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3 ヒロインへの道
118 歌の効能
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音楽を解放するためには、教団の許可が必要。
そしてそのためには教団の幹部たちを説得しなければいけない。
私は、神聖聖女教団の大聖堂で、教団の幹部たちを相手に歌の解放とその効果についてプレゼンすることになった。
難しい言葉でいうと査問会が開かれることになった。
ちなみに、査問会には教団の幹部しか入れないので、頼りのセオドアに一緒にいてもらうことはできない。
私は一人で教団の幹部を相手取って話さなければならないのだ。
これって結構辛い。
セオドアにどれだけ支えてもらっているのか、ありがたみがわかるよ。
そして査問会を開催するために骨折ってくれたヴィダル先生は中立の立場だから、私の味方をすることはできないって事前に言われていた。
私はまさに一人っきりで、教会の幹部のおじさんやおじいさんたちと向かい合わなきゃいけない。
大聖堂は、圧倒されるほど大きい石造りの建物だった。
高い尖塔が何本もある。
歴代聖女の数だけ立っているというその尖塔は、ぐるりと教会を取り巻いていた。
私が聖女として立てば、すぐに新しい尖塔を作り始めるとか。
すでにその準備は進んでおり、着工を待つばかりになっている。
なんか、大ごとだ。
この国の歴史に残る大きな建物を作るってことは、たくさんのお金もかかるし、大勢の人がそのために働くってこと。
聖女って、思っていたより大きな存在みたい。
ぶるりと、背中を緊張が走った。
でも、今日はやることがある。
私はセオドアととう様に付き添われて、大聖堂に入った。
大聖堂の中は白い大理石で作られた真白な空間だった。
磨き抜かれた大理石と、聖堂の床は幾何学的な模様が様々な色の石で描かれた、八角形の何もないホール。
ここはただ祈りのための場所なので、椅子も何もない。
周りには大理石でできた歴代聖女の像が並んでいる。
これ見よがしに、あとは新しい像を乗せるだけ、という空間を発見し、めっちゃ居心地が悪くなった。
自分がこの聖女の像たちと同じ扱いを受けるとか、ありえないよねえ?今すぐ逃げ出したい。
そもそも、まだ生きてるんだから彫像にされたくないよね?
そして今日、私はこの教団のお偉方にぐるりと囲まれている。
聖堂の中央に立たされた、白いワンピース姿の私。
恐ろしいことに、全員が私に向かって額づいている。
とう様とセオドアは聖堂外の控え室で待機させられているから私ひとりきりね!
やめてください、お願いします。普通で、普通でお願いします!!と叫びたいが叫べる状況でもない。
むしろ自体が悪化する予想しかできない。
私は、ぎっしりと床を埋める信者の方々の背中をぐるりと見まわし、途方にくれてヴィダル先生を見た。
「皆さん、本日は聖女様、おっと聖女候補のステラ嬢のためにお集まりいただきありがとうございます。ステラ嬢から皆さんに提案があります。ありがたく拝聴いたしましょう」
ヴィダル先生が皆さんに語りかけると、信者の方々は一層頭を下げ、額を床にぐりぐりとこすりつけた。
お願いしますから、普通で!!みなさん普通で!!!もしかして、これが普通なの?
