異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

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最終章

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 斬っても斬っても次から次へと襲撃してくる盗賊たちに、アレクの体力は徐々に削がれ始めていた。

「敵は1人!こやつさえ殺せば終わる」

「「「「おーーーーーーーっ!!」」」」

 盗賊たちの狙いは王女と金品…では無く、誰かから依頼されアレクの命を狙って居たのだ。

(ったく…又かよ)

 前回、狙われていたのはアリアだったが、今回は自分と何度も襲撃を受けてしまえば、うんざりするのも仕方ない。

 数十人vs3人…普通に考えれば盗賊の方が有利。

 しかしアレクが居るだけで3人の方が優勢なのだ。

 有利に進めてると言ってもアレクの体力は、無尽蔵にある訳では無い。

 右腕が上がらなくなり始め、防戦一方となって行く。

「今が好機だ!かかれー!!」「おう!!」

「くっ…(バルトは未だか?!)」


 * * * *

 王都からアレクが居る場所へ集団を引率しつつ戻るバルトの目に、体力的に疲れてしまったアレクが見えて来た。

「アレクぅーーーーーーーーーーーっ!!
 今たすけるからなっ」

 形勢逆転、バルトと一緒に来た騎士団が全ての盗賊を殲滅して行き、アレクを殺さんとして居た主犯格は依頼主を「吐かせる為」に生け捕りにし、残りは全滅させる事に成功した。

「大丈夫か?アレク」

「・・・…何とか…間に合った…みたいだ…」

 大きな怪我では無いが腕や足のアチコチに切り傷を負っている様子が伺え、終始「痛い」と喚いてた護衛は、騎士団長の顔を見た瞬間に顔面蒼白となった。

「お前は姫様の護衛として追随して居たのでは無かったかな?」

「・・・っ・・・そのっ・・・」

「護衛として追随して居たにも関わらず、
 何をして居たのかな?」

「・・・・・・何も・・・しません・・・でした・・・」

「本来なら姫様たちは安全で有る野営地で一泊し、
 王都へ戻って来られる筈で有ったな?」

「・・・はい・・・」

 脂汗を流しながらも団長の質問に答える護衛騎士。

 その間、アレクは簡単に治療を騎士団から受けていた。

「で?お前はのかな?」

 バルトが「何をして居たのか」を密告しようと口を開きかけたが、アレクに視線で止められ、何を考えているか即座に把握したのだ。

(アレクに嫌がらせをしたって言い付けて…ん?
 言うなってアレクから視線が来たが…
 なるほど、騎士団長様からの追求に耐えられないと見たんだな)

(バルト、密告するなよ?
 そいつは騎士団長からの追求からは逃れられん)

「っ・・・」

「・・・答えろ」

「・・・…」

「答えぬつもりか…。
 良いだろう、お前の護衛任務は完遂してないと報告を入れ
 護衛騎士から除・・・「ま、待ってくれっ…!」」

「何だ?」

 真っ青になりながらも自分が何をして居たかを白状した護衛騎士は結局、護衛騎士としての身分を失う事となったのは言うまでも無い
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