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2 学園編
51 脅迫状と気晴らし
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「デテ行け」
「シネ」
「辞退シロ」
「ニセセイジョ」
「ダマサレナイゾ」
毎日執拗に来るDM。というかもしかして脅迫状?いやがらせ?
私はため息をつくと脅迫状を箱に突っ込んだ。
もう少しまとまったら、相談するか。
今はまだなんとなく、知られたくない。
多分、嫌がらせを受けている事実を認めたくない。
でも、この脅迫状まがいの手紙は、届くたびに私の気持ちを暗くする。
機会を見て、セオドアにでも言おっかな。
入学してからしばらく経ち、私の生活もだいぶ落ち着いてきた。
王太子とはあれからもやっぱり滅多に会わないけど、形だけの婚約者なんてこんなもんだよね。
「私に言え」とか言ってたけど、連絡手段すらない。
隣の部屋だけど、当然、続き部屋のドアなんて開けないしね。
でも、会わなくても助けてはくれた。
私付きにとつけてくれたメイドの方は、すごく優秀な方だった。
名前はアナさん。毎日私の身の回りや食事の世話だけでなく、翌日の集合場所の確認とか準備品の用意とか、とにかくありとあらゆることに心を砕いてくれている。個人秘書みたいな感じ?おおっ、贅沢!
王太子が付けたってことは、監視的な役割もあるんだろうけど、とにかく、すごく出来る人だ。
ただそうやって毎日を過ごすうちに、王太子の言っていた「婚約者としての保護」の意味も分かり始めてきた。
確かに、王太子の婚約者であれば、そう簡単には手を出せない。
まあ、たまに頭の悪い令嬢がいたずらを仕掛けてくるぐらいだが、可愛いもんだ。
もっと質の悪いこと、敵意のあるようなことを、表立ってしてくるような人はいない。
そして居たとしたら一瞬で仕留められるだろう。
そうでもなければ、男爵家の私生児でヒロイン属性の聖女という私は悪目立ちしてしまい、もっと深刻ないじめの対象になっていたのかもしれない。
そこまで考えると、なんだか、気が滅入ってきた。
こういう時は、運動に限る!
私は軽装に着替えると、セオドアを探しに行った。
きっと、今頃の時間なら男子寮でトグロを巻いてるはず。
「こんにちは!セオドアを呼んで欲しいのですが」
男子寮で元気に挨拶だ。
私の顔を驚いたようにまじまじと見ていたが、ハッと息を飲むと顔を赤らめながら走ってセオドアを呼んできてくれた。
「やだーもう。今パック中だから後にしてよ~~」
顔を泥パック?で覆い、灰色の顔をしたセオドアが出てきた。
超迫力。それ・・・効果ありそうだね?
嫌々ながらも出てきたセオドアの顔を見て、男子生徒達はみなビビっている。でも、本人は気にもしていない。
さすがだね、セオ。
「ええー、いいじゃん。ほらほら、やらなくても綺麗だからさぁ」
「ダメ。美貌を保つためには、週一のこの時間は譲れないのよ。」
「ケチー」
二人でわちゃわちゃとじゃれていると、後ろから声がかかった。
「スー、僕がお相手しようか?」
え、聞いたことがある声?声変わりして少し低くなってるけど、この声は・・・
「ジョセフ!」
うわ!すごく嬉しい!会えて嬉しい。
すごく久しぶりだ!前に会ったのは・・・2年前?
二つ年上のジョセフは、今、3年生に在学しているはず。
しばらくぶりに会ったジョセフは、見上げるほど背が高くなっていた。
身体つきもすっかり変わり、かなり筋肉がついたみたい。
でも、人懐っこい笑顔は全然変わらない。明るくて、人の心を和ませる力を持った人だ。
「うわあ、懐かしい。剣の稽古一緒にやろうよ!」
私がそう言うと、セオドアが慌ててパックをむしり取って付いて来た。
何よ、嫌がってたくせに。そもそも、あんた剣の稽古嫌がるじゃない。
紫外線が~~とか言ってさあ。
「二人きりになんてしたら、あの王太子に何されるか分からないでしょ。この僕が!」
何言ってんのよ。変なの。
「やあ!」
掛け声をあげながら、剣を交わす。気持ちいい!
ジョセフは湖で練習していた時よりもずいぶん背が高くなり、上達していた。
私の剣を受けて、流す。強くもなく弱くもなく、押し返してくる。
私の力量を知って、鍛錬になる程度の返してくれる剣筋は柔らかいけど、力強い。
ジョセフそのものだ。
小一時間ほど剣を交え、いい感じに疲れ切った。
ゴロリと競技場の床に寝転がる。
「ちょちょちょちょっと!!!!ダメダメダメ!!!」
セオドアに無理矢理に引き起こされる。
あー、火照った身体に床の冷たさが気持ちよかったのにーー。
「こ、殺す気か!」
焦ったセオドアにベンチまで引きずって行かれた。
「一応!!立場!自覚して!!」
青筋立ってるよ、セオ?
真っ赤に火照った顔でセオドアを見上げると、セオドアは「もうっ!」と言いながら慌てて水を取りに走って行った。
弟よ、迷惑かけるのぉ。
そうね、王太子の婚約者だもんね。一応、だけど。
忘れてた。
「シネ」
「辞退シロ」
「ニセセイジョ」
「ダマサレナイゾ」
毎日執拗に来るDM。というかもしかして脅迫状?いやがらせ?
