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最終章
90(完)
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* * * *
半年後・・・ヴィクトリア王城内に建設されて居る教会で、アレクとグレースの婚姻式が執り行われようとしていた。
「これよりギルヴィア王国、第二王子アレクシス・デ・ギルヴィア様と
ヴィクトリア第五王女グレース・ファン・ヴィクトリア様の婚姻式を執り行います」
ヴィクトリア側の王族と貴族そしてギルヴィア王国から代表としてライとシアが参列して居る。
「アレクシス様、グレース様のご入場です」
入り口の扉が左右に開かれ、ヴィクトリアの正装に身を包んだアレクとグレースが静かな教会へと入って行く。
ざわっ・・・
2人、並んで居る姿を見たアレク反対派の貴族たちは、反対の異を唱えるつもりでいたにも関わらず、その言葉を飲み込んでしまう程に凛とした佇まい、気品に満ちたオーラ。
グレースをエスコートする姿は、まるで初めから婚約者として接して居たかの如く洗練されているのだ。
(何て素晴らしい王子様でしょう)(本当に元平民なのか?!)
(これでは反対などと言えぬではないか)
何か有ってからでは遅い為、護衛騎士や近衛兵が見守って居て、称賛を受けて居るアレクを自慢げにバルトが見つめている。
(あいつの努力を見せてやりてぇよ。
厳しく教えられながらも吸収して行く様は、
誰も真似など出来ないだろうな)
歩き方からエスコートの仕方、挨拶の仕方、礼の仕方・・・様々な礼儀作法を叩き込まれて居るアレクを見ていたバルトは、その大変さを理解している。
「グレース・ファン・ヴィクトリア王女殿下と
アレクシス・デ・ギルヴィア第二王子殿下との婚姻を認める事とする」
婚姻が正式に認められ、アレクはグレースに優しい微笑みを向け、見つめ
「グレース姫、結婚式まで1年…
長いと感じられましょうが私と共にヴィクトリアを支える一員になれるよう
努力して行きましょう」
と王籍から離脱し、公爵となり王家を支える一角を担う覚悟を宣言した。
「アレクシス様、勿論に御座います」
「なお、アレクシス殿下とグレース殿下は王位継承権を放棄し、
公爵へとなり王家を支える事が決定した。
よって新たなる家名は1年後までに知らせる事となる」
王家の末裔だと将来的に言われる家名を決めなければならない為、厳選して今居る公爵と重ならないよう考え出さなければならない。
故に1年の猶予を持たせたのだ。
「これにて婚姻式を終了する」
アレクとグレースが式場から出て行き、入り口で参列してくれた人々からの祝福を受ける事となっている。
その為、入り口にバルトと近衛兵が暗殺されないよう見張る為、動いた。
「アレクシス殿下、グレース殿下おめでとうございます」
「「有難う御座います」」
次々と言葉を掛け、ライとシアがやってきた。
「アレクおめでとう」
「兄上、有難う御座います」
「グレースおめでとう」
「有難う御座います姉さま」
「新しく爵位を貰う事となり、
領地運営を担って行く事となったか」
「はい、
グレースと婚姻すると決めた時より勉強は始めております」
「そうか…幸せにな」
アレクの半生は波乱に満ちて居たが、これから先は幸福で穏やかな日々が待ち受けてくれる事を切に願うライだった(完)
と言いつつ「あとがき」が有ったりする
半年後・・・ヴィクトリア王城内に建設されて居る教会で、アレクとグレースの婚姻式が執り行われようとしていた。
「これよりギルヴィア王国、第二王子アレクシス・デ・ギルヴィア様と
ヴィクトリア第五王女グレース・ファン・ヴィクトリア様の婚姻式を執り行います」
ヴィクトリア側の王族と貴族そしてギルヴィア王国から代表としてライとシアが参列して居る。
「アレクシス様、グレース様のご入場です」
入り口の扉が左右に開かれ、ヴィクトリアの正装に身を包んだアレクとグレースが静かな教会へと入って行く。
ざわっ・・・
2人、並んで居る姿を見たアレク反対派の貴族たちは、反対の異を唱えるつもりでいたにも関わらず、その言葉を飲み込んでしまう程に凛とした佇まい、気品に満ちたオーラ。
グレースをエスコートする姿は、まるで初めから婚約者として接して居たかの如く洗練されているのだ。
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(あいつの努力を見せてやりてぇよ。
厳しく教えられながらも吸収して行く様は、
誰も真似など出来ないだろうな)
歩き方からエスコートの仕方、挨拶の仕方、礼の仕方・・・様々な礼儀作法を叩き込まれて居るアレクを見ていたバルトは、その大変さを理解している。
「グレース・ファン・ヴィクトリア王女殿下と
アレクシス・デ・ギルヴィア第二王子殿下との婚姻を認める事とする」
婚姻が正式に認められ、アレクはグレースに優しい微笑みを向け、見つめ
「グレース姫、結婚式まで1年…
長いと感じられましょうが私と共にヴィクトリアを支える一員になれるよう
努力して行きましょう」
と王籍から離脱し、公爵となり王家を支える一角を担う覚悟を宣言した。
「アレクシス様、勿論に御座います」
「なお、アレクシス殿下とグレース殿下は王位継承権を放棄し、
公爵へとなり王家を支える事が決定した。
よって新たなる家名は1年後までに知らせる事となる」
王家の末裔だと将来的に言われる家名を決めなければならない為、厳選して今居る公爵と重ならないよう考え出さなければならない。
故に1年の猶予を持たせたのだ。
「これにて婚姻式を終了する」
アレクとグレースが式場から出て行き、入り口で参列してくれた人々からの祝福を受ける事となっている。
その為、入り口にバルトと近衛兵が暗殺されないよう見張る為、動いた。
「アレクシス殿下、グレース殿下おめでとうございます」
「「有難う御座います」」
次々と言葉を掛け、ライとシアがやってきた。
「アレクおめでとう」
「兄上、有難う御座います」
「グレースおめでとう」
「有難う御座います姉さま」
「新しく爵位を貰う事となり、
領地運営を担って行く事となったか」
「はい、
グレースと婚姻すると決めた時より勉強は始めております」
「そうか…幸せにな」
アレクの半生は波乱に満ちて居たが、これから先は幸福で穏やかな日々が待ち受けてくれる事を切に願うライだった(完)
と言いつつ「あとがき」が有ったりする
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