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3 ヒロインへの道
137 不安と別れ
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ノックの音とともに、クロードさんが入ってきた。
「そろそろ、お時間です」
「うむ」
ハル様が立ち上がった。
「思ったより時間が取れたな。皆、後のことはよろしく頼む」
そう言うとハル様が頭を下げた。
「殿下‥‥‥!!」
みんな驚いて腰を抜かしそうになっている。
王族の、しかも王太子が頭を下げるなんて、ありえない!!
「セオドア、エリザベス。男爵領を立て直せ。民の生活を守ってくれ」
「はい」
「お任せください」
「リーラ、ステラを頼む」
「はい!必ず!」
「ジョセフ」
ハル様はジョセフをじっと見た。
「‥‥‥ステラを守ってくれ」
「命に代えましても」
ジョセフが頭を下げた。
「私の身に万一のことがあった場合は、ステラを国外に逃がせ。必ずだ」
ジョセフはハッと息を飲むとハル様の目を見返した。
二人のの視線がぶつかり合う。その表情からジョセフがハル様の意図を理解したことを悟った。
短い逡巡。
「わかりました」
視線を落とし、答えたジョセフの手は震えていた。
「必ずや。聖女様をこの身を呈してもお守りいたします」
ジョセフが鞘を鳴らした。その金属音は、あまりにも重く耳に残った。
ハル様がかすかに微笑み、頷いた。
「ステラ」
ハル様が私と向き合い、手を握った。
私の目から涙が滴り落ちた。離れたくない。怖い。
ハル様になにかあったらどうしよう。
突然の悪意に戸惑いと怒りがこみ上げる。どうして、あんな人のせいで私が辛い思いをしなきゃいけないの?
私からは何もしていない。
ずっと、耐えてきたのに。
何も伝わらなくても、あの人が私をバカにしているのはわかっていた。でも、気がつかないふりをしてきたのに。
「泣くな、ステラ」
ハル様が私の手をそっと引き寄せた。
ハル様の腕の中に収まると、ますます涙が止まらなくなった。
「離れるのが怖い」
思わず言葉がこぼれる。
「そうだな。私もだ」
ハル様が私をぎゅっと抱き寄せた。
「忘れるな。私に何かあったら必ず国外に逃げろ。ためらうな」
「そんなこと言わないで」
いままで、必死で保っていた何かが崩れ落ちそうになる。
お願い、離れたくない、思わずそう言ってしまいそうになる。ハル様が私のために言ってくれていることはわかっているのに。
こらえきれずに嗚咽が部屋に響く。
みんながいるのに、涙を止めることができない。
情けない。みんなの前で泣くなんて、これ私なの?でも止まらない。
心が揺れる。
大きく揺れて、感情を捕まえていられなくなる。
心の中にある何か大きなものが揺れて、どこかに弾け飛んでしまいそうだ。
目の前が金色に染まった。
ハル様が私の目を見つめた。
「その目を見るのは久しぶりだな。初めて会った時以来か」
そう言うと、ふっと微笑んだ。
「何があろうと、私には、お前だけだ。それを忘れるな」
ハル様がギューっと強く私を抱きしめ、そして、離れた。
「私だって‥‥‥ハル様だけです」
すがりつきたくなる気持ちを抑えてハル様に告げる。
大きく声が揺れて、違う人の声のように聞こえる。
どうして、一緒にいられないんだろう。
ただ、それだけでいいのに。
ハル様の指先が、私の頬に軽く触れた。
「‥‥‥私を、信じろ」
それだけ言うと、ハル様の手が私の頬から離れた。温もりが遠ざかっていく。
ハル様が静かに部屋を出ると、クロードさんが無言で会釈してそのまま続いて行った。
「ハル様‥‥‥」
涙が止まらない。
泣いてる場合じゃないのに。
でも、どうしても止まらない。
「私‥‥‥私‥‥‥」
さみしい。
その言葉を必死で飲み込んだ。
もっとずっと一緒にいたいけど、ハル様はいつも忙しい。
せっかく会えても、ほんのわずかな時間しか一緒にいられない。
それが、とても寂しかった。
でも、今、その短い時間すら奪われてしまった。
離れてしまって、今まで通りでいられるのか。
真っ黒な不安が襲いかかる。
「信じろ」とハル様は言った。
もう、その言葉しかない。
「ステラ様」タチアナ様が私の肩をそっと抱いた。
「ハルヴァート様は必ず無事にお戻りになりますよ。信じましょう」