私はため息をつくと脅迫状を箱に突っ込んだ。
もう少しまとまったら、相談するか。
今はまだなんとなく、知られたくない。
多分、嫌がらせを受けている事実を認めたくない。
でも、この脅迫状まがいの手紙は、届くたびに私の気持ちを暗くする。
機会を見て、セオドアにでも言おっかな。
入学してからしばらく経ち、私の生活もだいぶ落ち着いてきた。
王太子とはあれからもやっぱり滅多に会わないけど、形だけの婚約者なんてこんなもんだよね。
「私に言え」とか言ってたけど、連絡手段すらない。
隣の部屋だけど、当然、続き部屋のドアなんて開けないしね。
でも、会わなくても助けてはくれた。
私付きにとつけてくれたメイドの方は、すごく優秀な方だった。
名前はアナさん。毎日私の身の回りや食事の世話だけでなく、翌日の集合場所の確認とか準備品の用意とか、とにかくありとあらゆることに心を砕いてくれている。個人秘書みたいな感じ?おおっ、贅沢!
王太子が付けたってことは、監視的な役割もあるんだろうけど、とにかく、すごく出来る人だ。
ただそうやって毎日を過ごすうちに、王太子の言っていた「婚約者としての保護」の意味も分かり始めてきた。
確かに、王太子の婚約者であれば、そう簡単には手を出せない。
まあ、たまに頭の悪い令嬢がいたずらを仕掛けてくるぐらいだが、可愛いもんだ。
もっと質の悪いこと、敵意のあるようなことを、表立ってしてくるような人はいない。
そして居たとしたら一瞬で仕留められるだろう。
そうでもなければ、男爵家の私生児でヒロイン属性の聖女という私は悪目立ちしてしまい、もっと深刻ないじめの対象になっていたのかもしれない。
そこまで考えると、なんだか、気が滅入ってきた。
こういう時は、運動に限る!
私は軽装に着替えると、セオドアを探しに行った。
きっと、今頃の時間なら男子寮でトグロを巻いてるはず。
「こんにちは!セオドアを呼んで欲しいのですが」
男子寮で元気に挨拶だ。
私の顔を驚いたようにまじまじと見ていたが、ハッと息を飲むと顔を赤らめながら走ってセオドアを呼んできてくれた。
「やだーもう。今パック中だから後にしてよ~~」
顔を泥パック?で覆い、灰色の顔をしたセオドアが出てきた。
超迫力。それ・・・効果ありそうだね?
嫌々ながらも出てきたセオドアの顔を見て、男子生徒達はみなビビっている。でも、本人は気にもしていない。
さすがだね、セオ。
「ええー、いいじゃん。ほらほら、やらなくても綺麗だからさぁ」
「ダメ。美貌を保つためには、週一のこの時間は譲れないのよ。」
「ケチー」
二人でわちゃわちゃとじゃれていると、後ろから声がかかった。
「スー、僕がお相手しようか?」
え、聞いたことがある声?声変わりして少し低くなってるけど、この声は・・・
「ジョセフ!」
うわ!すごく嬉しい!会えて嬉しい。
すごく久しぶりだ!前に会ったのは・・・2年前?
二つ年上のジョセフは、今、3年生に在学しているはず。
しばらくぶりに会ったジョセフは、見上げるほど背が高くなっていた。
身体つきもすっかり変わり、かなり筋肉がついたみたい。
でも、人懐っこい笑顔は全然変わらない。明るくて、人の心を和ませる力を持った人だ。
「うわあ、懐かしい。剣の稽古一緒にやろうよ!」
私がそう言うと、セオドアが慌ててパックをむしり取って付いて来た。
何よ、嫌がってたくせに。そもそも、あんた剣の稽古嫌がるじゃない。
紫外線が~~とか言ってさあ。
「二人きりになんてしたら、あの王太子に何されるか分からないでしょ。この僕が!」
何言ってんのよ。変なの。
「やあ!」
掛け声をあげながら、剣を交わす。気持ちいい!
ジョセフは湖で練習していた時よりもずいぶん背が高くなり、上達していた。
私の剣を受けて、流す。強くもなく弱くもなく、押し返してくる。
私の力量を知って、鍛錬になる程度の返してくれる剣筋は柔らかいけど、力強い。
ジョセフそのものだ。
小一時間ほど剣を交え、いい感じに疲れ切った。
ゴロリと競技場の床に寝転がる。
「ちょちょちょちょっと!!!!ダメダメダメ!!!」
セオドアに無理矢理に引き起こされる。
あー、火照った身体に床の冷たさが気持ちよかったのにーー。
「こ、殺す気か!」
焦ったセオドアにベンチまで引きずって行かれた。
「一応!!立場!自覚して!!」
青筋立ってるよ、セオ?
真っ赤に火照った顔でセオドアを見上げると、セオドアは「もうっ!」と言いながら慌てて水を取りに走って行った。
弟よ、迷惑かけるのぉ。
そうね、王太子の婚約者だもんね。一応、だけど。
忘れてた。
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