私が困り果ててヴィダル先生の顔を見ると、先生はコクリと頷き、
「頭を上げてください」
と全員に声をかけた。
一斉に頭を上げた方々。
おでこにぐりぐりした跡がついてる。
そして視線が私に集中‥‥‥うわっ。
こ、これはどっちがいいんだろ。
後頭部に向かって話をするのと、みんなに見られて話をするのと‥‥‥どっちもきつい。
しかし乗り越えなければならない壁、頑張れ私。
「みなさん、本日はありがとうございます」
集まった方々に挨拶しようとした声は震えていた。
膝もガクガクと震える。
が、が、がんばれ、わたし。
「この国では、教会の外では歌と音楽を禁止していると聞きました。唯一の例外が聖女を讃える歌だったとか。私が嫌がったためにそれすら禁止されたと聞いて申し訳なく思っています。歌や音楽は心を支える力を持っています。人々の心を支え、生活を豊かにするために、音楽を解放して欲しいと願っています」
そしてそのためには教団の幹部たちを説得しなければいけない。
私は、神聖聖女教団の大聖堂で、教団の幹部たちを相手に歌の解放とその効果についてプレゼンすることになった。
難しい言葉でいうと査問会が開かれることになった。
ちなみに、査問会には教団の幹部しか入れないので、頼りのセオドアに一緒にいてもらうことはできない。
私は一人で教団の幹部を相手取って話さなければならないのだ。
これって結構辛い。
セオドアにどれだけ支えてもらっているのか、ありがたみがわかるよ。
そして査問会を開催するために骨折ってくれたヴィダル先生は中立の立場だから、私の味方をすることはできないって事前に言われていた。
私はまさに一人っきりで、教会の幹部のおじさんやおじいさんたちと向かい合わなきゃいけない。
大聖堂は、圧倒されるほど大きい石造りの建物だった。
高い尖塔が何本もある。
歴代聖女の数だけ立っているというその尖塔は、ぐるりと教会を取り巻いていた。
私が聖女として立てば、すぐに新しい尖塔を作り始めるとか。
すでにその準備は進んでおり、着工を待つばかりになっている。
なんか、大ごとだ。
この国の歴史に残る大きな建物を作るってことは、たくさんのお金もかかるし、大勢の人がそのために働くってこと。
聖女って、思っていたより大きな存在みたい。
ぶるりと、背中を緊張が走った。
でも、今日はやることがある。
私はセオドアととう様に付き添われて、大聖堂に入った。
大聖堂の中は白い大理石で作られた真白な空間だった。
磨き抜かれた大理石と、聖堂の床は幾何学的な模様が様々な色の石で描かれた、八角形の何もないホール。
ここはただ祈りのための場所なので、椅子も何もない。
周りには大理石でできた歴代聖女の像が並んでいる。
これ見よがしに、あとは新しい像を乗せるだけ、という空間を発見し、めっちゃ居心地が悪くなった。
自分がこの聖女の像たちと同じ扱いを受けるとか、ありえないよねえ?今すぐ逃げ出したい。
そもそも、まだ生きてるんだから彫像にされたくないよね?
そして今日、私はこの教団のお偉方にぐるりと囲まれている。
聖堂の中央に立たされた、白いワンピース姿の私。
恐ろしいことに、全員が私に向かって額づいている。
とう様とセオドアは聖堂外の控え室で待機させられているから私ひとりきりね!
やめてください、お願いします。普通で、普通でお願いします!!と叫びたいが叫べる状況でもない。
むしろ自体が悪化する予想しかできない。
私は、ぎっしりと床を埋める信者の方々の背中をぐるりと見まわし、途方にくれてヴィダル先生を見た。
「皆さん、本日は聖女様、おっと聖女候補のステラ嬢のためにお集まりいただきありがとうございます。ステラ嬢から皆さんに提案があります。ありがたく拝聴いたしましょう」
ヴィダル先生が皆さんに語りかけると、信者の方々は一層頭を下げ、額を床にぐりぐりとこすりつけた。
お願いしますから、普通で!!みなさん普通で!!!もしかして、これが普通なの?
私が困り果ててヴィダル先生の顔を見ると、先生はコクリと頷き、
「頭を上げてください」
と全員に声をかけた。
一斉に頭を上げた方々。
おでこにぐりぐりした跡がついてる。
そして視線が私に集中‥‥‥うわっ。
こ、これはどっちがいいんだろ。
後頭部に向かって話をするのと、みんなに見られて話をするのと‥‥‥どっちもきつい。
しかし乗り越えなければならない壁、頑張れ私。
「みなさん、本日はありがとうございます」
集まった方々に挨拶しようとした声は震えていた。
膝もガクガクと震える。
が、が、がんばれ、わたし。
「この国では、教会の外では歌と音楽を禁止していると聞きました。唯一の例外が聖女を讃える歌だったとか。私が嫌がったためにそれすら禁止されたと聞いて申し訳なく思っています。歌や音楽は心を支える力を持っています。人々の心を支え、生活を豊かにするために、音楽を解放して欲しいと願っています」
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