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告白作戦

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「シャルロッテ嬢。この僕と婚約していただけますか?」
「…いえ…あの…少しお待ちください…」
ん?
婚約?
付き合うはずじゃなかった?
「…シャルロッテ嬢…お父様からの命令だ…責任を取って妻にしろだそうだ。何でそんなことを言われたか理由分かる?」
アル様は小声でそう言ってきた。
「あ…昨日…お父様にアル様のことを書いた手紙を送りました…」
「それで昨日言われたのか…シャルロッテ嬢。どうする?僕の推測が正しいとすると僕達の両親は僕達がくっつくことを望んでいるということだ…」
「えっと…お受け致します。ふつつか者ですが…末永くよろしくおねがいします」
わぁと歓声が上がった。
な…なんとかこの場は収まった…
「こちらこそよろしく。シャルロッテ嬢」
チュ
アル様は私の頬にキスをした。
マセガキ
…………………………倒れてもいい?
「アル様…」
「ん?」
「倒れていいですか…」
「え?…あ…魔力…」
「忘れてましたね…困りますよ…薬…先生に取られたままなんですから…」
「じゃあ医務室行こっか。よっと」
アル様はまた私を抱き上げた。
…まぁ今回は仕方ない
アル様の魔力…多すぎ
立っているのがやっと…って…
「…ごめんね。キスでも魔力が移るとは思わなかったんだ」
「私だけが…例外です。色々と魔力を吸収するみたいで…」
「こうやって触ってても?」
「これはいいんです。コーティングが薄い所に触れると…吸収するみたいです。ちょっと…コーティング外しますね…」
私は自分でコーティングを外した。
これで魔力はダダ漏れ…
"ご飯!!"
精霊が集まってきちゃった…
「うぅ…」
「シャルロッテ嬢?」
「吸わないでぇ…風の精霊…今だけは…血は…やめて…」
「まさか精霊?」
アル様は急にスピードを上げた。
そして医務室に着くなり先生に声もかけずベットに私を寝かした。
「俺に挨拶なしか?」
「それどころじゃない。先生。薬。シャルロッテ嬢の薬貸して」
「うぅ…精霊…さん…吸いすぎぃ…私…の…魔力…が…」
「シャルロッテ嬢。薬。飲める?」
「アル様…飲め…ます…」
私はなんとか起き上がって薬を飲み込んだ。
それでも精霊達は私の魔力を吸うことをやめなかった。
「あぁ!!もうやめて!!やめて!!」
「シャルロッテ嬢!?」
「嫌…嫌…早く…行ってよ…もう吸わないで…」
自分の中の魔力がどんどん無くなっていくのが分かった。
「アル。どけ。回復魔法エキスパートヒール
「うぐ…」
私は先生に回復魔法をかけられ大量の魔力を体の中に取り入れることとなった。
「…はぁ…はぁ…」
"あ…ごめんなさい…"
「精霊…さん…も…やめて…死んじゃう…」
"ごめんなさい…美味しそうだったから…皆集まっちゃって…"
私はなんと全属性の精霊から吸われていたのだ。
血や魔力
色々な物を
「シャルロッテ嬢…落ち着いたみたいだね…よかった…」
「焦った…エキスパートヒールが効かなかったら…俺に出来ることは何もないからな。というかこの国に何かしてやれるものはいないだろ」
「…ありがとうございました…ご迷惑おかけしました」
私は2人に頭を下げた。
なんか…この2人には迷惑もかけられるし…お世話にもなってる気がする…
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