へぇ。美的感覚が違うんですか。なら私は結婚しなくてすみそうですね。え?求婚ですか?ご遠慮します

如月花恋

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本編

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私はリュゼリオ殿下が来るまでレンとリズに魔法を教えていた。
最近気づいたのだが孤児の中にも魔法の才能を持った子がいるのだ。
私はその子達に治癒魔法を教えようとしていた。
「レン。リズ。あなた達は双子よね?」
「「うん」」
…だからかな
私は2人の前に出現したステイタス画面を眺めていた。
HP、MP、レベル…全て一緒
1コンマの狂いもない
「…魔法の才能は…あるね」
2人の魔力は全属性に適していた。
「…さて。今日は私の使う治癒魔法を教えるね」
「「治癒師様の魔法?」」
「そう。でも勘違いしないで。治癒魔法は傷を癒すだけ。病気を治すことは出来ないの。だからうちでは病気を治してほしいという人はお断りしている…分かる?」
「「うん!!」」
私は2人の前で少し指を切った。
「この傷を癒してみて」
「「…」」
「大丈夫よ。上手くできなくても私が治すから」
「「…うん」」
2人は私の指に手をかざし教えた通りに傷を癒した。
成功したのだ。
「凄い!!サナ様と同じ治癒魔法を使える子がいるなんて!!」
「…これで後継者はなんとかなるね」
私は小声でそう呟いた。
私は前からあることを考えていた。
…リュゼリオ殿下から逃げるために国を出る
…うん
絶対出る
「ティア~遅れた。ごめんね」
「殿下。遅かったですね」
「…敬語じゃなくていいのに。可愛い僕のティア」
「殿下のじゃないです。小さい子の前ですから甘々はやめてください」
「…子供…?」
殿下は私の後ろにいたレンとリズを見た。
「…孤児?…いや…それにしては綺麗な服…」
「服は私があげましたけど何か?」
「…孤児院の子?読み書きは?計算は?」
「出来ます。魔法の才能もありますよ」
「…将来的にいい仕事につけるといいね」
リュゼリオ殿下はレン達を撫でた。
「じゃあそのために殿下がこの国を変えないといけませんね」
「…え?」
殿下は首を傾げた。
それを見て私も首を傾げた。
「だって貴族は平民からお金を取るでしょう?」
「税金だね」
「そのお金で贅沢をしているんですから。それを変えないと」
「…どうして?」
「え?」
「貴族がお金を使うから平民は仕事が成り立つ」
…うん
それは知ってるけど
「税金の取りすぎをしている貴族には罰を与えませんと」
「…確かに」
「じゃあ殿下。頑張ってくださいね」
私はにっこりと笑った。
「ていっ!!」
そして魔術籠をぶん投げた。
案の定壁に当たった魔術籠は砕けた。
「ティア!?」
「お…サナ様!?」
…マナよ
お嬢様と言いかけたな
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