「そうですよ。のんびりしてはいられません、取り急ぎここを去らないと」
リーラが焦りを含んだ声で言う。
そのとき、ドアをノックする音が響いた。
「生徒会副会長のルシアナ嬢からのご命令です。ステラ嬢は速やかにこちらの部屋を退出してください。女子寮の指定された部屋に移動するように」
「ステラ様は、王太子殿下の婚約者ですよ。無礼な」
ロナルドが生徒会の生徒に反論する。
「生徒会長であるハルヴァート殿下が業務を遂行できなくなった今、学園において寮の部屋割りを含め権限を持っているのは副会長であるルシアナ公女です。また、公女は女子代表でもありますので、女子寮の部屋割りもルシアナ様の権限下にあります」
「なんてことを‥‥‥」
反論しようとするロナルドをタチアナ様が手で制した。
「もちろん、ステラ嬢はご指示に従いますわ。それがこの学園のルールですから」
にこやかにタチアナ様が言う。そう言えば、タチアナ様は生徒会役員だから、この生徒のことも知っているに違いない。
「女子寮に向かえばよろしいのかしら?」
「はい、そのように」
「準備を整えて、すぐに伺いますわ」
「すぐに連れてくるように指示を受けております」
「まあ、イアムくん、無礼ですよ?」
タチアナ様が、さも心外だと言うように目を見開いた。
「私だって生徒会役員ですのよ。ステラ嬢にだって身の回りのものをお持ちになる時間は必要でしょう?ね?」
にっこりと笑いかけると、イアムくんとやらは反論できず、不満そうな顔を見せながら、部屋から出て行った。
「早く」
イアムくんが立ち去るとすぐに、タチアナ様が窓を指差した。
ドアではなく、窓から出ろと。
「走れますよね?ステラ」
「大丈夫」
迷ってる場合じゃない。
バルコニーから庭に降りようとした時に、セオドアが声をかけた。
「領地のことは任せて。自分のことだけ考えて!」
必死な口調にセオドアの思いが伝わってくる。
大好きな弟。あんたがいるから、安心してここを離れられるの。
「わかった。領地のことはお願い」
「さ、早く」
リーラに促され、庭に降りるとすぐに、正門まで走り出した。
本当にハル様の言う通りだったんだ。
このまま寮に残っていたら危険だ。
学園の出口まで走って出ると、馬が3頭用意されていた。
慌てて馬にまたがると、リーラが指笛を吹いた。
「では、参りましょう!」
とりあえず、逃げるしかない。
リーラを頼るしかない。
私は、リーラの馬が目の前で立てている土煙を浴びながら、ルシアナの悪意に気がつかなかった自分の甘さを悔やんだ。
*************************************************
なななんと、お気に入りを70も入れていただきまして、感謝感激雨あられです。(本気で)
記念にここに書き込んでおきます(嬉しいので)
いつも読んでくださる方もありがとうございます。
「そろそろ、お時間です」
「うむ」
ハル様が立ち上がった。
「思ったより時間が取れたな。皆、後のことはよろしく頼む」
そう言うとハル様が頭を下げた。
「殿下‥‥‥!!」
みんな驚いて腰を抜かしそうになっている。
王族の、しかも王太子が頭を下げるなんて、ありえない!!
「セオドア、エリザベス。男爵領を立て直せ。民の生活を守ってくれ」
「はい」
「お任せください」
「リーラ、ステラを頼む」
「はい!必ず!」
「ジョセフ」
ハル様はジョセフをじっと見た。
「‥‥‥ステラを守ってくれ」
「命に代えましても」
ジョセフが頭を下げた。
「私の身に万一のことがあった場合は、ステラを国外に逃がせ。必ずだ」
ジョセフはハッと息を飲むとハル様の目を見返した。
二人のの視線がぶつかり合う。その表情からジョセフがハル様の意図を理解したことを悟った。
短い逡巡。
「わかりました」
視線を落とし、答えたジョセフの手は震えていた。
「必ずや。聖女様をこの身を呈してもお守りいたします」
ジョセフが鞘を鳴らした。その金属音は、あまりにも重く耳に残った。
ハル様がかすかに微笑み、頷いた。
「ステラ」
ハル様が私と向き合い、手を握った。
私の目から涙が滴り落ちた。離れたくない。怖い。
ハル様になにかあったらどうしよう。
突然の悪意に戸惑いと怒りがこみ上げる。どうして、あんな人のせいで私が辛い思いをしなきゃいけないの?
