の素が!!」
「…サプリで本当に栄養を補えると思ってるの?」
「うん」
「「「…はぁ」」」
3兄弟全員にため息つかれたんですけど!!
「いいもん!!ご飯は美味しいけどお腹がすいていなければ食べられないもん!!」
「…何なら食べれる?」
「ヨーグルトとかゼリーとか…あとシリアル?」
「…ドライフルーツとか入れるか…」
「かしこまりました」
え?
…料理…人?
私は首を傾げ……その裏にある時計を見て焦った。
「ふぇ!?8時40分!?なんで皆焦らないの!?」
「基本僕達はもう単位も取り終えてるし自由登校でいいんだよ」
「今まではただちなに合わせてただけだしな」
「行くも行かないも自由。僕はもう高等部を卒業後留学しませんかって大学からの案内も来たからね~」
「わお…というか私はダメじゃん!!昴お兄ちゃんに怒られる!!あの説教だけは勘弁してよ!!」
私は慌ててカバンを引っ掴んだ。
「あ。今日はその前に仕事場寄るって言っておいたんだった」
なら大丈…ばない!!
「今日は挿し絵を見るんだった…よね?その時間は…10時からで…」
…今から電車乗れば間に合う!!
ついでにどっかでパフェ食べようっ!!
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