へぇ｡美的感覚が違うんですか｡なら私は結婚しなくてすみそうですね｡え？求婚ですか？ご遠慮します

本編

7

え～と
領地に留まることが決定したティアちゃんです
さぁ…どうしましょう
お母様が私の武器を選んでいるのですが…
｢ティアは体が小さいもの｡得物も小さい方がいいかしら｡でも重いのもダメね｡ティアが持てるとは思えないわ｣
…ふむ
1歳児が武器を持つ必要性とは…？
私はお母様の近くに近寄った｡
｢ティア｡ダメよ｡刃があるからまだ危ないわ｣
その危ないものを娘の前に広げているのは誰なんでしょうか…？
｢奥様｡これなんてどうでしょう｣
｢ナイフね｡いいわね｡確か他にもあったはずよ｡持ってきなさい｣
｢かしこまりました｣
メイドが数人部屋を出ていった｡
｢奥様｡魔法銃はいかがでしょう｣
｢扱いが難しいのよね…それ｣
｢そう…ですよね｣
…何？
銃？
一応前世では割と射的とか得意だったよ？
私ははいはいでそっと近寄り銃を手に取った｡
死ぬ前にも見たけど…
多分安全を守るためのものがついている…かな
私は銃を構えた｡
腕じゃずっと構えていられないからクッションを支えにしてるけど｡
…遠くに誰もいないね
｢…っ!!お嬢様!!｣
｢ティア!!｣
私は引き金を引いた｡
すると小さな光が高速で射出され庭の木に当たって弾けた｡
…こうなるんだ
｢ダメでしょ!!触っちゃダメと言ったはずよ!!｣
｢…っ!!｣
怒られた!!
ちゃんと人に当ててないのに怒られた!!
｢…ごめんなさい｡強く叱っちゃったわね｡びっくりしたでしょう？｣
私は声をあげずに泣いた｡
｢泣いている時でも声をあげないのね…ごめんなさい…ママが不甲斐ないばかりに…あなたを完全な女の子にしてあげられなくて…｣
…え？
そんなことないよ？
ちゃんとご飯をくれるし叩かないし
寝る場所もくれる
最高の母親だと思うよ？
私はお母様の胸にしがみついた｡
なぜなら他の場所は届かないからだ!!
とりあえず目の前にあったから抱きついた!!
｢なぁに…？お腹空いたの…？1歳にもなってまだミルクがいいの？｣
いや違う!!
断じて違う!!
｢…ママ…まだ出るかしら｣
違うんだってば～!!
私は首を横に振った｡
｢…イヤイヤ期かしら？｣
｢そうですね…もう1歳半ですし…イヤイヤ期に入ってもおかしくはないでしょう｣
｢…余計分かりにくくなるわね｣
｢そうですね…したいと思ってもイヤイヤをし､したくなくてもイヤイヤをしますからね｣
なんでメイドはイヤイヤ期を知ってるの！？
そして私はイヤイヤ期じゃないから!!