私からは何もしていない。
ずっと、耐えてきたのに。
何も伝わらなくても、あの人が私をバカにしているのはわかっていた。でも、気がつかないふりをしてきたのに。
「泣くな、ステラ」
ハル様が私の手をそっと引き寄せた。
ハル様の腕の中に収まると、ますます涙が止まらなくなった。
「離れるのが怖い」
思わず言葉がこぼれる。
「そうだな。私もだ」
ハル様が私をぎゅっと抱き寄せた。
「忘れるな。私に何かあったら必ず国外に逃げろ。ためらうな」
「そんなこと言わないで」
いままで、必死で保っていた何かが崩れ落ちそうになる。
お願い、離れたくない、思わずそう言ってしまいそうになる。ハル様が私のために言ってくれていることはわかっているのに。
こらえきれずに嗚咽が部屋に響く。
みんながいるのに、涙を止めることができない。
情けない。みんなの前で泣くなんて、これ私なの?でも止まらない。
心が揺れる。
大きく揺れて、感情を捕まえていられなくなる。
心の中にある何か大きなものが揺れて、どこかに弾け飛んでしまいそうだ。
目の前が金色に染まった。
ハル様が私の目を見つめた。
「その目を見るのは久しぶりだな。初めて会った時以来か」
そう言うと、ふっと微笑んだ。
「何があろうと、私には、お前だけだ。それを忘れるな」
ハル様がギューっと強く私を抱きしめ、そして、離れた。
「私だって‥‥‥ハル様だけです」
すがりつきたくなる気持ちを抑えてハル様に告げる。
大きく声が揺れて、違う人の声のように聞こえる。
どうして、一緒にいられないんだろう。
ただ、それだけでいいのに。
ハル様の指先が、私の頬に軽く触れた。
「‥‥‥私を、信じろ」
それだけ言うと、ハル様の手が私の頬から離れた。温もりが遠ざかっていく。
ハル様が静かに部屋を出ると、クロードさんが無言で会釈してそのまま続いて行った。
「ハル様‥‥‥」
涙が止まらない。
泣いてる場合じゃないのに。
でも、どうしても止まらない。
「私‥‥‥私‥‥‥」
さみしい。
その言葉を必死で飲み込んだ。
もっとずっと一緒にいたいけど、ハル様はいつも忙しい。
せっかく会えても、ほんのわずかな時間しか一緒にいられない。
それが、とても寂しかった。
でも、今、その短い時間すら奪われてしまった。
離れてしまって、今まで通りでいられるのか。
真っ黒な不安が襲いかかる。
「信じろ」とハル様は言った。
もう、その言葉しかない。
「ステラ様」タチアナ様が私の肩をそっと抱いた。
「ハルヴァート様は必ず無事にお戻りになりますよ。信じましょう」
「そうですよ。のんびりしてはいられません、取り急ぎここを去らないと」
リーラが焦りを含んだ声で言う。
そのとき、ドアをノックする音が響いた。
「生徒会副会長のルシアナ嬢からのご命令です。ステラ嬢は速やかにこちらの部屋を退出してください。女子寮の指定された部屋に移動するように」
「ステラ様は、王太子殿下の婚約者ですよ。無礼な」
ロナルドが生徒会の生徒に反論する。
「生徒会長であるハルヴァート殿下が業務を遂行できなくなった今、学園において寮の部屋割りを含め権限を持っているのは副会長であるルシアナ公女です。また、公女は女子代表でもありますので、女子寮の部屋割りもルシアナ様の権限下にあります」
「なんてことを‥‥‥」
反論しようとするロナルドをタチアナ様が手で制した。
「もちろん、ステラ嬢はご指示に従いますわ。それがこの学園のルールですから」
にこやかにタチアナ様が言う。そう言えば、タチアナ様は生徒会役員だから、この生徒のことも知っているに違いない。
「女子寮に向かえばよろしいのかしら?」
「はい、そのように」
「準備を整えて、すぐに伺いますわ」
「すぐに連れてくるように指示を受けております」
「まあ、イアムくん、無礼ですよ?」
タチアナ様が、さも心外だと言うように目を見開いた。
「私だって生徒会役員ですのよ。ステラ嬢にだって身の回りのものをお持ちになる時間は必要でしょう?ね?」
にっこりと笑いかけると、イアムくんとやらは反論できず、不満そうな顔を見せながら、部屋から出て行った。
「早く」
イアムくんが立ち去るとすぐに、タチアナ様が窓を指差した。
ドアではなく、窓から出ろと。
「走れますよね?ステラ」
「大丈夫」
迷ってる場合じゃない。
バルコニーから庭に降りようとした時に、セオドアが声をかけた。
「領地のことは任せて。自分のことだけ考えて!」
必死な口調にセオドアの思いが伝わってくる。
大好きな弟。あんたがいるから、安心してここを離れられるの。
「わかった。領地のことはお願い」
「さ、早く」
リーラに促され、庭に降りるとすぐに、正門まで走り出した。
本当にハル様の言う通りだったんだ。
このまま寮に残っていたら危険だ。
学園の出口まで走って出ると、馬が3頭用意されていた。
慌てて馬にまたがると、リーラが指笛を吹いた。
「では、参りましょう!」
とりあえず、逃げるしかない。
リーラを頼るしかない。
私は、リーラの馬が目の前で立てている土煙を浴びながら、ルシアナの悪意に気がつかなかった自分の甘さを悔やんだ。
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